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Microsoft Entra IDとは?その機能や料金体系を解説!

この記事のポイント

  • 2024年10月からAzure管理操作でのMFA(多要素認証)が義務化され、全ユーザーに影響する重要な変更が実施された
  • AIエージェント向けID管理「Entra Agent ID」が登場し、ゼロトラスト原則をAIシステムにも拡大
  • パスキー管理の強化やmacOS向けプラットフォームSSOなど、パスワードレス認証がさらに進化
  • 無料版からP2、Entra Suiteまで、企業規模とセキュリティ要件に合わせたプラン選択が可能
  • オンプレミスADからの段階的なクラウド移行を支援するSOA移行機能を提供
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

Microsoft Entra ID(旧Azure AD)は、クラウド時代のID管理基盤として多くの企業で導入が進んでいます。
2024年10月からはAzure管理操作での多要素認証(MFA)が義務化され、2025年にはAIエージェント向けID管理「Entra Agent ID」が発表されるなど、セキュリティとAI対応の両面で進化を続けています。

この記事では、Microsoft Entra IDの基本概要から主な機能、オンプレミスADとの違い、2026年時点の最新料金プランまで、初心者にもわかりやすく解説します。
クラウドでのID管理やゼロトラストセキュリティの導入を検討しているIT担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

Azure(クラウド基盤)の基礎も併せてご覧ください。

Microsoft Entra ID(旧Azure AD)とは

Microsoft Entraは、ID管理とネットワークアクセス制御を提供する製品群の総称で、その中核にあるのがMicrosoft Entra IDです。このサービスは、多様なクラウドプラットフォーム上でのアクセスを管理し、従業員や顧客、パートナーが各自のアプリケーション、デバイス、データへ安全にアクセスできるようにするID管理基盤です。

以前はオンプレミスで利用する認証システムが一般的でしたが、コロナ禍や働き方改革の推進によるテレワークの普及に伴い、社内外を問わずアクセスできるクラウドベースの認証基盤が求められるようになりました。その結果、Microsoft Entra IDが幅広い企業に導入されています。

アクセスの場所を問わず高いセキュリティ機能を備え、IT部門の業務負担を軽減してくれるMicrosoft Entra IDを活用することで、安全で効率的な業務環境を実現しましょう。

Azure ADはEntra IDに名称変更
Azure ADはEntra IDに名称変更


Microsoft Entra IDの最新動向(2025〜2026年)

Microsoft Entra IDは、単なるID管理ツールから、AIを活用したプロアクティブなセキュリティプラットフォームへと進化を続けています。ここでは、2024年後半から2026年にかけて発表された主要なアップデートを紹介します。

MFA(多要素認証)の義務化

2024年10月以降、Microsoftは多要素認証(MFA)を段階的に義務化しています。Azure環境のセキュリティを大幅に強化する重要な変更であり、すべてのユーザーが対応を求められます。

以下の表で、MFA義務化のスケジュールと対象範囲を整理しました。

フェーズ 開始時期 対象範囲
フェーズ1 2024年10月 Azure Portal、Microsoft Entra管理センター、Microsoft Intune管理センター
フェーズ2 2025年10月 Azure CLI、Azure PowerShell、Azureモバイルアプリ、IaCツール

ここで注目すべきは、フェーズ2ではコマンドラインツールやInfrastructure as Code(IaC)ツールにもMFAが拡大される点です。CI/CDパイプラインでサービスプリンシパルを使用している場合は影響を受けませんが、対話型のサインインを行う管理操作にはすべてMFAが必要になります。

AIによるセキュリティ運用の革新

これまで人手に頼ることが多かったセキュリティの脅威分析やポリシー管理に、AIを積極的に活用する動きが加速しています。潜在的なリスクの早期発見と、より迅速な対応が実現します。

  • Security Copilot in Entra
    Microsoft Entraに統合されたSecurity Copilotの一般提供が開始されました。管理者は自然言語で「リスクの高いユーザーは誰か?」といった質問を投げかけるだけで、脅威の調査からポリシーの最適化まで、一連の操作をAIが支援します。

