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自治体でのチャットボット導入事例20選!活用法や具体例を徹底解説

この記事のポイント

  • 自治体でのチャットボット活用事例20例を紹介
  • 24時間365日対応可能な市民サービスの実現
  • 多言語対応による外国人居住者へのサポート強化
  • 自治体サービスに関する分野(税金、ごみ分別等)に特化したチャットボットの導入
  • 最新のAI技術を活用した高度な対話システムの実装

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

自治体におけるチャットボットの導入が注目を集めています。市民サービスの質の向上や行政運営の効率化を促進する目的で、多くの自治体がチャットボットの活用に着手しています。

本記事では、各自治体でのチャットボット活用の実際の事例を20項目にわたり具体的に紹介します。
24時間体制での市民からの問い合わせ対応から、特定の分野に焦点を当てたサービス提供まで、チャットボットが市民生活をどのように支援し、行政サービスに変革をもたらしているのか、さまざまな角度から解説していきます。

チャットボットと自治体の融合がもたらす新しい可能性に、ぜひご注目ください。

【厳選31選】自治体のチャットボット導入事例

日本全国の自治体がチャットボットを導入し、その成果を上げています。

チャットボットの導入は、住民の問い合わせ対応を効率化し、行政サービスの質を向上させる手段として注目されています。
ここでは、実際にチャットボットを導入した自治体の成功事例を31選ご紹介します。

