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AIの発展によって生まれる仕事とは?AIに代替されにくい職業を解説!

この記事のポイント

  • WEFの予測では2030年までにAI関連で1.7億の新規ポジション創出、9,200万消滅、差し引き7,800万の純増
  • AIで生まれる新職種は「技術開発」「導入支援」「AI活用」の3カテゴリ。2026年はAIエージェント設計者やAIガバナンス担当者の需要が急拡大
  • AIエンジニアの平均年収は558〜571万円、大手企業で500〜900万円。プロンプトエンジニアの求人はIndeedで1,000件超
  • AIに代替されにくい仕事の共通点は「クリエイティブな意思決定」「高度なコミュニケーション」「複雑な身体スキル」の3つ
  • 三菱UFJ銀行は月22万時間、パナソニック コネクトは年間44.8万時間の業務削減をAI導入で達成
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

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Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


AIの発展によって「なくなる仕事」が注目されがちですが、実際には新しく生まれる仕事の方が多いと予測されています。世界経済フォーラム(WEF)の「Future of Jobs Report 2025」では、2030年までに1億7,000万の新規ポジションが生まれ、9,200万が消滅する見通しが示されました。

本記事では、AIによって生まれる新しい仕事をAIエンジニアやプロンプトエンジニアなど10職種にわたって紹介するとともに、年収データ・求人動向・企業導入事例を交えて「AI時代のキャリア」を考えるための実践的な情報をまとめています。

三菱UFJ銀行やパナソニック コネクトの導入効果も取り上げ、AIに代替されにくい仕事の特徴と今日から始められるスキルアップの道筋まで解説します。

AIによって生まれる新しい仕事の全体像

AIの進化は「仕事を奪う」側面ばかりが注目されがちですが、国際的な調査データが示す全体像は異なります。世界経済フォーラム(WEF)が2025年1月に公表した「Future of Jobs Report 2025」では、2030年までに1億7,000万の新規ポジションが創出され、9,200万が消滅すると予測されています。差し引きで7,800万の純増です。

さらに、国際通貨基金(IMF)の分析によると、世界の雇用の約40%がAIの変化にさらされています。一方で、AIに関連する新しいスキルを含む求人は賃金が3〜15%高い傾向にあり、「AI時代に求められるスキルを持つ人材の市場価値は上昇している」ことも示されています。

経済産業省も生成AIの開発を加速させる支援事業を公募するなど、国を挙げてAI人材の育成に取り組んでいます。以下の表で、AIによって生まれる新しい仕事を3つのカテゴリに分けて整理しました。

カテゴリ 代表的な職種 2026年の需要
技術開発 AIエンジニア、データサイエンティスト、MLOpsエンジニア 高(慢性的な人材不足)
導入支援 プロンプトエンジニア、AIエージェント設計者、AIコンサルタント、AIガバナンス担当者 急拡大(企業のAI導入加速)
AI活用 AIアーティスト、AI教育・トレーナー 新興(2025年以降に本格化)


2026年に特に需要が急拡大しているのが「導入支援」と「AI活用」のカテゴリです。AIの開発自体は一部の技術企業が担いますが、AIの導入と活用は全業界・全職種に関わるため、対象となる人口が桁違いに大きくなっています。WEFのレポートでも、AI・ビッグデータだけで1,100万の新規ポジションが生まれると見込まれている一方、ロボットと自動化は差し引きで500万の雇用を減らすとされています。つまり**「AIを作る仕事」よりも「AIを使いこなす仕事」の方が、創出される雇用数としてはるかに大きい**ということです。

経済産業省によるAI技術開発の支援公募
経済産業省によるAI技術開発の支援公募


AI技術開発に関する新しい仕事

AIのモデルやシステムそのものを開発する専門職です。高度な技術スキルが求められますが、報酬水準も他のIT職種と比較して高い傾向にあります。WEFの「Future of Jobs Report 2025」でも、AIおよび機械学習スペシャリストは「2030年までに最も成長する職種」のトップに位置づけられています。

AIエンジニア

AIエンジニアは、機械学習モデルの設計・開発から実装・運用まで一貫して担当する専門家です。PythonPyTorch/TensorFlowが主要な開発スタックですが、2026年現在はLLM(大規模言語モデル)のファインチューニングやRAGシステムの構築スキルも強く求められるようになっています。

求人ボックスの集計によると、AIエンジニアの平均年収は558〜571万円で、日本人の平均年収(382万円)と比較して約176万円高い水準です。大手日系企業では500万〜900万円が相場で、AI開発に積極的な企業では年収1,000万円超のポジションも存在します。フリーランスの場合は月単価76万円前後、年収換算で約1,020万円が目安になります。