  • Conditional Access Optimization Agent
    AIが既存の条件付きアクセスポリシーを分析し、保護されていないユーザーやアプリといったセキュリティの「穴」を自動で特定・提案します。管理者はこの提案に基づき、常に変化する脅威に対してアクセスルールの有効性を維持できます。

AIエージェント向けID管理

Microsoft Ignite 2025で発表されたEntra Agent IDは、AIエージェント専用のID管理機能です。AIエージェントにファーストクラスのIDを付与し、ゼロトラスト原則を自律的なAIシステムにも適用できるようになりました。

開発者向けのSDKやプロトコルも提供されており、Azure OpenAI Serviceなどで構築したAIエージェントとEntra IDの統合が容易になっています。企業がAIエージェントを業務に導入する際のセキュリティ基盤として重要な役割を担います。

パスワードレス認証の進化

パスワードに依存しない、より安全で利便性の高い認証方式への移行が推進されています。

  • パスキー管理機能の強化
    FIDO2準拠のパスキーの管理機能が大幅に強化されました。ユーザーグループごとに「どの種類のパスキーを許可するか」といったきめ細かなポリシー設定が可能になり、企業は自社のセキュリティポリシーに合わせて段階的にパスワードレス環境を導入できます。

  • macOS向けプラットフォームSSO
    Appleデバイスを利用する企業向けに、macOS向けのプラットフォームSSO(シングルサインオン)がサポートされました。Macユーザーも一度のログインで各種アプリケーションやサービスへシームレスにアクセスできるようになります。

セキュリティ強化と認証保護

2025年後半から2026年にかけて、認証基盤のセキュリティがさらに強化されています。

  • Authenticatorアプリのデバイス検証
    2026年2月から、ジェイルブレイクやルート化されたデバイスでのMicrosoft Entra資格情報の利用がブロックされ、既存の資格情報も自動的に無効化されるようになりました。

  • ブラウザ認証のCSP強化
    2025年11月から、login.microsoftonline.comでのブラウザベースのサインインに、より厳格なContent Security Policy(CSP)が適用されています。信頼されたMicrosoftドメインからのスクリプトのみを許可することで、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃への耐性が大幅に向上しています。

クラウドへの移行を加速する新機能

多くの企業が利用するハイブリッド環境から、完全なクラウド環境への移行を支援する新機能が登場しています。

  • Source of Authority(SOA)移行機能
    オンプレミスのActive DirectoryとEntra IDを併用するハイブリッド環境において、これまでオンプレミスADが権限を持っていたユーザーやグループを、オブジェクト単位でクラウドのEntra IDに切り替えることが可能になりました。リスクの少ない部門から段階的にクラウドへ移行する、といった柔軟な計画を立てられます。

Microsoft Entra IDの主な機能

Microsoft Entra IDは、企業のID管理とアクセス制御に必要な機能を幅広く提供しています。以下の表で、各機能の概要を整理しました。詳細は各項目をご覧ください。

Entra IDの主な機能
Entra IDの主な機能

機能 説明
条件付きアクセス ユーザーの状況に基づいてアクセスを制御します
ID管理 アイデンティティのライフサイクル全体を管理します
特権のID管理(PIM) 特権アクセスを管理し、セキュリティを強化します
アプリ統合とシングルサインオン(SSO) 複数のアプリへのアクセスを1つの認証で可能にします
多要素認証(MFA) パスワード以外の方法でユーザーを認証し、セキュリティを向上させます
統合型の管理センター すべての機能を一元的に管理できる場所です


ここで注目すべきは、これらの機能が個別に動作するのではなく、条件付きアクセスとMFAの連携、ID管理とPIMの統合など、相互に連動してゼロトラストセキュリティを実現する点です。

条件付きアクセス

条件付きアクセスは、アクセスをブロックまたは制限するための条件を設定するものです。ユーザーごとに、アクセスできるサービスやアプリケーションの制限が可能です。

例えば、アクセス条件に「○○部門」かつ「Windowsユーザー」を設定した場合、○○部門以外のユーザーであったり、使用しているPCがmacOSであったりするとアクセスがブロックされます。

ソースIP、デバイスの状態、対象サービスなどの条件を組み合わせることで、ユーザーのアカウントごとに細かくアクセス権を設定できます。設定したポリシーのうち1つでも条件に反していた場合にアクセスをブロックする、あるいは制限することが可能です。