各導入事例の詳細も別途記載していますので、気になる事例はリンクを押してご確認ください。

【北海道・東北地方】

  • 岩手県一関市
    岩手県一関市は、全国初の生成AIチャットボットを市政問い合わせに導入。

  • 北海道東川町
    北海道東川町では、ふるさと納税に関する問い合わせ対応のために「ふるさと納税BOT」を導入。

  • 青森県弘前市
    青森県弘前市は、市民の問い合わせに365日24時間対応する生成AIチャットボットを試験運用。

  • 秋田県大館市
    秋田県大館市にAIチャットボット「移住・定住Edia」を導入し、移住や定住に関する問い合わせに対応。

  • 山形県山形市
    山形市では、市政情報、観光案内、災害情報などの問い合わせに対応するAIチャットボットを導入。

  • 福島県川俣町
    福島県川俣町は、LINE公式アカウント「Ka-LINE(かりん)」でAIチャットボットや災害時のオンライン避難届機能を提供。

【関東地方】

  • 茨城県
    茨城県では「こころのなやみチャットボット」を導入し、24時間365日悩み相談に対応。

  • 栃木県宇都宮市
    栃木県宇都宮市は、子育て分野の問い合わせに対応するAIチャットボット「教えてミヤリー」を導入。

  • 群馬県伊勢崎市
    群馬県伊勢崎市では、AIチャットボット「AIスタッフ総合案内サービス」を導入し、9カ国語で問い合わせに対応。

  • 神奈川県横須賀市
    神奈川県横須賀市では、市民参加型の公開実験としてチャットボット“ニャンぺい”を開発中。

  • 千葉県柏市
    千葉県柏市では悩み相談AIチャットシステムを導入し、カウンセリングAIで24時間相談に対応。

  • 東京都三鷹市
    東京都三鷹市では、AIチャットボットを選挙案内に特化して使用。

【中部・北陸地方】

  • 石川県小松市
    石川県小松市は、観光客の問い合わせにAIが自動応答する「こまつJapanナビ / こまつAIカブッキー」を試験運用。

  • 福井県福井市
    福井県福井市は、市政情報や様々な質問に24時間365日対応するAIチャットボットを導入。

  • 新潟県新発田市
    新潟県新発田市は、子育てに関する問い合わせに対応するAIチャットボット「Bebot」を導入。

  • 新潟県新潟市
    新潟市は、ごみの分別方法などの問い合わせに対応する「新潟市ごみ関連チャットボット」を導入。

  • 静岡県焼津市
    静岡県焼津市では、市政に関する問い合わせに対応するAIチャットボット「やいちゃんのAI総合案内」を導入。

  • 愛知県
    愛知県では、39市町村で共同運用するAIチャットボット「住民窓口Edia」を導入。

【近畿地方】

  • 大阪府
    大阪府では、自動車税に関する問い合わせに対応する「自動車税AIチャットボット」を導入。

  • 兵庫県加東市
    兵庫県加東市は、AIチャットボット「住民窓口+庁内用(職員向け)Edia」を導入し、市民サービスと職員業務の効率化を図る。

  • 京都府京都市
    京都府京都市では、軽自動車税に関する問い合わせに24時間365日対応するAIチャットボットを導入。

  • 兵庫県神戸市
    兵庫県神戸市は、緊急事態宣言下で「新型コロナの健康相談チャットボット」を導入し、相談先案内を行う。

【中国・四国地方】

  • 徳島県鳴門市
    徳島県鳴門市は、市民や訪問者の質問に24時間対応するAIチャットボット「にゃるひげ」を導入。

  • 高知県香美市
    高知県香美市では、ICT導入の一環としてAIチャットボット「住民窓口Edia」を導入し、学生プロジェクトで運用。

  • 愛媛県
    愛媛県では、移住促進と地域活性化のために移住希望者の相談に対応するチャットボットを導入。

  • 島根県出雲市
    島根県出雲市では、子育て分野の質問に24時間対応するAIチャットボットを導入。

【九州・沖縄地方】

  • 福岡県
    福岡県では、住民の利便性向上を目的に31分野のFAQを基にしたAIチャットボットを導入。

  • 熊本県
    熊本県では、AIチャットボット「住民窓口Edia」を導入し、県内市町村の情報提供や子育て支援を行う。

  • 佐賀県佐賀市
    佐賀県佐賀市では、行政サービスの手続きや制度に関する問い合わせに24時間対応するAIチャットボットを導入。

  • 大分県別府市
    大分県別府市では、ごみ分別案内にAIチャットボットを導入し、日本語と英語で対応。

  • 沖縄県那覇市
    沖縄県那覇市は、試行期間を経て34分野に対応するAIチャットボットを本格導入。


北海道・東北地方

1.岩手県一関市

一関市のHP
一関市のHP

岩手県一関市は、日本の自治体として初めて、生成人工知能(AI)を活用した会話型AIチャットボットを市の公式ホームページに導入しています。
このシステムは、市民からの問い合わせに対してAIが自動で回答するもので、OpenAIの「ChatGPT-4」技術を基にしています。
導入費用は1255万円で、国のデジタル田園都市国家構想交付金を利用しています。

サービスは24時間365日稼働し、市役所の閉庁時間でも対応可能です。さらに多言語対応も可能で、訪日外国人の利用も想定しています。
従来のチャットボットが持つ限定された応答能力を超え、想定外の問いにも対応できる点が特徴です。

一関市は、全国初のAIチャットボット導入を通じて、DXの進展を図り、情報セキュリティーを含む利用ガイドラインの定めにも注力しています。今後、この技術を基にした音声サービスの実現も目指しています。

参考:


2.北海道東川町

ふるさと納税BOT
ふるさと納税BOT

北海道東川町では、年末にかけて増加する「ふるさと納税」に関する問い合わせ対応のために「ふるさと納税BOT」を導入しました。
『ふるさと納税BOT』は、各地方自治体が展開する「ふるさと納税」制度における、制度の仕組みや納税者への返礼品などの問い合わせ対応に特化したチャットボットです。

利用者からの質問に自動応答することで、職員の業務効率化と、顧客満足度向上を図っています。

参考:


3.青森県弘前市

弘前市のチャットボット画面
弘前市のチャットボット画面

青森県弘前市は、市民からの問い合わせに対応するため、365日24時間対応の生成AIチャットボットの試験運用を市ホームページ(HP)で開始しました。
市のHPなどの情報をAIが収集し、質問に対して生成AIが文章を組み立てて回答します。
現在、AIは回答精度を高めるため学習中で、市全庁的にAIに質問と回答を覚えさせ、精度アップに取り組んでいます。

