この記事のポイント
- スマートフォン、家電、車など身近な製品におけるAI活用事例を紹介
- エンターテイメント、医療、農業などの分野でのAI応用を解説
- AIによる業務効率化や意思決定支援の実例を提示
- AIが個人のニーズに合わせたサービス最適化を実現する事例を紹介
- AIと人間の協働による新たな価値創造の可能性を探る
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
テレビや新聞、インターネットなど、様々なメディアで「AI」という言葉が頻繁に取り上げられるようになり、多くの人にとって身近なものとなった今、さらにAI(人工知能)について理解を深めたいと考える方も多いのではないでしょうか。
そんなAIですが、実はもう私たちの生活に深く根付き、様々な場面で活躍しています。
本記事ではAIの身近な活用事例を役割について21の事例を詳しく解説していきます。
スマートフォンのアシスタント機能や画像認識技術を活用したリアルタイム翻訳、自動運転技術の最前線、医療画像診断におけるAIの精度向上など、身近にある多岐にわたる事例を紹介します。
読者の皆様がよりAIを理解し、生活の質を向上させるための一歩となるよう、親しみやすく丁寧にご紹介していきます。
目次
AIの身近な活用事例21選
ここでは、身近なAIの具体的な利用例について21の事例をご紹介します。
各導入事例の詳細も別途記載していますので、気になる事例はリンクを押してご確認ください。
情報収集・コミュニケーション
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1. スマートフォンのアシスタント
Siriの進化による生活の利便性向上。 -
2. Eメールのスパムフィルタリング
AIによるスパムメールの高精度フィルタリング。 -
3. リアルタイム翻訳
Google翻訳やDeepLによるリアルタイム翻訳技術。 -
4. ナビゲーションシステム
Google Mapsのイマーシブビューと拡張現実ナビゲーション。
1.スマートフォンのアシスタント
アップデートされたSiri
ご存知の方も多いかもしれませんが、iPhoneに内蔵されているSiriはAI技術が組み込まれています。
Siriは音声認識・自然言語処理・知識ベース・機械学習の4つの技術から構成されています。
2011年、iPhone 4Sに搭載され、機械学習技術の進化と共に、より自然な言語理解と高度な情報処理能力を獲得し、ユーザーの生活に欠かせない存在へと成長を遂げています。
そんなSiriですが、2024年にはApple Inteligenceによる大幅アップデートの公開も発表されており、世界から注目が集まっています。
アップデートされる点
- マルチモーダルAI:音声だけでなく、画像や動画などの情報を理解し、処理する能力が向上します。
- オンデバイスAI:一部の処理を端末上で実行することで、より高速でプライバシー保護された処理が可能になります。
- パーソナライゼーション:個々のユーザーのニーズや好みに合わせて、より最適化されたサービスを提供します。
これらの強化により、Siriはさらに高度なアシスタントへと進化し、ユーザーの生活をより便利で快適なものへとサポートしていくことが期待されます。
2.Eメールのスパムフィルタリング
Gmailのスパムフィルタリング 出典:Google
近年、AI技術の進歩により、Eメールのスパムフィルタリングの精度が飛躍的に向上しています。
従来のフィルタリング方法では、送信者情報や本文内容に基づいてスパムメールを判別していましたが、AIを活用することでより高度な分析が可能になり、巧妙なスパムメールも区別することが可能になっています。
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Google
機械学習アルゴリズムを用いて、ユーザーからのフィードバックや過去のスパムメールデータを分析することで、スパムメールの検出精度を向上させています。
また、リアルタイムで新しいスパムメールを学習し、迅速に対応することができます。
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マイクロソフト
スパムメールの送信者や本文内容だけでなく、送信者のIPアドレスや添付ファイルの情報なども分析し、より精度の高いスパムフィルタリングを実現しています。
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Yahoo!