また、管理者が新しいポリシーを導入する際に、その影響範囲を事前に評価するためのWhat If APIも提供されています。これにより、「このポリシーを有効にすると、どのユーザーのアクセスに影響が出るか」といったシミュレーションをプログラムで行い、より安全にポリシーを展開できます。

ID管理

IDベースのリスクの検出と修復を自動化できます。Microsoft Entra IDでは、Amazon Web ServiceやGoogle Cloud、Salesforceなど、クラウド上のさまざまなアプリケーション情報を登録できます。

またセキュリティをより高度なものにするために、二段階認証や多要素認証の導入も可能です。さらにEntra IDにあらかじめ備わっている検知機能により、怪しいサインインの検出もできます。
個人情報や企業の情報を盗もうと巧妙化したサイバー攻撃が絶えず行われている現在において、不正なログインを防ぐ検知機能は、大きな役割であるといえるでしょう。

特権IDの管理

特権のID管理(PIM)とは、アクセスを管理、制御、監視できるようになるサービスです。会社では、セキュリティで保護された情報やリソースへのアクセス権を持つユーザーの数を最小限に抑える必要があります。

そうすることにより、悪意のあるアクターによるアクセス権の取得や、許可されているユーザーによる機密リソースの誤操作といったリスクを防ぐことができます。Azure RBAC(ロールベースアクセス制御)と組み合わせることで、最小権限の原則に基づいたセキュリティ体制を構築できます。

シングルサインオン

シングルサインオン(SSO)は、通常必要である認証手続きをスキップできるシステムです。すべてのクラウドサービスを網羅しているわけではありませんが、GoogleやFacebook、Box、DocuSignなど、日常で多く使われているSaaSサービスに対応しています。

セキュリティレベルを下げることなく複数のクラウドサービスが管理できるシングルサインオンは、便利な機能です。Entra ID内のSSO機能に各クラウドサービスを登録することで、Microsoft 365をはじめとするSaaSサービスの認証を一括で済ませることが可能となります。

パスワードレスと多要素認証

データとアプリへのアクセスを安全に守るのに役立ちます。パスワード固有のリスクを排除して使いやすさを実現できます。
ユーザーIDとパスワードだけでのアカウント管理では心もとない時代です。サイバー攻撃によりパスワードなどが漏えいし、いつ不正アクセスが発生するか分かりません。

そこで多要素認証を活用することで、ログインセキュリティを飛躍的に向上できます。電話やSMS、ワンタイムパスワードなど複数の認証でログインを強制すれば、不正アクセスの可能性が大幅に下がるでしょう。なお、2024年10月以降はAzure管理操作でのMFAが義務化されています。

多要素認証例
多要素認証例

【関連記事】
Azureの多要素認証とは?その概要やメリット、認証方式を徹底解説

統合型の管理センター

統合型の管理センターでは、Entra IDの主たる機能であるクラウドサービスのアカウントを一元管理できます。対象のサービスはMicrosoftが提供するものに限らず、「Box」や「Google Workspace」などの他社製品に対しても管理が可能です。

さらに、あるサービスへのログインで使用した認証情報を利用し、他のサービスへのログイン作業を不要にする「シングルサインオン」も適用することができます。

従来、社内でしか適用できなかったActive Directoryの機能を社外のクラウドサービスに利用できるようになるイメージです。


Microsoft Entra IDとオンプレミスADの違い

Microsoft Entra IDとオンプレミスADでは、利用環境や認証方式が大きく異なります。以下の表で、両者の主な違いを整理しました。

Microsoft Entra ID オンプレミスAD
使用目的 クラウドサービスのアカウントに対する認証基盤 オンプレミスのアカウントや社内リソースを認証するための基盤
接続環境 外部ネットワーク 社内ネットワーク
認証方法 SAML、WS-Federation、OpenID Connect、OAuth Kerberosプロトコル
ディレクトリのアクセス RESTベースのAPI LDAP


この表からわかるように、Entra IDはクラウドを前提とした設計であるのに対し、オンプレミスADは社内ネットワークを中心とした認証基盤です。両者を組み合わせるハイブリッド構成も多くの企業で採用されています。