AIチャットボットは市HPトップページの「チャットボットに相談する」バナーからアクセスでき、質問に対し、簡単な説明と関連するHPリンクを案内します。
例えば、「通学区域が知りたい」と質問すると、通学区域の説明と教育委員会の関連リンクを提供します。

市はAIが回答できなかった質問や誤った回答についても正しい情報を覚えさせるメンテナンスを継続的に実施し、回答精度を高めていきます。

参考:


4.秋田県大館市

大館市の移住チャットボット
大館市の移住チャットボット

秋田県大館市では、AIチャットボット「移住・定住Edia」を導入しました。
大館市は人口約75,000人で、秋田県北部に位置し、市のシンボルである「忠犬ハチ公」のふるさとです。

AIキャラクター「ハチ」が対応するこのチャットボットは、市民や移住希望者からの問い合わせに対し、24時間365日対応可能です。特に移住や定住に関する相談が増えており、「オンラインやWEBでの移住相談」、「移住に関する補助金」、「移住者との交流」などの質問が寄せられています。

「移住・定住Edia」は、利用者からの質問を学習し続ける共用AIであり、新たに追加された質問にも随時対応しています。導入された自治体全体での学習が進み、回答の精度が向上するため、大館市においても市民サービスの向上が期待されています。
このAIチャットボットは、大館市の住民や移住希望者の利便性を高め、移住促進に寄与することを目的としています。

参考:


5.山形県山形市

山形市のチャットボット
山形市のチャットボット

山形市では、市の施策、イベント・観光情報、災害・防災情報などの市政情報を発信するほか、児童遊戯施設予約(コパル、べにっこひろば)、ごみの名前を入れると分別方法等をお知らせする「自動応答機能」も備えた公式アカウントをチャットボットとして使用しています。

「山形市の魅力」タブでは、観光や移住・定住に特化した内容とし、市内外の方が山形市の魅力を簡単に入手できるようにもなっており、多くの人に便利なサービスとなっています。

参考:


6.福島県川俣町

川俣町のAIチャットボット
川俣町のAIチャットボット
出典:NIKKEI COMPASS

福島情報処理センターは、2021年5月1日から福島県川俣町のLINE公式アカウント「Ka-LINE(かりん)」にAIチャットボット、セグメント配信、LINEメール転送サービス、LINEスタンプラリー、LINEオンライン避難届などの機能を提供しました。

例えば、AIチャットボット「Ka-LINE(かりん)」はAI自動応答機能を搭載し、町民が24時間いつでも新型コロナウイルス感染症などの情報を質問できます。
セグメント配信機能により、利用者は空間放射線測定値、ごみ収集、健康情報など必要な情報を選択して受け取ることができます。

また、災害時に避難所以外への避難を促進するためのLINEオンライン避難届機能を導入しており、迅速な対応が可能になります。
これらの機能により、川俣町は住民サービスの向上と地域の活性化を図り、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としてLINEを活用しています。

参考:


関東地方

7.茨城県

こころのなやみチャットボット
こころのなやみチャットボット

茨城県では「こころのなやみチャットボット」を導入しています。

このシステムは、チャット型のカウンセリングで、パソコン・タブレット・スマートフォンのどの端末からも利用でき、24時間365日いつでも悩み相談が可能です。
電話や直接医療機関を訪れることを避けてしまう人へのバリアを取り除き、だれでも気軽に相談できる点が特徴です。

相談内容としては「経済・生活問題」「健康問題」「家庭問題」「勤務問題」と多岐に渡ります。
チャットボットに悩みを入力すると、解決の糸口に関する情報や、対面での相談場所の案内を受け取ることが可能です。

参考:


8.栃木県宇都宮市

宇都宮市のHP
宇都宮市のHP

栃木県宇都宮市では、子育て分野における市民からの問い合わせに対応するため、AIチャットボット「教えてミヤリー」を活用しています。
このサービスは、SNSアプリ「LINE」を介して自動応答を行い、子育て世代のICT利用の高さと生活スタイルの変化に応じ、夜間や休日も含めた問い合わせニーズに対応します。