ユーザーのメール利用状況や過去のスパムメール受信履歴などを分析し、個々のユーザーに最適化されたスパムフィルタリングを提供しています。
AIスパムフィルタリング技術は、現在も誤検出を減らすためのアルゴリズムの改良や、ユーザーのプライバシー保護を強化するための対策などが進められており、今後も技術の発展が予想されます。
3.リアルタイム翻訳
リアルタイム翻訳の例 出典:Google
翻訳技術もAIにより、精度が向上しています。従来の翻訳ツールでは、機械翻訳と呼ばれる手法を用いて翻訳していましたが、AIを活用することで、より自然で正確な翻訳が可能になっています。
- Google翻訳
Google Pixel スマホに搭載されている「リアルタイム翻訳」機能は、カメラ、音声、テキストなど様々な形式のリアルタイム翻訳に対応しています。
また、翻訳されたテキストを音声で読み上げたり、翻訳結果を画面上に表示したりすることもできます。
この動画ではSpeech-to-Text API と Translation API を使用して動画に同時字幕を追加しています。異なる言語の字幕を同時に動画に追加ができるため、言語学習や情報収集に役立ちます。
- DeepL翻訳
DeepL翻訳は、ニューラルネットワークと呼ばれるAI技術を用いた高精度な翻訳が特徴です。
無料版では文字数制限がありますが、有料版ではより多くの文字数を翻訳することができます。また、翻訳結果をPDFファイルで保存したり、他のアプリと連携したりすることもできます。
その他にも、Microsoft Bing、Weblio翻訳など、様々なリアルタイム翻訳ツールが開発されています。それぞれ異なる特徴や機能を持っているため、用途に合わせて最適なツールを選ぶことができます。
4.ナビゲーションシステム
Google MapsのImmersive viewと Lens in Maps
AI技術の進歩により、ナビゲーションシステムの機能が大幅に向上しています。従来のナビゲーションシステムでは、単純なルート案内のみでしたが、AIを活用することで、より快適で便利なナビゲーション体験を提供することができます。
例えば、GoogleMapsではルートのイマーシブビューでは出かける前に目的地を3Dモデルで確認することができます。建物の外観や周辺の景色を事前に把握することで、よりスムーズな移動が可能になります。
また、AI と拡張現実を使用する Lens in Maps ( 旧 Search with Live View) は、拡張現実技術を活用して、カメラを通してリアルタイムに情報を表示することができます。観光スポットやお店の情報などを簡単に確認できます。
【参考】
Google:新しいマップのアップデート:ルートのイマーシブビューやその他の AI 機能
家事・生活におけるAI活用事例
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5. 掃除ロボット
Roombaによる高度な自動掃除機能。 -
6. スマートスピーカー
音声操作で家電を管理するスマートスピーカーの例。 -
7. スマートエアコン
AIが最適な環境を提供するエアコン。 -
8. AI冷蔵庫
AIカメラを搭載した冷蔵庫による食材管理。
5.掃除ロボット
Roombaの画像 出典:iRobot公式サイト
ロボット掃除機であるRoombaは、AI技術の搭載により、より高度な機能を搭載するようになっています。従来の単なる床掃除機能に加え、様々なAI活用機能が搭載されています。
スマートマップ機能
Roombaは、独自のImprint Smart Mapping™技術により、掃除エリアを学習し、詳細なマップを作成することができます。このマップを利用することで、以下の機能を実現します。
- 個別エリア清掃: 複数の部屋を区切って、それぞれ異なる清掃スケジュールを設定することができます。
- バーチャルウォール: 掃除を避けたいエリアにバーチャルウォールを設定することができます。
- スポット清掃: 特定の場所を集中的に掃除することができます。