ただし、求人の給与幅は339万〜1,098万円と広いことにも注意が必要です。同じ「AIエンジニア」でも、研究開発寄り(モデル設計・学習)と実装運用寄り(データパイプライン構築・API開発)で求められるスキルと報酬が大きく異なります。自分がどちらの領域を志向するかによって、キャリアパスと年収レンジが変わってきます。

データサイエンティスト

大量のデータから有益な洞察を引き出し、ビジネス上の意思決定をサポートする専門家です。統計学・機械学習・ビジネス分析のスキルを組み合わせ、データを価値ある情報に変換します。

2026年のAI時代において、データサイエンティストの役割は大きく変化しています。従来の「自らコードを書いてモデルを構築する」スタイルに加え、LLMのプロンプトを使って自然言語でデータ分析を指示し、結果を検証・改善するという新しいワークフローが広がっています。AIの出力品質を評価し、ビジネス上の意味を読み解く「解釈力」は、AIには代替しにくいスキルです。

WEFのレポートでもビッグデータスペシャリストは最も成長する職種の一つに挙げられており、データの利活用が企業のDX推進の核になるにつれて、需要は今後も拡大する見通しです。

MLOpsエンジニア

AIモデルの開発から本番運用までのパイプラインを構築・管理する専門職です。「AIを作る」だけでなく「AIを安定して動かし続ける」ことを担当します。

具体的には、モデルの精度モニタリング、データドリフト(学習時と実運用時のデータ分布の乖離)の検出、自動再学習の仕組み構築、そしてモデルのバージョン管理やデプロイの自動化といった業務が中心です。2026年はAIの本番利用が急増しているため、「AIは作ったが運用で品質が劣化する」という課題に直面する企業が増えており、MLOpsエンジニアの需要は急速に高まっています。

開発部門と運用部門の橋渡し役でもあるため、機械学習の知識に加えてインフラ・CI/CDパイプラインの構築スキルが求められる点が、純粋なAIエンジニアとの違いです。


AI導入支援に関する新しい仕事

AIを企業に導入し、効果的に活用するための専門職です。技術開発ほど高度なプログラミングスキルは必要とされませんが、ビジネス理解とAIリテラシーの両方が求められます。2026年は企業のAI導入が加速しているため、このカテゴリの求人が最も伸びている分野です。

プロンプトエンジニア

ChatGPTClaudeなどのLLMに対して、最適なプロンプト(指示)を設計し、AIの出力品質を最大化する専門職です。2024年の登場以降、急速に需要が拡大しています。

Indeedの求人データでは、プロンプトエンジニアリング関連の求人は1,000件を超えており、年収レンジは500万〜800万円が中心です。「AIをどう使うか」が企業の生産性を直接左右する時代において、プロンプト設計はプログラミングと同等に重要なスキルになりつつあります。

実際にNTTドコモでは、管理職の西村一成氏が自身の判断基準を模倣した「AIイッセー」というAIアシスタントをプロンプトエンジニアリングだけで開発しました。RAGやベクトルデータベースといった複雑な技術を使わず、プロンプトとコンテキストの設計だけで資料レビューを半自動化し、会議時間を2割短縮、会議数も25%削減しています。現在50人超がこのツールを利用しており、プロンプト設計の実務的な威力を示す好例です。

AIエージェント設計者

AIエージェントが自律的にタスクを実行するためのワークフローを設計する職種です。2026年最大のトレンドであるAIエージェントの普及に伴い、「AIに何を任せ、どこで人間が判断するか」を設計できる人材が急速に求められています。

n8nDifyなどのワークフロー自動化ツール、Claude CodeChatGPTエージェントのエージェント機能を駆使して、ビジネスプロセスの自動化を設計・実装します。たとえば、「顧客からの問い合わせを受信→内容を分類→回答案を生成→人間がレビュー→送信」といった一連のフローを、エージェントのワークフローとして構築するイメージです。

この職種はまだ多くの企業で「公式な職種」として確立されておらず、情報システム部門やDX推進部門のメンバーが兼務しているケースが大半です。しかし、AIエージェントの導入が本格化するにつれ、専門職としてのポジションが設置される企業が今後急速に増えると見込まれています。

AIコンサルタント

企業がAI技術をビジネスプロセスに統合し、効率と収益を向上させる方法を提案する専門家です。AI戦略の策定から実装支援、ROI分析まで包括的にサポートします。

MITの調査ではAI投資の95%がリターンゼロという結果が出ており、「AIを導入しさえすれば成果が出る」のではなく「どの業務に、どう導入するか」の設計が成否を分けます。この設計を担うのがAIコンサルタントであり、技術理解とビジネス感覚の両方を持つ人材に対して、コンサルティングファーム各社が積極的に採用を進めています。

