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Github Copilot for Businessとは?使い方や料金、導入方法を解説

この記事のポイント

  • GitHub Copilot for Businessは月額19ドルで提供される組織向けAIコーディングアシスタント
  • 組織全体のポリシー管理や特定ファイルの除外など、ビジネス向けの機能を搭載
  • 導入にはサブスクリプション購入、ポリシー設定、ユーザーへのアクセス権付与が必要
  • 個人プランと比べてセキュリティ機能が強化され、テレメトリデータの送信も行わない
  • 著作権リスク軽減のため、パブリックコードとの一致をブロックする機能を提供

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

GitHub Copilot for Businessは、AIの力を活用して組織のソフトウェア開発を革新する画期的なツールです。
コードの自動生成や提案機能により、開発者の生産性とコード品質を飛躍的に向上させます。

本記事では、GitHub Copilot for Businessの優れた機能や特長を詳しく解説すると共に、組織への導入プロセスやセキュリティ面についてもご紹介します。

ソフトウェア開発にAIを活用し、生産性と競争力強化を目指す企業にとって、必読の内容となっています。ぜひ最後までお読みください

GitHub Copilot for Businessとは

GitHub Copilot Businessは、AI駆動のコーディングアシスタント「GitHub Copilot」を組織単位で管理できるサブスクリプションプランです。

個人向けプラン(Github Copilot Individual)の機能に加えて、セキュリティ面が強化されています。

Github Copilot Businessの画像
Github Copilot Business


GitHub Copilot for Businessの主要機能

GitHub Copilot for Businessは、以下のような主要機能と特徴を備えています。

1. AI駆動のコード補完と多言語サポート

OpenAIの大規模言語モデルを活用し、リアルタイムでコードの補完や提案を行います。

Python、JavaScript、TypeScriptなど、多くのプログラミング言語とフレームワークをサポートしており、様々な開発プロジェクトで利用可能です。

2. 主要IDEとの統合

Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains IDEsなど、多くの一般的なIDE(統合開発環境)と互換性があります。

ユーザーは、普段使い慣れている環境でシームレスにGitHub Copilotを利用できます。

3. セキュリティとプライバシーの強化

ビジネス向けに設計されており、コードスニペットの収集を無効化する機能や、パブリックコードに一致する提案をブロックする機能などが含まれています。

また、SAML SSO認証監査ログなど、企業のコンプライアンス要件を満たすための機能も提供しています。

4. チーム向け管理機能

組織全体のポリシー管理や、特定ファイルの除外機能など、チームでの利用に適した管理機能を提供しています。

これにより、企業のセキュリティポリシーに準拠しながら、効率的にAIツールを活用できます。


Github Copilot for Businessの料金

Github Copilotの料金形態
Github Copilotの料金形態

GitHub Copilot Businessは、1ユーザーごとに月額19ドルで提供されています。


より詳細な料金体系や、各プランの比較については、以下の記事をご覧ください。


GitHub Copilot Individuaに加入している場合

既に個人で「GitHub Copilot Individual」のサブスクリプションに加入している状態で、以下のいずれかののシートが割り当てられた場合、GitHub Copilot Individualのサブスクリプションは自動でキャンセルされます。

  • GitHub Copilot Business
  • GitHub Copilot Enterprise

自動キャンセル後、「請求期間の残りに対して日割り計算での返金」が行われます。

また、割り当てられたプランに対応するGitHub Copilotを引き続き使用できます。


GitHub Copilot for Businessの導入方法

GitHub Copilot for Businessの導入は、以下のステップで行います。

  1. サブスクリプションの購入
    GitHub.comにアクセスし、組織のオーナーまたは支払いマネージャーとしてログインします。
    「Settings」→「Billing and plans」→「Buy GitHub Copilot」を選択し、必要なシート数を購入します。

  2. ポリシーの設定
    組織の「Settings」→「GitHub Copilot」で、利用ポリシーを設定します。
    パブリックコードの一致をブロックするかどうかなど、セキュリティ設定を行います。