- 障害物回避機能搭載した障害物センサーやカメラを活用し、障害物を検知して回避することができます。コード類や家具などの障害物に引っかかることなく、スムーズに掃除を行うことができます。
6. スマートスピーカー
スマートスピーカーは、音声で様々な操作を行うことができます。音楽再生、ニュースの読み上げ、天気予報の確認、家電製品の操作など、幅広い操作が可能です。
スマートスピーカーの例
- Google「Google Nest Mini」
- Apple「Home Pod 第2世代」
- Amazon「Echo Pop(エコーポップ)」
- BOSE「Portable Smart Speaker」
例えば、スマートホームデバイスと連携すれば、家電製品を音声で操作することができます。
照明、エアコン、カーテンなど、様々な家電製品を音声で操作することが可能です。
それぞれ異なる特長があるため、それぞれニーズに合わせた製品を選ぶことができます。
7.スマートエアコン
ダイキンのスマートアプリ(エアコン)
出典:ダイキン
エアコンもAI技術を活用することで、快適な空間を創造する「スマートエアコン」へと進化しています。
従来のエアコンでは設定温度を調整するだけでしたが、スマートエアコンではAIが室温、湿度、気流、人の動きなどを学習し、自動的に最適な設定を調整します。
AI機能の具体例
- 快適モード: 室温、湿度、気流、人の動きなどを総合的に判断し、快適な状態を維持します。
- 学習機能: ユーザーの生活パターンや好みを学習し、自動的に設定を調整します。
- スマートフォンアプリ: スマートフォンアプリでエアコンを操作したり、設定を変更したりすることができます。外出先からもエアコンを操作できるので、便利です。
- 省エネ機能: AIが無駄な冷暖房を抑え、省エネ運転を行います。=
上記以外にも、各メーカー独自のAI機能を搭載したスマートエアコンが発売されています。AI技術の進化により、今後もさらに高度な機能が搭載されることが期待されます。
8.AI冷蔵庫
冷蔵庫AIカメラは、近年注目を集めている便利な機能の一つです。冷蔵庫内に搭載されたカメラで庫内を撮影し、AI(人工知能)が画像を分析することで、食材の管理やレシピ提案などをサポートします。
パナソニックは、業界初の冷蔵庫AIカメラ搭載モデルを2024年5月に発売しており、 AIが45種類の野菜を自動認識し、個数や賞味期限を把握できる機能や使い切りレシピ提案や音声操作が特徴です。
冷蔵庫AIカメラは、まだ発展途上の機能ですが、今後さらに進化が期待されます。食材管理をより便利に、スマートにしたい方におすすめです。
【参考】
Panasonic 冷蔵庫AIカメラ
エンターテイメント分野でのAI活用事例
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9. 動画配信サービス
AIによるおすすめ作品提案で視聴体験を向上。 -
10. 音楽配信サービス
好みに合わせた楽曲提案機能。 -
11. ゲーム
AIを利用したNPCによるリアルなゲーム体験。 -
12. ライブ配信
AIアバターを活用したライブ配信サービス。
9.動画配信サービス:おすすめ作品を提案し視聴体験を向上
動画配信サービスは、近年ますます利用者が増加していますが、膨大な数の作品の中から、自分に合った作品を見つける際に便利なのが、おすすめ作品提案機能です。
代表的なサービス
- Netflix: 年齢、性別、地域、視聴時間帯、視聴デバイス、視聴傾向、評価した作品などを分析し、ユーザーに最適な作品を提案します。
- Amazon Prime Video: 視聴履歴や購入履歴、評価した作品などを分析し、ユーザーに合った作品を提案します。
- Hulu: 視聴履歴や検索履歴、評価した作品などを分析し、ユーザーに合った作品を提案します。
従来のレコメンドシステムは、視聴履歴や購入履歴に基づいて作品を提案していました。
しかし、近年ではAI技術の進歩により、より精度の高いレコメンドが可能になっており、動画配信サービス各社は、独自のAI技術を開発し、より精度の高いおすすめ作品提案機能を提供しています。
【関連記事】
レコメンドAIとは?その仕組みや種類、活用例を紹介!