具体的な業務としては、業務プロセスの可視化とAI適用領域の特定、PoC(概念実証)の設計と評価、導入後の効果測定とスケールアップ計画の策定などがあります。「技術は分かるがビジネスインパクトが読めない」エンジニアと、「課題は分かるが技術の適用方法が分からない」事業部門の間を橋渡しする役割です。

AIガバナンス担当者

社内のAI利用ルール策定、リスク管理、EU AI Actなどの規制対応を行う職種です。シャドーAI(従業員が無許可で利用するAI)への対策や、AIの出力品質の監査も担当します。

Indeedの求人データではAI倫理関連の求人が約300件掲載されており、日立コンサルティング、富士通、セイコーエプソン、マネーフォワードなど大手企業がAIガバナンスの専門人材を採用しています。

2026年8月にはEU AI Actの全面適用が控えており、グローバル展開する日本企業にとって、AI規制への対応は経営上の必須課題になりつつあります。セイコーエプソンではAI倫理委員会の企画運営、AI利活用・統制に関する社内ルールの策定、リスクマネジメント計画の立案を担うポジションを設けており、この職種の守備範囲の広さを示しています。

AccentureによるAI活用実態の調査
AccentureによるAI活用実態の調査


AIを活用して価値を生む新しい仕事

AIそのものを開発するのではなく、AIを道具として使いこなし新しい価値を創造する職種です。プログラミングスキルは必須ではなく、専門領域の知識とAI活用力の掛け合わせが差別化のポイントになります。

AIアーティスト・クリエイター

AI技術を用いて新しい形式のアートやコンテンツを創造する専門家です。Midjourney、DALL-E 3Soraなどの画像・動画生成AIを使い、従来の芸術表現とAI技術を融合させた作品を生み出します。

株式会社伊藤園は「お〜いお茶 カテキン緑茶」のCMにAIタレントを起用し、AIを活用したクリエイティブの可能性を企業広告の分野で示しました。また、ファッションブランドや建築事務所でも、AI生成によるデザインコンセプトの検討やプロトタイプ制作が広がっています。

「AIが自動で作品を作る」ように見えますが、実際にはプロンプト設計、出力の選別・編集、最終品質のコントロールといった人間の審美眼と判断が不可欠です。AIは「素材の大量生成」が得意ですが、「何を残し、何を捨てるか」の判断は人間にしかできない領域です。

伊藤園のAIを利用したクリエイティブな広告
伊藤園のAIを利用したクリエイティブな広告(参考:伊藤園

AI教育・トレーナー

企業や教育機関に対して、AI技術の基本から実務活用までを教育する専門家です。2026年現在、コーレ株式会社の調査によると71.3%の企業が「AIを使いこなせない人による業務支障」を実感しており、AI教育の需要は急増しています。

教育プログラムの内容は対象に応じて大きく変わります。全社員向けのAIリテラシー研修では「AIに何ができて何ができないか」の基本理解を促進し、部門別ワークショップでは「営業部門でのAI活用」「経理部門での生成AI導入」といった業務特化型のトレーニングを実施します。経営層向けには「AI投資のROI評価」「AIガバナンスの考え方」といった意思決定に直結するテーマが中心になります。

この職種のポイントは、技術知識だけでなく「教える技術」が求められる点です。AIの仕組みを正確に理解したうえで、非エンジニアの従業員にも分かる言葉で説明し、実際の業務にAIを組み込むところまでサポートできる人材は、まだ市場に少なく希少性が高い状態です。


AIで「変わる仕事」と「なくなる仕事」

AIによって生まれる仕事がある一方で、需要が減少する仕事もあります。WEFの「Future of Jobs Report 2025」では、2030年までに9,200万のポジションが消滅すると予測されています。ただし「なくなる」とは「その職種に就いている全員が失業する」という意味ではなく、仕事の中身がAIによって変容することを指します。

以下の表で、代替リスクの高い職種とその背景を整理しました。

代替リスクの高い職種 背景 変化の方向性
一般事務・データ入力 定型的な入力・転記作業をAIが高速処理 判断を伴う業務へシフト
銀行窓口業務 オンラインバンキング+AIチャットボットの普及 資産運用アドバイザーへ転換
コールセンターオペレーター AIによる一次対応の自動化 複雑な問い合わせ対応に集中
経理・会計の定型処理 請求書・経費精算のAI自動化 財務分析・経営判断支援へ
製造ラインの検品作業 画像認識AIによる外観検査の自動化 品質管理の設計・改善業務へ