  3. ユーザーへのアクセス権付与
    「People」または「Teams」タブで、GitHub Copilotを利用させたいメンバーを選択します。
    選択したメンバーに「GitHub Copilot」のアクセス権を付与します。

  4. IDEの設定
    各ユーザーは使用するIDEにGitHub Copilot拡張機能をインストールします。
    Visual Studio Code、Visual Studio、JetBrains IDEsなどの主要IDEに対応しています。


  1. 認証とアクティベーション
    IDE上でGitHubアカウントにログインし、GitHub Copilotを有効化します。
    組織アカウントが正しく認識されていることを確認します。

  2. 利用開始とトレーニング
    ユーザーへの利用方法の説明やトレーニングを実施します。
    GitHub提供のドキュメントやリソースを活用し、効果的な使用方法を共有します。


この導入プロセスにより、組織全体でGitHub Copilot for Businessを安全かつ効率的に利用開始できます。
導入後も定期的に設定やポリシーを見直し、組織のニーズに合わせて調整することが重要です。

Github Copilotの導入相談について

「GitHub Copilotの導入や使用方法について不明点がある」・「GitHub Copilot for Businessの導入を検討中」といった場合は、お気軽にお問い合わせください。

当社のエキスパートが、お客様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。
AI駆動の開発支援ツールで、貴社の開発プロセスを次のレベルへ引き上げましょう。

お問い合わせはこちらから▼
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BusinessプランからEnterpriseプランへのアップグレード

GitHub Copilot BusinessからGitHub Copilot Enterpriseへアップグレードする場合、移行は以下のように行われます。

  • 既にBusinessプランのシートを割り当てられているユーザーは、即座にEnterprise版の機能にアクセス可能
  • 請求は案分計算で行われ、現在の契約期間の残り日数に応じて、Enterprise版の料金が適用されます。
  • 追加のセットアップは不要で、ユーザーは中断なくサービスを利用し続けられます。


このように、Businessプランの契約期間中でもEnterpriseプランへ簡単に移行可能です。

複雑な設定は不要で、新しい高度な機能をすぐに活用できます。

ダウングレードする場合

EnterpriseプランからBusinessプランへダウングレードする場合は、以下の通りです。

  • ダウングレードの適用は次の請求サイクルからとなるため、即時の機能制限は発生しません
  • 料金は、次の請求サイクルからBusiness版の料金が適用されます。現在の契約期間中はEnterprise版の料金が維持されます。

Github Copilot indivisuals(個人向けプラン)とGitHub Copilot for Businessの違い

GitHub Copilot for Businessは、Copilot Individualの機能に加えて、組織管理機能やセキュリティ機能がより充実しています。

主な違いは以下の通りです。

一元管理

Copilot for Businessでは、組織のアカウントから一括してメンバーのCopilotサブスクリプションを管理できます。

Individualでは、各ユーザーが個別にサブスクリプションを管理します。

アクセス制御

Businessプランでは、組織内のユーザーやチームごとにCopilotへのアクセス権限を設定できます。

Individualプランではこの機能はありません。

ポリシー設定

組織のセキュリティポリシーに合わせて、特定のファイルやコードブロックをCopilotの対象から除外するなどの設定が可能です。

Individualプランでは、ユーザーごとの設定のみ可能です。

利用状況の可視化

管理者は、組織内でのCopilotの利用状況を監査ログで確認できます。Individualプランでは、個人の利用状況のみ確認できます。

テレメトリデータ

プライバシー保護のため、Businessプランではテレメトリデータの送信を行わない設計になっています。Individualプランでは、改善のためにテレメトリデータが収集されます。


以上のように、GitHub Copilot for Businessは、組織でのコラボレーションやセキュリティ管理に特化した機能を提供しています。

一方、Copilot Individualは、個人開発者向けのシンプルなプランといえます。組織での導入を検討する際は、これらの違いを理解した上で、ニーズに合わせた選択が重要です。