AIは24時間365日利用可能で、セキュリティも強化されています。市役所職員はFAQデータを容易に更新でき、サービスはクラウド上で提供されます。

参考:


9.群馬県伊勢崎市

伊勢崎市のチャットボット
伊勢崎市のチャットボット

群馬県伊勢崎市では市では、お問い合わせに関する利便性向上を目的に、AI(人工知能)を活用したチャットボット「AIスタッフ総合案内サービス」を導入しています。
特に、市役所の手続きや制度などに関する質問に対して、AIが対話形式で回答します。

多言語に対応している点が特徴で、対応言語は以下の9カ国語です。

  • 英語
  • 韓国語
  • 中国語(簡体字)
  • 中国語 (繁体字)
  • ポルトガル語(ブラジルポルトガル語)
  • フィリピン語(タガログ語)
  • スペイン語
  • ベトナム語
  • トルコ

今後多様化が進む社会において、AIチャットボットと行政のメリットを活用し、多くの人の便利さを向上している良い事例ですね。

参考:


10. 神奈川県横須賀市

ニャンぺいの画像
ニャンぺいの画像

神奈川県横須賀市では、市民のお悩み相談に対応するチャットボット“ニャンぺい”を開発中で、この度、その公開実験を行います。
通常チャットボットは完成した形で市民に提供されますが、あえて未完成のチャットボットを公開することで、よりニーズに即したAIチャットボットに改善することが目的です。

この公開実験では、市民一人一人の寄与が大切になります。自治体全体が一丸となることでより安全で信頼性の高いチャットボットの育成が期待できますね。

参考;


11.千葉県柏市

悩み相談AIチャットシステム
悩み相談AIチャットシステム

千葉県柏市では悩み相談AIチャットシステムを導入しています。
のシステムは、公認心理師監修のカウンセリングAIを利用しており、パソコン・タブレット・スマートフォンのどの端末からも福祉に関する様々な相談を受けることができます。

利用者が悩みを入力すると「大変ですね」「自信を持てることはありますか」などと聞き返し、対話を重ねる。電話や対面で悩みを打ち明けることに抵抗のある人の利用を見込んでいます。

柏市民は無料で相談することが可能で、傾聴AIアルゴリズムを改善して市民に寄り添った相談体験を追求していくことを発表しています。

参考:
- 利用者の約75%が10代~20代の若年層 千葉県柏市が全国に先駆け導入した「悩み相談AIチャットシステム」[インタビュー]


12.東京都三鷹市

チャットボット 三鷹市議会議員・三鷹市長選挙の案内
チャットボット 三鷹市議会議員・三鷹市長選挙の案内

東京都三鷹市ではAIチャットボットを選挙案内に使用しています。

候補者についての情報・お住まいの投票区について。投票所の場所・投票の制度等幅広い質問に対応しています。
投票率差の低さが問題とされている中、このような使用法は画期的なのではないでしょうか?

「なんでも聞けるチャットボット」から、あえて「選挙特化型」にすることで、利用者は選挙に関する関心を高め、情報を収集することができます。また、選挙に対する意識を高めるきっかけになることも期待できます。

参考:


中部・北陸地方

13.石川県小松市

こまつJapanナビ / こまつAIカブッキーの画像
こまつJapanナビ / こまつAIカブッキーの画像 出典:イグジット株式会社

石川県小松市では観光客の問い合わせにAIが自動応答する「こまつJapanナビ / こまつAIカブッキー」の試験運用を2019年5月10日から開始しました。小松空港の国際便利用者増加や2023年の北陸新幹線小松開業に向け、訪日外国人を含む旅行客へのサービス拡充と市内観光促進を目的としています。

このサービスは多言語(英語、簡体字、繁体字)対応で、24時間365日AIが自動応答します。機械翻訳ではなくネイティブによる翻訳を採用し、外国人旅行客も自然に対話できます。スマートフォンに最適化され、各SNSプラットフォーム上でも動作するため、旅行前から旅行後まで継続的なユーザーサポートが可能です。