この表で重要なのは「変化の方向性」の列です。たとえば銀行窓口業務がなくなるとしても、顧客の人生設計に寄り添う資産運用アドバイザーへの転換が起きています。三菱UFJ銀行が行員4万人にChatGPTを導入したのも、事務作業をAIに任せて「人間にしかできない顧客対応」に時間を振り向けるためです。

同様に、コールセンターではAIが一次対応を処理することで、オペレーターはクレーム対応や複雑な相談といった「人間の共感力が求められる場面」に集中できるようになっています。仕事が「なくなる」のではなく、仕事の中身が「より人間らしい業務」にシフトしていくというのが、2026年時点で起きている変化の実態です。

WEFのデータでは、労働者の主要スキルの39%が2030年までに変化すると予測されています。これは「今のスキルのまま同じ仕事を続けられる期間が短くなっている」ことを意味しており、学び続ける姿勢が以前にも増して重要になっています。


AIに代替されにくい仕事の3つの共通点

AIで変わる仕事がある一方で、AIでは代替が難しい仕事も明確に存在します。以下の表で、代替されにくい職種とその理由を整理しました。

共通点 代表的な職種 なぜAIでは代替が難しいか
クリエイティブな意思決定 経営者、研究者、デザイナー 前例のない状況で判断を下し、独自の価値を創造する力が求められる
高度なコミュニケーション 営業、マネージャー、カウンセラー 信頼関係の構築、非言語コミュニケーション、感情への共感が必要
複雑な身体スキル 介護士、外科医、建設作業員 予測不能な物理環境への瞬時の判断と柔軟な対応が求められる


この3つの共通点を一言でまとめると、**「正解が定まっていない状況で、文脈を読み取りながら判断する力」**です。AIは大量のデータからパターンを見つけて最適解を提案することには優れていますが、「この場面ではルールを破った方がよい」「相手の表情から本音を読み取る」といった文脈依存の判断は苦手です。

Harvard Business Reviewの調査では、従業員の約80%がAIに対して不安を抱えていますが、同時に86%は「AIによって仕事が良くなる」とも回答しています。この一見矛盾するデータが示しているのは、AIは脅威であると同時に味方にもなり得るということです。

重要なのは「AIに仕事を奪われる」という構図ではなく、**「AIを使いこなせる人が、AIを使えない人の仕事を取る」**という構図になっている点です。AIと人間の違いを正確に理解し、人間ならではの強みを磨くことが、どの職種においても重要になります。


AI導入が変えた企業の現場

ここまでAIによって生まれる職種と、代替されにくい職種について整理してきました。では実際の企業現場では、AI導入によってどのような変化が起きているのでしょうか。ここでは3社の具体的な導入事例を、定量データとともに紹介します。

三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行は2023年11月から行員約4万人を対象にChatGPTの利用を開放し、稟議書のドラフト作成や社内文書の整理に活用しています。日本経済新聞の報道によると、この導入により月間22万時間(年間換算で264万時間)の労働時間削減を試算しています。

この成果の背景には、約600億円の投資と300人の専門人材育成という大規模な体制があります。「人間が意思決定、AIが作業補助」という明確な役割分担を設計したことが高い効果につながりました。2026年1月以降は約3万5千人がChatGPT Enterpriseを日常業務で利用する体制に移行しており、生成AIの企業導入としては国内最大級の規模です。

パナソニック コネクト

パナソニック コネクトは2023年2月より、OpenAIのLLMをベースに開発した自社向けAIアシスタント「ConnectAI」を国内全社員約12,400人に展開しています。同社のプレスリリースによると、導入1年目で年間18.6万時間の労働時間削減を達成しました。

さらに注目すべきは、2年目以降の進化です。2025年7月のプレスリリースでは、「聞く」から「頼む」へと活用のフェーズがシフトし、年間44.8万時間の削減に拡大しています。検索エンジン代わりの用途から、戦略策定や商品企画といった1時間以上の生産性向上につながる利用が増えた結果です。16か月間で情報漏洩や著作権侵害などの問題は一件も発生しておらず、シャドーAI対策としても有効に機能しています。

NTTドコモ

NTTドコモの管理職である西村一成氏は、プロンプトエンジニアリングだけで「AIイッセー」と呼ばれるAIアシスタントを開発しました。自身の思考・判断基準をプロンプトに落とし込み、チームメンバーが資料作成の品質を自律的に向上できる仕組みを構築しています。