認証方法の違い

オンプレミスADとEntra IDでは認証方法が異なります。オンプレミスADではKerberosやNTLMといった伝統的な認証プロトコルが使用されるのに対し、Entra IDではより現代的でセキュリティが強化されたプロトコル、例えばOAuth 2.0やOpenID Connectが使用されます。

これらは多様なデバイスやアプリケーションで安全な認証を可能にし、例えばクラウドアプリへのシングルサインオンが容易に実現できます。

クラウド統合の利便性

Microsoft Entra IDはMicrosoft 365、Azure、および多くのサードパーティのSaaSアプリケーションとシームレスに統合されます。このため、ユーザーマネジメントやアクセス権限の設定を、中央集約されたクラウドベースのインターフェースを通じて簡単に行うことができます。

ユーザーは地理的な位置に関係なく、必要なサービスやアプリケーションにアクセス可能です。これにより、オンプレミスADのような物理的な制約を受けることなく、組織全体で一貫したアイデンティティとアクセスポリシーを維持できます。


Microsoft Entra IDの活用シナリオ

働き方改革の推進やコロナ禍の影響を受け、リモートワークとオフィスワークをミックスさせた「ハイブリッドワーク」が急速に浸透しました。

急激な環境変化は、IT部門の負荷も高める結果となりました。オンプレミスを中心にシステムを運用している場合は、機器の設置や設定、増設など環境構築や保守のために、追加の工数やコストが必要になります。

また、慣れない在宅での業務に関して、パスワード忘れやアクセスできないといったユーザー部門からの問い合わせ対応も増加しました。

Microsoft Entra IDの利用効果が紹介されています。

Entra IDの利用効果
Entra IDの利用効果


Microsoft Entra IDは、従業員の生産性を高め、ITの問題を減少させる効果があるとされています。

具体的には、ユーザーの生産性が年間で13時間向上し、IAM(アイデンティティアクセスマネジメント)チームの効率が50%向上しています。さらに、パスワードリセットのリクエストが75%減少していることが示されています。
Microsoft Entra IDをうまく活用することで、これらの実際の効果につなげることが可能です。


Microsoft Entra IDのプランと料金

Microsoft Entra IDには、機能や特徴、価格帯の異なる複数のプランが提供されています。以下のプラン一覧表で、各プランの概要と価格を整理しました。詳細はプラン詳細をご確認ください。

以下の価格は2026年3月時点のものです。

エディション 説明 価格
Microsoft Entra ID Free Microsoft AzureやMicrosoft 365などのクラウドサブスクリプションに含まれる 無料
Microsoft Entra ID P1 エンタープライズ顧客はMicrosoft 365 E3に、中小規模企業はMicrosoft 365 Business Premiumに含まれる。スタンドアロン版も利用可能 899円/ユーザー/月(税抜)
Microsoft Entra ID P2 エンタープライズ顧客はMicrosoft 365 E5に含まれる。スタンドアロン版も利用可能 1,349円/ユーザー/月(税抜)
Microsoft Entra ID Governance P1およびP2の顧客向けのIDガバナンス機能の高度なセット。P2利用顧客には特別価格適用 880円/ユーザー/月(税抜)
Microsoft Entra Suite P2、Governance、Internet Access、Private Access、Verified IDをバンドルした包括プラン 1,799円/ユーザー/月(税抜)


ここで注目すべきは、Microsoft Entra Suiteが2024年に新たに追加されたバンドルプランであるという点です。P2とGovernanceを個別に契約するよりもコストメリットがあり、ネットワークアクセス制御やVerified IDも含まれるため、ゼロトラスト環境を包括的に構築したい企業に適しています。

【関連記事】
Azureの料金体系を解説!サービスごとの料金例や確認方法も紹介

プランの詳細

Microsoft Entra IDの各プランの詳細は以下のとおりです。

Microsoft Entra ID Free

  • 概要
    Microsoftのクラウドサービス(Azure、Microsoft 365など)に無料で含まれる基本的なID管理機能です。

  • 価格
    無料(クラウドサブスクリプションに含まれます)。

  • 主な機能
    ユーザーの管理と基本的な認証、シングルサインオン(SSO)、基本的なセキュリティと利用規模に合わせた管理が利用できます。

Microsoft Entra ID P1

  • 概要
    より高度な保護と管理機能を提供するプランです。エンタープライズ顧客向けにMicrosoft 365 E3、中小規模企業にはMicrosoft 365 Business Premiumに含まれます。

