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Azureのハイブリッド特典とは?適用・確認方法や対象製品を解説

この記事のポイント

  • Azureハイブリッド特典の基本概念と、対象となるMicrosoft製品ライセンスの詳細を解説
  • 仮想マシンとSQL Databaseでのハイブリッド特典活用方法と、具体的なコスト削減効果を提示
  • 割引額計算ツールの使用方法と、Azureの予約との組み合わせによる更なる割引の可能性を説明
  • Windows 10ライセンスを活用したAzure Virtual Desktopでのコストメリットを紹介
  • ハイブリッド特典適用の具体的な手順と、コンプライアンス遵守のための注意点を詳述

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

クラウドコンピューティングの利用拡大に伴い、ITコストの最適化が重要な課題となっています。
Microsoftの「Azureハイブリッド特典」は、お客様が所有する既存のライセンスを活用し、クラウドサービスのコストを大幅に削減できる、魅力的なプログラムです。

本記事では、Azureハイブリッド特典がどのようなもので、どのように利用するのが最適かを解説していきます。
また、Windows ServerやSQL Serverなど、特定のMicrosoft製品のライセンスを持つ方が、Azure仮想マシンなどのクラウドサービスを特別な割引価格で利用できる方法や、その顕著な利用例についても分かりやすく紹介します。

クラウド移行を検討中の方や、より効果的なIT投資を目指す方にとって、貴重な情報が満載です。ぜひ最後までお読みください。

Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説

Azureハイブリッド特典とは

Azureハイブリッド特典は、Microsoft Azureのコスト削減プログラムの一つです。
この特典を利用することで、既存のオンプレミスのMicrosoftソフトウェアライセンスをAzure上で活用し、通常よりも低いコストでクラウドサービスを利用できるようになります

これはオンプレミスからクラウドへの移行を検討している企業にとって、非常に魅力的な選択肢となります。

Azure ハイブリッド特典
Azure ハイブリッド特典


Azureハイブリッド特典の対象製品とサービス

Azureハイブリッド特典は、特定のMicrosoft製品のライセンスを所有している場合に、Azure仮想マシン(VM)やAzure SQL Databaseなどのクラウドサービスを割引価格で利用できます。

具体的には、以下のライセンスを持っているユーザーが割引の対象となります。

  • Software Assurance付きのWindows Server
  • Software Assurance付きのSQL Server
  • Red Hat Enterprise Linux
  • SUSE Linux Enterprise Server


これらのライセンスを持つユーザーは、対応するAzureサービスを従量課金制よりも低いコストで利用できます。

例えば、「Software Assurance付きのWindows Serverライセンス」を持っている場合、Azure上でWindows ServerのライセンスコストなしでVMを実行できます。

Windows 10とAzureハイブリッド特典

Windows 10のライセンスは、一部の例外を除いて、直接的にはAzureハイブリッド特典の対象とはなりません。
ただし、Windows 10のライセンスを使ってAzure上でデスクトップ仮想化を行う場合、Azure Virtual Desktop(AVD)を利用することでコストメリットを得られます。

AVDを使用すると、Windows 10 Enterprise マルチセッションを実行できるため、複数のユーザーが同じ仮想マシンを共有でき、ライセンスコストを削減できます。

また、AVDではAzureハイブリッド特典を適用することで、Windowsサーバーのライセンスコストをさらに削減することが可能です。


Azureハイブリッド特典の利用ケース

zureハイブリッド特典は、オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウドリソースの最適化に役立つ多様な利用シーンがあります。

ここでは、代表的な2つのケースとして、「仮想マシンとSQL Databaseでのハイブリッド特典の活用方法」を詳しく見ていきます。

仮想マシンでのAzureハイブリッド特典の活用

Azureで仮想マシンを作成する際、通常は「Windows Serverのライセンス料金込みの従量課金料金」が適用されます。

しかし、Azureハイブリッド特典を利用することで、Software Assurance付きのWindows Serverライセンスを持っている場合、仮想マシンのOSライセンスコストを削減できます。

具体的には、Azure管理ポータルから仮想マシンを作成する際に、「Azureハイブリッド特典を利用する」オプションを選択します。
これにより、対象のVMがハイブリッド特典の割引価格で提供されます。

Azureハイブリッド特典の概要
Azureハイブリッド特典の概要 Microsoft Learnから引用

SQL DatabaseでのAzureハイブリッド特典の活用

Azure でSoftware Assurance対応の SQL Serverライセンスを使用することにより、SQL DatabaseとSQL Managed Instanceの利用にハイブリッド特典を適用できます。

Azure SQL Databaseの使用にかかるコストは、SQLライセンスコストとベースコンピューティングコストに分けられます。
Azureハイブリッド特典を利用する場合、「SQLライセンスコストの支払いが免除され、ベースコンピューティングコストのみの支払い」となります。