導入効果として、会議時間の2割短縮と会議数の25%削減を実現しました。現在50人超がこのツールを利用しており、2つの亜種も誕生しています。RAGやベクトルデータベースといった複雑な技術が不要で、プロンプトとコンテキストのコピー&ペーストだけで動作する点が、社内での普及を後押ししました。

この3社の事例に共通するのは、AIの導入を待っているだけでは成果が出ないという点です。「どの業務にAIを適用し、人間がどこに集中するか」を設計できる人材がいる企業と、そうでない企業の差は今後さらに広がります。もし自社でAI活用が進んでいないと感じるなら、まずは1つの業務でAIを試し、その効果を数字で可視化するところから始めるのが現実的な第一歩です。


AI時代に求められる5つのスキル

AI関連の新職種に就くために、あるいは現在の職種でAIを活用するために、2026年に身につけるべきスキルを整理します。

スキル 内容 なぜ重要か
AIリテラシー AIの仕組み・限界・活用法を理解する AIを適切に使いこなすための前提条件
プロンプト設計 AIに効果的な指示を出す能力 AIの出力品質を直接左右する中核スキル
批判的思考 AIの出力を検証・評価する力 ハルシネーション(AIの誤った回答)への対処に不可欠
コミュニケーション 対人関係の構築・調整力 AIでは代替できない人間固有の強み
創造性 前例のないアイデアや解決策を生み出す力 AIの「最適化」ではなく「創造」を担う領域


IMFの分析によると、AIに関連する新しいスキルを含む求人は、英国・米国で約3%の賃金プレミアムがあり、4つ以上の新スキルを必要とする求人では最大15%の賃金上昇が確認されています。スキルへの投資が直接的に市場価値の向上につながることをデータが裏付けています。

これらのスキルを身につけるには、座学だけでなく実践が不可欠です。まずは日常業務の中でChatGPTやClaudeを使い、「AIに指示を出す→結果を検証する→指示を改善する」というサイクルを回すことから始めてみてください。生成AIの勉強方法については関連記事でも詳しく解説しています。

キャリアパスとしては、まず「自分の専門領域×AI活用」で差別化を図り、その後に「AI導入支援」や「AIガバナンス」といったより専門的な役割にステップアップするのが現実的なルートです。大切なのは、AIの専門家になることではなく、自分の専門領域でAIを使いこなせる人材になることです。


AIスキルを身につけるためのサービスと料金

AI時代のキャリアに向けてスキルを身につけるための主要なサービスを以下にまとめました(2026年3月時点)。

目的 サービス 料金
AI活用の実践体験 ChatGPT Free / Plus $20/月
長文分析・コード支援 Claude Free / Pro $20/月
コード生成の実践 GitHub Copilot Individual $10/月
ノーコードAI開発 Dify Community版無料 / Pro $59/月
ワークフロー自動化 n8n Community版無料 / Cloud €20/月〜


まずは無料プランでAIに触れ、自分の業務でどう活用できるかの感覚をつかむことから始めるのが最も効率的です。ChatGPTとClaudeは無料プランでも十分に実力を体感できますし、Difyのコミュニティ版はノーコードでAIアプリを構築する実践経験を積むのに適しています。有料プランへの移行は、無料版で「これは業務に使える」という実感を得てからで十分です。

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まとめ

AIの発展によって、技術開発・導入支援・AI活用の3カテゴリで多くの新しい職種が生まれています。

  • WEFが示す「純増7,800万」の見通し
    2030年までに1億7,000万の新規ポジションが創出され、9,200万が消滅する。差し引きで7,800万の純増であり、「AIで仕事がなくなる」一面だけを見るのは実態と合わない

  • 需要急拡大の新職種
    プロンプトエンジニア、AIエージェント設計者、AIガバナンス担当者。AIの「開発」だけでなく「活用・管理」ができる人材の需要が爆発的に増加している。三菱UFJ銀行は月22万時間、パナソニック コネクトは年間44.8万時間の業務削減をAI導入で達成

  • キャリアの分岐点
    「AIに仕事を奪われる」のではなく「AIを使いこなせる人がAIを使えない人の仕事を取る」構図。AIリテラシーは2026年のビジネスパーソンの基礎スキル


まずはChatGPTやClaudeの無料プランで「AIに指示を出す→結果を検証する」という体験をしてみてください。1日10分の実践を1週間続けるだけで、「自分の業務のどこにAIを使えるか」が見えてきます。それが、AI時代のキャリアを築くための最も手軽な第一歩です。

AI総合研究所では最新AIの企業導入、開発、研修を支援しています。AI導入の企業の担当者様はお気軽にご相談ください。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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