  • 価格
    899円/ユーザー/月(税抜)。

  • 主な機能
    条件付きアクセスポリシー、多要素認証(MFA)、リスクベースのアクセス制御、プライベートグループとアプリのロールベースアクセス制御(RBAC)が利用できます。

Microsoft Entra ID P2

  • 概要
    最も包括的なID保護と管理機能を提供するプランです。エンタープライズ顧客向けにMicrosoft 365 E5に含まれます。

  • 価格
    1,349円/ユーザー/月(税抜)。

  • 主な機能
    P1のすべての機能に加え、ID保護と機械学習による異常検知、特権アイデンティティ管理(PIM)、アイデンティティガバナンスとアクセス管理の高度な機能が利用できます。

Microsoft Entra ID Governance

  • 概要
    Microsoft Entra ID P1およびP2の顧客向けに提供される、IDガバナンス機能をさらに強化したセットです。

  • 価格
    880円/ユーザー/月(税抜)。Microsoft Entra P2を利用している顧客には特別価格が適用されます。

  • 主な機能
    詳細なアクセスポリシーの設定、アクセスレビューと監査のためのツール、組織のポリシーに基づく自動アクセス管理が利用できます。

Microsoft Entra Suite

  • 概要
    Microsoft Entra ID P2を基盤に、Governance、Internet Access、Private Access、Verified ID Premiumをバンドルした包括プランです。2024年に新たに提供が開始されました。

  • 価格
    1,799円/ユーザー/月(税抜)。

  • 主な機能
    P2とGovernanceの全機能に加え、ネットワークアクセス制御(SWG機能を含むInternet Access、ZTNA機能を含むPrivate Access)や、検証可能な資格情報(Verified ID)が利用できます。ゼロトラスト環境を包括的に構築したい企業に適しています。


各プランは、特定の規模やニーズに合わせて設計されており、企業のセキュリティ要件と管理の複雑さを軽減するためのものです。具体的なニーズに合わせて適切なプランを選択してください。

また、Azureの料金計算ツールを利用することで、月々の利用料金の見積もりを簡単に算出できます。

プランごとの対応範囲一覧

こちらはプランごとのサービス対応範囲の一覧表です。

機能/プラン Microsoft Entra ID Free Microsoft Entra ID P1 Microsoft Entra ID P2 Microsoft Entra ID Governance
管理とハイブリッドID
エンドユーザーセルフサービス
多要素認証と条件付きアクセス
ID保護
イベントログとレポート
IDガバナンス

Microsoft Entra IDの作成方法と使い方

Microsoft Entra IDのテナントを作成し、利用を開始する手順を解説します。前提準備として、Azureアカウントの作成を行ってください。

  1. Azure Portalにログインします。

【Azure Portalの操作方法はこちら】
Azure Portalとは?操作方法やメリットをわかりやすく解説!

  1. 新しいリソースを作成します。
    リソース作成1

    リソースの作成

  2. IDを選択します。
    テナント作成IDの選択

    IDの選択

  3. Entra IDを選択し、作成します。

EntraID

Entra IDをクリック

  1. Entra IDが作成できます。
    EntraIDの画像

オブジェクトIDの確認方法

Entra IDを管理する上で必要なオブジェクトIDやテナントIDの確認は、Azure Portal、PowerShell、Azure CLIを通じて行えます。

【参考記事】
Microsoft Entra(Azure AD)オブジェクトIDの確認方法をわかりやすく解説!