これによりSQL DatabaseとSQL Managed Instanceの料金を最大30%以上節約できます。

SQL Serverでのハイブリッド特典
SQL Serverでのハイブリッド特典の概要 Microsoft Learnから引用


Azureハイブリッド特典による割引率と計算方法

ハイブリッド特典による割引率は、サービスや地域によって異なりますが、一般的に最大でコストの40%を削減できるとされています。

Microsoft Learnのドキュメントでは、ハイブリッド特典の割引額計算ツールが公開されています。
このツールを用いて、現在のオンプレミスライセンスの状況や、予定しているクラウドサービスの使用量を入力することで、どれくらいの節約が可能かを推計できます。

自身の環境でどれだけ割引されるかを計算したい方は、ぜひご利用ください。

割引額計算ツール
割引額計算ツール

Azureの予約との組み合わせによるさらなる割引

予約は、「一定期間のAzureサービスの利用を事前に予約し、利用するための仕組み」です。利用者は、1年または3年の期間にわたってサービスを予約することで、通常の従量課金よりも低価格でサービスを利用できるようになります。

この予約の仕組みをAzureハイブリッド特典と組み合わせることで、さらに大きなコスト削減が見込めます。
予約プロセスはAzureポータルを通じて行われ、予約期間中のビジネスニーズや推定使用量に基づいてカスタマイズされます。


Azureハイブリッド特典の導入手順

Azureハイブリッド特典を利用するための導入手順は、以下の通りです。

  1. 対象のMicrosoft製品ライセンスがSoftware Assuranceに対応していることを確認する
  2. Azureポータルにログインし、仮想マシンまたはSQL Databaseのサービスを選択する
  3. 新規リソースの作成時または既存リソースの設定変更時に、Azureハイブリッド特典の適用オプションを選択する
  4. 必要な情報を入力し、リソースを作成または更新する


導入の際は、ライセンスの適用条件や制限事項を十分に理解し、コンプライアンスに違反しないように注意することが重要です。

また、ハイブリッド特典の適用状況を定期的に確認し、最適な割引率を維持するようにしましょう。

Azureハイブリッド特典の適用状況を確認する方法

Azureハイブリッド特典の適用状況は、以下の手順で確認できます。

  1. Azureポータルにログインする
  2. 対象のリソース(仮想マシンやSQL Databaseなど)を選択する
  3. リソースの詳細ページで、課金情報やライセンス情報を確認する
  4. Azureハイブリッド特典が適用されている場合、割引後の料金が表示される


また、Azureの課金明細や使用状況レポートでも、ハイブリッド特典の適用状況を確認できます。

これらの情報を定期的にチェックすることで、特典が適切に適用されているかを監視し、コスト最適化に役立てることができます。


Azureハイブリッド特典の注意点と留意事項

Azureハイブリッド特典を利用する際には、以下の点に注意が必要です。

**ライセンスの適用条件

ハイブリッド特典の対象となるライセンスには、一定の条件があります。例えば、Software Assuranceが有効であることや、同等のAzureサービスに適用できることなどです。
これらの条件を満たしていない場合、割引が適用されない可能性があります。

コンプライアンス

ハイブリッド特典を利用する際は、Microsoft社とのライセンス契約の条件に従う必要があります。不適切な使用は、コンプライアンス違反となる可能性があるため、注意が必要です。

割引率の変更

Azureハイブリッド特典による割引率は、予告なく変更される可能性があります。定期的に最新の情報を確認し、予算計画に反映することが重要です。


これらの点に留意しつつ、Azureハイブリッド特典を適切に活用することで、クラウド移行のコストを最適化し、ビジネスの成長につなげましょう。


まとめ

本記事では、Microsoft Azureのコスト削減プログラムである「Azureハイブリッド特典」について詳しく解説しました。この特典は、オンプレミスで利用している特定のMicrosoft製品ライセンスを、割引価格でAzureサービスに適用できる仕組みです。

仮想マシンやSQL Databaseでの活用例を見ると、Azureハイブリッド特典がクラウド移行のコストを大幅に削減し、既存のライセンス投資を無駄にすることなくスムーズにクラウドへ移行できる強力なツールであることがわかります。
また、Windows 10のライセンスを活用したAzure Virtual Desktopでのコスト削減や、予約との組み合わせによるさらなる割引、割引額計算ツールを使った削減額のシミュレーションなども、大きなメリットと言えるでしょう。

一方で、ライセンスの適用条件やコンプライアンスには十分な注意が必要です。定期的に最新情報を確認し、適切な運用体制を整えることが重要です。Azureポータルや課金明細、使用状況レポートを活用して、ハイブリッド特典の適用状況を継続的に監視することも欠かせません。

Azureハイブリッド特典は、クラウド移行を検討する企業にとって、コスト最適化と柔軟性の向上を実現する強力な手段です。ぜひ、自社の環境に合わせて活用を検討してみてください。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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