今後は小松空港ターミナル内にデジタルサイネージを設置し、タッチスクリーン、音声認識、テキスト読み上げ機能を備えた情報提供を行います。旅行者はQRコードやSNSアカウントを通じて、いつでもスマートフォンでAIに質問できます。

参考:


14.福井県福井市

福井市のHP
福井市のHP

福井県福井市では、市民や訪問者からの様々な質問に対応するため、AIを活用した自動応答サービス「AIチャットボット」を提供しており、「LINE」および市の公式ホームページを通じて、24時間365日利用可能です。

ごみの出し方、防災・災害情報、住民票・戸籍、税金関連の質問、健康・福祉、結婚・子育て支援など、幅広い分野での質問に自動で答えます。

福井市のAIチャットボットは、市役所の業務時間外や電話より気軽に問い合わせたい場合、また、知りたい情報の検索方法が分からない時など、様々なシチュエーションで活用できる便利なツールです。

参考:


15.新潟県新発田市

新発田市の子育てAIチャットボットの画面
新発田市の子育てAIチャットボットの画面

新潟県新発田市では、妊娠・出産・子育てに関する問い合わせサービスにAIチャットボット「Bebot」を導入しました。
Bebotはビースポークが開発した自然言語処理エンジンを使用し、3,000万人以上の利用履歴を基に文脈を把握し、適切に回答します。

これにより、サポート制度や行政手続き、育児相談などを24時間365日、対話形式で案内できます。

Bebotは自治体や公共機関で広く導入されており、口語体や長文でも正確な回答を提供します。デバイスを問わず利用でき、手軽に実装可能です。
新発田市では、核家族化や地域のつながりの希薄化により育児の不安を抱える保護者が増えており、時間を問わず問い合わせができる環境の整備が求められていました。

Bebotの導入により、保護者が気軽に相談できるようになり、育児に前向きに取り組める環境が期待されています。

参考:


16.新潟県新潟市

新潟市のHP
新潟市のHP

新潟市は、市民のごみ関連の問い合わせに対応するため、「新潟市ごみ関連チャットボット」を導入しました。
このAIチャットボットは、ごみの分別方法、粗大ごみ処理手数料、ごみ収集日(ごみカレンダー)などの情報を提供し、パソコンやスマートフォンから24時間いつでも利用可能です。

このチャットボットの導入により、市民は時間や場所に縛られずに必要なごみ処理情報を得ることができ、市職員の業務負担軽減も期待されています。

参考:


17.静岡県焼津市

「やいちゃんのAI総合案内」
「やいちゃんのAI総合案内」

静岡県焼津市では、市民からの市政に関する問い合わせに個別対応可能なAIチャットボット「やいちゃんのAI総合案内」を使用しています。

また、AI総合案内はLINEでも使用可能です。

HPには「チャットボットができること・できないこと」について明記があります。
AIチャットボットが万能ではないこと、どのような点で便利なのかが一目で分かるようになることで、より効果的な使用が期待できると考えられます。


18.愛知県

豊田市のチャットボット
豊田市のチャットボット

愛知県では、住民の利便性の向上及び業務効率化を目的に、AI・ロボティクスを活用したシステムの導入、利用が推進されています。

2020年11月16日より39市町村でAIチャットボット「住民窓口Edia」の共同運用が開始されています。

「住民窓口Edia」は、住民対応の迅速化と住民サービス向上を図るため、24時間・365 日住民からの質問に対してAIが自動応答をして、自治体職員の業務の効率化と住民の利便性の向上を図ります。

運用開始している市町村

豊田市 一宮市 半田市 津島市 碧南市 刈谷市 安城市 西尾市 蒲郡市
犬山市 常滑市 江南市 新城市 東海市 大府市 知多市 尾張旭市
岩倉市 田原市 愛西市 清須市 北名古屋市 弥富市 みよし市 東郷町
豊山町 扶桑町 大治町 飛島村 東浦町 武豊町 幸田町
豊橋市 稲沢市 知立市 高浜市 あま市 長久手市 蟹江町