GitHub Copilot for BusinessとEnterpriseの違い

GitHub Copilotの法人向けプランには、Businessプランよりさらに機能が強化された「Enterpriseプラン」があります。

両者は基本的な機能を共有していますが、Enterprise版はより大規模な組織向けに設計され、追加機能を提供しています。

比較項目 Business Enterprise
料金 $19/ユーザー/月 $39/ユーザー/月
対象ユーザー 企業、チーム 大規模組織
Githubアカウント Organization、
またはEnterpriseアカウント
GitHub Enterprise Cloud
組織全体のポリシー管理
特定ファイルの除外
監査ログ
SAML SSO認証
GitHub Mobileでの利用 ×
プルリクエストの要約 ×
組織のナレッジベースに基づく回答 ×
Bingを利用した Web 検索 (ベータ版) ×
ファインチューニングモデル(近日公開予定) ×
GitHub.comでのCopilot Chat ×
VS CodeでのCopilot Chat ×
Visual StudioでのCopilot Chat ×


Businessプランは中小規模の企業やチームに適しており、主要な機能を手頃な価格で提供しています。

一方、Enterpriseプランは、Businessプランの機能をすべて含む上に、モバイル対応、プルリクエストの要約、組織固有のナレッジベースの活用など、 より包括的な開発環境をサポートしています。

組織の規模や必要な機能に応じて、適切なプランを選択することが重要です。


GitHub Copilot for Businessのユースケース

GitHub Copilot for Businessは、様々な開発シナリオで活用できます。
以下に代表的なユースケースを紹介します。

新規プロジェクトの立ち上げ

新しいプロジェクトを開始する際に、GitHub Copilotを活用してボイラープレートコードを自動生成することで、開発のキックオフを迅速に行えます。

レガシーコードのリファクタリング

古いコードベースをリファクタリングする際に、GitHub Copilotを使ってコードの最適化や modernizationを提案してもらうことで、リファクタリング作業を効率化できます。

APIの統合

外部APIとの統合作業において、GitHub Copilotを活用してAPIリクエストやレスポンスの処理コードを自動生成することで、開発者の負担を軽減できます。

テストコードの作成

GitHub Copilotを使ってテストコードの雛形を自動生成することで、テストカバレッジの向上とテストコード作成の効率化を図れます。


Github Copilot for Businessの著作権対策

GitHub Copilotは、膨大な公開ソースコードを学習したAIモデルを活用しているため、生成されるコードが既存のものと類似したり、部分的に一致したりする可能性があります。

これにより、著作権に関する以下のような課題が生じる可能性があります。

  1. 派生物の問題
    生成コードが元のオープンソースコードの派生物と見なされた場合、そのライセンス条件に従う必要が出てくる可能性があります。

  2. 出典の特定困難
    Copilotの仕組み上、生成されたコードがどの特定のソースに由来するのか判別することは極めて難しいです。

  3. ライセンス遵守の複雑さ
    生成コードの元となったソースが不明確なため、適切なライセンス遵守が困難になる可能性があります。


これらのリスクに対処するため、GitHub Copilot for Businessでは以下の機能が提供されています。

  • 組織全体のポリシー管理
    著作権問題のリスクを軽減するための包括的な管理ツールが用意されています。

  • パブリックコードとの一致をブロック
    組織レベルで設定可能な、GitHub上の公開コードと一致する提案をフィルタリングする機能があります。


組織でCopilotを利用する際は、これらの機能を活用することで、潜在的な著作権リスクを軽減できる可能性があります。

【関連記事】
Github Copilotの著作権問題は?考えうるリスクや安全に利用する方法を解説


まとめ

本記事では、GitHub Copilot for Businessの概要と導入方法を紹介しました。
月額19ドルで利用できるこのAIコーディングアシスタントは、組織単位での管理が可能で、セキュリティ面も強化されています。
導入には、サブスクリプション購入から始まり、ユーザーへのアクセス権付与、IDE設定までの手順が必要です。

個人向けプランとの違いや、Enterpriseプランとの比較も行い、組織に適したプラン選択の参考になるでしょう。

GitHub Copilot for Businessは開発効率とコード品質の向上に貢献し、今後、組織の競争力強化に重要な役割を果たすと考えられます。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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