10.音楽配信サービス:好みに合わせた楽曲を提案
Apple Musicの画像 出典;Apple
音楽配信サービスも、動画配信サービス同様に、好みに合わせた楽曲提案機能が重要になっています。
代表的なサービス
いずれのサービスも、再生履歴、お気に入り曲、プレイリスト、アーティスト、検索履歴などを分析し、ユーザーに合った楽曲を提案します。
このように、好みに合わせた楽曲提案機能は、ユーザー体験を向上させる重要な役割を果たしています。今後も、各社はAI技術の更なる進歩を目指し、より精度の高い提案機能を提供していくことでしょう。
11.ゲーム:NPCのAI利用
Nvidiaが新しく発表したゲーム内のNPCを自然な対話をできるAIキャラクター化する技術の精度すごいな。
— KAJI | 梶谷健人 (@kajikent) May 30, 2023
音声入力、セリフ生成、音声生成、リアルな3D表現などなど個々の技術自体はすでにあるものだが、それがここまで綺麗に組み合わさると未来感すごい。 pic.twitter.com/8dUIyNfHZF
ゲームにおけるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)のAI利用が盛んになっています。
AI技術の進歩により、NPCはよりリアルで人間らしい行動や反応が可能になり、プレイヤーにこれまで以上に魅力的なゲーム体験を提供しています。
AIを利用したNPCのメリット
- リアルな行動と反応: プレイヤーの行動や周囲の環境にリアルタイムで反応し、まるで本物のキャラクターのように振る舞うNPCを実現します。
- ダイナミックなゲーム世界: プレイヤーの行動によってゲーム世界が変化するため、より新鮮な体験を得ることが可能です。
- 魅力的なストーリー: プレイヤーとの関わりの中でストーリーが変化し、より没入感のあるストーリー展開を実現します。
例えば、Ubisoftの「Avatar: Frontiers of Pandora」では、AIで駆動するNPCがプレイヤーの行動や周囲の環境にリアルタイムで反応し、自然なコミュニケーションや戦闘を実現します。
また、CD Projekt Redの「The Witcher 3: Wild Hunt」では、AIで生成された膨大な量の会話データに基づいて、NPCがプレイヤーとの会話内容を変化させ、より没入感のあるゲーム体験を提供します。
12. ライブ配信:AIアバターの活用
NOW ON ”AI”R(ナウ オン エア)の画像
株式会社FLATBOYSは、そんなライブ配信の進化を牽引するAIライバー配信サービス「NOW ON ”AI”R(ナウ オン エア)」をリリースしています。こちらは、AIが自動でライブ配信を行うサービスで、24時間365日、休むことなく配信を行うことができます。
オリジナルのAIアバターを企画・制作することで、配信者自身のイメージに合わせた配信を実現します。さらに、ライブ配信以外にも、動画、画像、音声、ポージングなど、様々な形でAIアバターを活用することができます。
「お笑い芸人 EXIT AIアバター化プロジェクト」を通して吉本興業所属のお笑い芸人 EXITをAIアバター化し、現在は2023年で終了を予告していた公式チャンネルを乗っ取る形で、AI EXITがEXITYoutubeにてAIコンテンツを配信しています。
4. 仕事・業務効率化におけるAI活用事例
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13. オンラインカスタマーサポート
AIチャットボットによる自動顧客応対。 -
14. 法的文書の自動分析
契約書や訴訟文書のAI分析。 -
15. クラウドコンピューティング
AIを活用したリソース管理と最適化。 -
16. 融資審査
AIによる迅速で効率的な審査プロセス。 -
17. コンテンツ生成
AIによるニュース記事やブログの自動生成。
13.オンラインカスタマーサポート
様々な業界ではAI用いたチャットボットを通じて、顧客の問い合わせに自動で応答し、サポートを提供しています。
例えば、ダイキン工業では使用製品に合わせた相談ボットを設けています。
ダイキン工業のAIサポート
今回は「エアコンから異音がする」と言った内容で、以下のようなチャットを送りました。
- カタカタ・ガタガタ・カチカチという音がする(物が当たっているような音)