Microsoft Entra Connect(旧Azure AD Connect)

Microsoft Entra Connectを使用すると、オンプレミスのWindows Server Active DirectoryをMicrosoft Entra IDに簡単に接続し、同期させることができます。

これは無料ツールで、インストールするだけで、ローカルのADとクラウドディレクトリ間の同期を実現できます。

その結果、ハイブリッドID環境を通じて、Microsoft 365やAzure、さまざまなSaaSアプリケーションに対する一元管理されたIDをユーザーに提供することが可能になります。

Windows Server Active Directoryとの接続
Windows Server Active Directoryとの接続 (参考:Microsoft)


Microsoft Entra Connectの主な機能は以下のとおりです。

  • 同期サービス
    ユーザー、グループ、その他のオブジェクトを同期し、オンプレミスとクラウドのID情報を一致させます。

  • 稼働状況の監視
    Microsoft Entra Connect Healthを通じて同期の健全性を監視し、Azure Portalからその状況を確認できます。

  • AD FS
    オプションのフェデレーションコンポーネントで、オンプレミスのAD FSからハイブリッド環境を構築することが可能です。

  • パスワードハッシュの同期
    オンプレミスのパスワードハッシュをMicrosoft Entra IDと同期させ、セキュリティを維持しつつサインインできます。

  • パススルー認証
    オンプレミスとクラウドのアプリケーションの両方で同じパスワードを使用し、サインインの手間を省きます。

Microsoft Entra IDのプロビジョニング

プロビジョニングとは、新しいスタッフが入社した際に、彼らがスムーズに仕事を始められるように必要な道具や情報をすべて揃えておくようなものです。

具体的には、新入社員が会社に加わった瞬間に、彼らが必要とするすべてのシステムやアプリケーションへのアクセス権を自動でセットアップするプロセスです。

たとえば、新しい社員が人事部によってシステムに登録されると、その情報をもとに、必要なメールアカウント、社内利用のソフトウェア、ファイル共有サービスへのアクセス権が自動で割り当てられます。この自動化されたプロセスにより、人的ミスが減り、セキュリティが強化され、新しいスタッフが迅速に業務に取り掛かれるようになります。

また、その社員が退職すると、同じように彼らのアクセス権は自動的に削除されます。これにより、不要なアクセス権が残ることなく、セキュリティの維持にも貢献します。

要するに、プロビジョニングは、社員が効率的に、かつ安全に仕事を行えるようにするためのビジネスプロセスの自動化です。

Microsoft Entra External ID(旧Azure AD B2C)

Microsoft Entra External IDは、外部の顧客に対してウェブアプリケーションやモバイルアプリケーション上でのサインイン、サインアップ、プロファイル管理、パスワードリセットなどのアイデンティティサービスを提供するクラウドベースのID管理サービスです。

従来のAzure AD B2Cの後継として位置づけられており、B2B(企業間連携)とB2C(消費者向け)の機能を統合したプラットフォームです。なお、Azure AD B2Cは2025年5月以降、新規購入ができなくなりましたが、既存のサブスクリプションは引き続きサポートされます(少なくとも2030年5月まで)。

サポートとリソース

Microsoft Learnを利用したEntra IDの学習が可能です。

Microsoft Entra ID で ID とアクセスを管理する - Training

ワークロードの Microsoft Entra ID を構成して、サブスクリプション、ユーザー、グループを操作する方法について説明します。

https://learn.microsoft.com/ja-jp/training/paths/manage-identity-and-access/

また、AzureについてはAI総合研究所に無料相談も可能です。お気軽にご相談ください。

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AI導入に関するご相談はAI総合研究所へ。数名規模の企業から大手企業まで、幅広いニーズに対応します。

https://www.ai-souken.com/contact

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Microsoft環境でのAI活用を徹底解説

Microsoft環境でのAI業務自動化・AIエージェント活用の完全ガイドです。Azure OpenAI、AI Agent Hub、n8nを活用した業務効率化の実践方法を詳しく解説します。

まとめ

この記事では、Microsoft Entra ID(旧Azure AD)の基本概要から最新動向、主な機能、オンプレミスADとの違い、料金プラン、導入方法までを解説しました。

Microsoft Entra IDは、クラウド時代のID管理基盤として、条件付きアクセスや多要素認証、シングルサインオンなどの機能により、企業のセキュリティと生産性の両立を実現します。2024年10月からのMFA義務化やAIエージェント向けID管理「Entra Agent ID」の登場など、進化を続けるMicrosoft Entra IDを導入して、安全で働きやすい業務環境の構築に役立ててください。

導入を検討される方は、まずAzureの無料アカウントでEntra ID Freeを体験し、自社の要件に合わせてP1やP2へのアップグレードを検討するのがおすすめです。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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