参考:
- 愛知県39市町村でAIチャットボット「住民窓口Edia」共同運用開始


近畿地方

19.大阪府

自動車税チャットボットの画像
自動車税チャットボットの画像

大阪府では自動車税に関するお問合せにホームページ上でお答えする「自動車税AIチャットボット」を導入しました。

ホームページだけではなく、LINEの公式アカウントからもアクセス可能で、ホームページを閲覧できる環境があれば、時間や場所に制限されることなくお知りになりたい情報を得ることができます。

参考:


20.兵庫県加東市

加東市のチャットボットの画面
加東市のチャットボットの画面

兵庫県加東市は、AIチャットボット「住民窓口+庁内用(職員向け)Edia」を導入しました。
住民票や戸籍、子育て、ごみの出し方などに関する問い合わせに、365日24時間対応できるこのシステムにより、パソコンやスマートフォンから気軽に問い合わせが可能となりました。

加東市はDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みを進めています。この一環として、市民サービスのオンライン化やデータ活用を行い、行政運営の効率化と市民の利便性向上を目指しています。

庁内用のチャットボットは職員向けに設計されており、簡単にアクセスできるため、職員が必要な情報に迅速にアクセスできます。
これにより、情報検索にかかる時間を節約し、生産性を向上させることができます。

また、職員が同じ質問に答える頻度が減るため、本来の業務に専念でき、休暇中や出張中でもチャットボットが対応することで業務の中断を防げます。

参考:
- 加東市AIチャットボット「住民窓口&庁内用(職員向け)Edia」を導入して頂きました


21.京都府京都市

軽自動車税チャットボット
軽自動車税チャットボット

京都府京都市では軽自動車税に関するお問合せに対して24時間365日、京都市広報キャラクターの「京乃つかさ」が自動応答機能により回答するチャットボットを導入しています。従来の汎用的なチャットボットでの対応が難しい場合、特化型のチャットボットが有用となります。

参考:


22.兵庫県神戸市

兵庫県神戸市 「新型コロナウイルス健康相談チャットボット」
兵庫県神戸市 「新型コロナウイルス健康相談チャットボット

兵庫県神戸市では2020年4月上旬に緊急事態宣言が発令されると、5月下旬には「新型コロナの健康相談チャットボット」をリリースしました。

WebサイトにPCやスマートフォンからアクセスすると「感染者と濃厚接触がありますか?」「渡航歴はありますか?」といった定型の質問が投げ掛けられ、それに「はい」「いいえ」と答えるだけで、適切な相談先や受診先を知ることができるようになっています。

参考:


中国・四国地方

23.徳島県鳴門市

徳島県鳴門市のHP
徳島県鳴門市のHP

徳島県鳴門市は、市民や訪問者の質問にオンラインで自動回答するAIチャットボット「にゃるひげ」の運用を開始しました。
このシステムは、暮らしや子育て、観光などの幅広いカテゴリーにわたる疑問に24時間対応し、英語、中国語、韓国語、ドイツ語といった多言語にも対応可能です。

利用者は市の公式サイトの右下に表示される市のキャラクター「にゃるひげ」をクリックしてアクセスし、具体的な質問を入力するか、よくある問い合わせ項目を選択すると、にゃるひげが関連する情報を提供します。

このチャットボットの導入によって、市民の利便性が向上し、同時に市職員の業務負担も軽減されることが期待されています。

参考:


24.高知県香美市

香美市のAIチャットボット画面
香美市のAIチャットボット画面

高知県香美市では、ICTの導入が進まず効率的な活用が課題となっています。この状況を踏まえ、香美市の行政事務に関するICT・IoTの効果検証と共に、AIチャットボット「住民窓口Edia」の導入提案が進められました。