- サー・ザーザー・バサバサ・ヒューヒューという音(波打つような風の音がする)
すると、直ちに考えられる原因と対処法を具体的に教えてくれました。
今後、24時間365日対応が可能なAIチャットボットの普及はさらに広がることが予想されます。
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チャットボットの作り方!プラットフォームの選定や設計ポイントを解説
14.法的文書の自動分析
概算契約書の改善案出力例(ChatGPT)
法律事務所で契約書や訴訟関連文書の分析にAIが使用されることがあります。
個人情報や機密事項の流出には是非気をつけていただきたいですが、うまく利用することで、煩雑な作業を効率化することが可能です。
法務省が公開したAI使用に関するガイドラインもご参考ください。
▶️AI等を用いた契約書関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月法務省大臣官房司法法制部)
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ChatGPTを契約書チェックに活用!プロンプト例や注意点を徹底解説
15.クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングでは、AWSやAzureなどのプラットフォーム上で、AI技術を活用したリソース管理・最適化が進んでいます。これにより、以下のメリットが得られます。
メリット
- コスト削減: CPU、メモリ、ストレージなどのリソース使用状況を分析し、ボトルネックを特定します。
- セキュリティ強化: 予期せぬトラフィックや不正アクセスなどの異常なアクティビティを検知し、アラートを発信します。
- 高い拡張性: 負荷状況に応じて、リソースを自動的にスケールアップまたはスケールダウンします。
これらの機能により、ユーザーは手動でリソースを管理する必要がなくなり、システムパフォーマンスの最適化とコスト削減に集中することができます。
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【事例12選】Azure導入・構築に強い会社とは?選定のポイントを解説
16.融資審査:AIによる迅速・効率的な判断が実現
NTTのAI審査システム 出典:NTTDATA
従来の審査では、個人信用情報や収入情報などを中心に、審査官が手作業で判断していましたが、AIの導入により、迅速かつ効率的な審査が可能になっています。
AI審査のメリット
- 審査時間の短縮: 従来の審査では、数週間から数ヶ月かかることもあった審査が、AI審査であれば数日~数週間程度に短縮できます。
- 審査件数の増加: より多くの融資申込に対応することが可能になります。
- 審査の公平性: 人間の判断による偏りを排除し、より公平な審査を行うことができます。
- 審査コストの削減: 審査業務の効率化により、審査コストを削減することができます。
AI審査では、過去の融資実績や取引データ、SNS情報、スマートフォンアプリの利用履歴など、従来の審査では利用されていなかった膨大なデータを分析し、独自のアルゴリズムに基づいて融資可否を判断します。
これにより、人間による判断では見逃しがちな情報も分析することができ、より精度の高い審査を実現することができます。
【参考】
三菱総合研究所、七十七銀行と審査AIサービスの正式導入に合意:AIによる自動審査で住宅ローン審査業務DXを推進
NTTDATA:AI審査モデルの活用で西日本シティ銀行の融資業務をデジタル化~WEB上での事業性融資の実現で顧客利便性を向上~
17.AIを活用したコンテンツ生成
ニュース記事やブログを自動生成するAIアプリケーションが多く登場しています。
また、ライティングだけではなく、動画作成や音楽の作成等その応用範囲は多岐に渡ります。
主な生成ツールと活用例
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記事作成: ニュース記事、ブログ記事、商品紹介文など、様々な形式の記事を自動生成します。
例:最新のITニュースを毎日配信するブログ・商品の特徴や魅力を分かりやすく伝えるECサイトの商品ページ
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動画編集: 動画のカットやテロップ挿入、BGM挿入などを自動で行い、プロ顔負けの動画を短時間で作成できます。
例:旅行の思い出をまとめたムービー・商品紹介動画
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音楽制作: メロディーやコード進行、歌詞などを生成し、オリジナルの楽曲を制作できます。
例:企業CMのBGM・ゲームのサウンドトラック
AI総研は、AI搭載マーケティングツール「Reach Buy」を活用した記事作成により、業界内No.1のお役立ちコンテンツを毎日配信しています。
Reach Buyは、AIが検索エンジン最適化(SEO)を意識した文章を生成し、ユーザーにとって役立つ情報を提供します。これにより、多くの人々にリーチし、サイトの訪問者数を増加させることができます。
【関連記事】
AIを活用したブログ記事作成!メリットとポイントを徹底解説
5. その他のAI活用事例
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18. AIによる早期疾病診断
医療画像分析を通じた早期疾病診断。 -
19. AI温度検知システム
非接触のAI温度検知システムによる感染症対策。 -
20. 自動運転技術
AI技術を駆使した自動運転車の開発。 -
21. スマート農業
AIを活用したスマート農業で持続可能な食糧供給を実現。
18.AIによる早期疾病診断
医療画像分析を通じて、がんや生活習慣病などの疾病を早期に診断します。
東芝の疾病リスク予測AIサービス
東芝ではAI技術を利用して1年分の健康診断データをもとに6年先までの6疾病のリスク(%)を予測するシステムを提供しています。
データを根拠に数値でリスクを示すことで、説得力のある保健指導の実施を支援し、健康寿命延伸、医療費削減、健康経営の実現に貢献しています。
今後は更なる技術の進化とともに、医師と患者の距離を克服し、遠隔医療や、画像診断への期待が高まっています。
19.AI温度検知システム
ケアハウスでは新型コロナ感染防止対策として、体温検知カメラを食堂入り口に設置しました。
— 三幸福祉会 清華苑 (介護・明石市) (@seikaen1987) September 30, 2020
AI顔認証機能によりマスクをした状態でも自動で体温を測定し、瞬時に発熱リスクがある方を検知することができます。
コロナ禍でも安心して生活していただけるように環境を整えていきたいと考えています。 pic.twitter.com/6dlttjulqj
新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、発熱疑い者の検知システムは社会インフラとして急速に普及しました。従来の手動による検温と比べて、AI温度検知システムは人手や手間を省き、より効率的な感染症対策を実現します。
AI温度検知システムのメリット
- 非接触・自動検知: 人手を介さず、自動的に体温を測定するため、衛生面での安心感が高まります。
- 迅速・高精度: 短時間で複数人の体温を測定することができ、精度も高いことから、スムーズな入退館を実現します。
- 顔認証との連携: 顔認証システムと連携し、マスク着用時でも個人の識別と体温測定を同時に行うことができます。
- データ分析: 測定された体温データを分析することで、集団における感染リスクを把握し、適切な対策を講じることができます。
- 24時間365日稼働: 人の監視を必要とせずに、24時間365日稼働させることが可能です。
このようなメリットを活かし、AI温度検知システムはオフィス・商業施設・学校・医療機関・イベント会場など様々な場所で活用されています。今後も技術を進化させることで様々な感染症に有効なツールとして、より安心安全な社会の実現に貢献していくことが期待されます。
20.自動運転技術
自動運転車においてもAI技術が大きく関わってきます。
今日いきなりサンフランシスコで自動運転タクシーWaymoが一般開放されたので早速のってみた!
— 広野 萌 (@hajipion) June 25, 2024
Uberも鬼便利だったけど、Waymoは
・運転手とのコミュニケーション不要
・車内が綺麗で臭くない
・騙されないし連れ去られない
・もはやAIの方が安心感
という感じで最高の体験だった...
日本もはよ... https://t.co/N83AI1YnTm pic.twitter.com/Iyxs6z3sIq
AI技術は、自動運転分野においても大きな変革をもたらしています。画像解析・判断・需要予測・マッピング・ルート最適化など、様々な機能にAIが組み込まれ、より安全で快適な走行を実現しています。
動画の例のように、米国や中国では既に自動運転タクシーが普及しており、AI技術による自動運転サービスが近い将来、世界中の都市で普及していく可能性を示唆しています。
一方、日本では安全性を最優先に、自動運転技術の検証が慎重に進められています。厳しい試験や実証実験を重ねることで、より信頼性の高い自動運転技術の開発を目指しています。
自動運転技術の進歩は、物流、医療、観光など様々な分野に革新をもたらす可能性を秘めています。今後もAI技術と自動運転技術の融合により、より安全で便利、そして豊かに暮らせる社会の実現が期待されます。
21.スマート農業
AGRISTの画像
AGRIST株式会社は、AI技術を活用したスマート農業で、農業の課題解決と食糧供給の持続可能性に貢献しています。
スマート農業の例
- 予測(収穫量・病害虫):農作物の画像データを収集・分析することで、生育状況や病害虫の発生を予測し、農家はより的確な判断と対策が可能になります
- AI学習で、営農を支援:経験豊富な農家以上の知見をデータベース化することで、新規就農者でも効率的に農業を始められるよう支援します。
- ロボットとハウスを最適化:収集したデータを基に、ロボットに最適化された品種や栽培方法を確立します。さらに、ロボットやハウスもそれに合わせて最適化することで、収穫量のさらなる向上を目指します。
のように、AGRIST株式会社は、AI技術を活用したスマート農業で、農業の効率化と持続可能性を実現し、世界中の人々へのバランスの取れた食糧供給を目指しています。
AIが果たす役割:私たちの生活を支える未来の技術
これまで21個の身近な活用事例を紹介してきましたが、AIが単なる技術ではなく、私たちの生活を様々な側面から変えうる存在であることがお分かり頂けたかと思います。
最後に、この記事ではAIが現在、そして将来において果たすことが期待される役割をいくつかご紹介します。
1. 労働の自動化・効率化
AIは、これまで人間が行ってきた単純作業や定型的な業務を自動化することで、労働の効率化を実現します。
(例)工場における製造ラインの自動化・事務処理の自動化・顧客対応の自動化。
2. 意思決定の支援
AIが担うのは単純な作業の代替だけではありません。AIは、膨大なデータを分析し、人間では見逃しがちなパターンや傾向を発見することができます。
(例)経営判断・投資判断・医療診断・リスク管理
3. 新しい商品・サービスの創出
AIは、人間の創造性を補完し、新しいアイデアやコンセプトを生み出すことができます。
(例)AIを活用した音楽作曲・小説執筆・絵画制作・製品設計
4. 個人のニーズに合わせた最適化
AIは、個人の行動や嗜好を分析することで、一人ひとりに最適化された商品やサービスを提供することができます。
(例)おすすめシステム・パーソナライズされた広告・個別学習システム
5. 人間とAIの協働
AIは、人間の能力を補完し、より良い結果を生み出すことができます。AIと人間が協働することで、新たなイノベーションや社会課題の解決が可能になると考えられています。
その他のAIの役割
上記以外にも、AIは様々な分野で活躍することが期待されています。
- 医療: 新薬開発、診断支援、手術支援、介護支援など
- 教育: 個別学習、学習支援、教材開発、評価システムなど
- 環境: 環境問題の解決、資源管理、エネルギー効率化など
- 交通: 自動運転、交通渋滞緩和、事故防止など
- 金融: 投資判断、詐欺検知、リスク管理など
- 小売: 需要予測、在庫管理、顧客分析など
このように、AIは私たちの生活の様々な側面に浸透し、様々な形で社会に貢献しています。今後もAI技術の進歩と共に、私たちの生活はより便利で快適なものへと進化していくことでしょう。
まとめ
この記事では、身近なAIの活用事例を21選紹介しました。
思ったよりもAIが既に生活の一部として浸透しているように感じた方も多いのではないでしょうか?
今後も目に見える部分・見えない部分でインフラとしてのAIの利用拡大が予測されます。
技術としては難しいものが組み合わさったAIですが、どのように生活をサポートしているか知ることで、AIを「使う」一歩になることは間違いありません。私たち一人ひとりが、AIに対する理解を深め、積極的に活用していくことが大切です。
まだまだ課題もあるAIですが、今回の記事が皆様のAI利用に関する理解を深める一助になれば幸いです。