高知工科大学の学生プロジェクトを通じて、ICT技術の活用手法を企画・提案し、市民サービスの向上を目指しています。
「住民窓口Edia」は24時間365日対応し、AIが自動応答することで、自治体職員の業務効率化と住民の利便性向上を図ります。

対象分野は新型コロナウイルス、引越し、福祉・生活支援、ゴミ、子育て、学校・教育、建設関係など広範囲にわたり、多言語対応も可能です。
学生たちは約3500項目の質問に対する回答を作成し、市の振興計画を基に重要な質問項目を設定しています。

香美市のAIチャットボットは住民に寄り添い、効率的かつ有益なサービス提供を目指して学習を続けています。

参考:


25.愛媛県

愛媛県のチャットボット画面
愛媛県のチャットボット画面

愛媛県では、移住促進と地域活性化の一環としてチャットボットの導入を行っています。
このチャットボットは、移住希望者が窓口時間外でも基本的な相談に対応できる自動会話プログラムです。

これにより、移住希望者と実際の移住コンシェルジュとの間でスムーズな橋渡しが行われ、相談件数および移住者数の増加が期待されています。

また、愛媛県では、デジタルマーケティングを活用した効果的な情報発信や、東京圏での大規模な移住フェアの実施など、デジタル技術を駆使した移住施策が展開されています。
これらの取り組みにより、移住者数は年間7254名と過去最高を記録しており、県全体として移住促進の成果が現れ始めています。

参考:
- 令和5年度の移住実績に関する記者発表の要旨について


26.島根県出雲市

出雲市のチャットボット
出雲市のチャットボット

島根県出雲市では 「子育て分野」の質問に24時間・365日自動応答するAIチャットボットを開始しています。
映画「神在月のこども」で主人公カンナを出雲に導く役目を果たす神使のウサギがチャットボットキャラクターになっており、縁結びの街ならではの可愛らしいデザインになっています。

参考:
- AIチャットボットはじめました!


九州・沖縄地方

27.福岡県

福岡県チャットボットの画像
福岡県チャットボットの画像

福岡県では、住民の利便性向上を目的にAIチャットボットを導入しています。このチャットボットは、31分野で整備されたFAQを基に、様々な質問に対してAIが自動応答する仕組みです。

AIチャットボットは運用初期には正確に回答できない場合もありますが、利用が進むにつれ学習し、より正確な回答を提供できるようになります。
また、総合案内として県の業務の担当部署も案内しています。今後もFAQの充実を図り、住民のニーズに応えていく予定です。

参考:


28.熊本県

住民窓口Ediaの画像
住民窓口Ediaの画像

熊本県庁では、市町村共同連携型のAIチャットボット「住民窓口Edia」を提供し、キャラクターには「くまモン」を使用しています。県民や市町村民がパソコンやスマートフォンから行政情報を対話形式で問い合わせることができ、AIが的確に情報を提供します。この導入により、職員の問い合わせ業務が軽減され、県民や市町村民の満足度や行政サービスの向上が図られます。

今回の連携利用自治体は、宇土市八代市小国町西原村で、コロナ/自動車税/パスポートなどの質問に対して連携して情報を提供しています

聞きなっせAI くまもとの子育ての画像
聞きなっせAI くまもとの子育ての画像 出典:熊本県 結婚・子育てサイトhapiモン

さらに、「聞きなっせAI くまもとの子育て」では、LINEの友だち登録をするだけで、県内の全ての市町村の情報が取得可能です。
位置情報を活用して、近くの子育て応援店を簡単に検索できる機能も備えています。これにより、子育ての孤立化を防ぎ、誰もが安心して子育てできる環境を提供しています。

参考:


29.佐賀県佐賀市

佐賀市のチャットボット画面
佐賀市のチャットボット画面

佐賀県佐賀市では、行政サービスの手続きや制度に関する問い合わせにAI(人工知能)が自動で回答する「AIスタッフ総合案内サービス」を開始しました。
このサービスは、行政手続きやごみの分別など身近な疑問に答えるもので、Webからどなたでも利用できます。24時間利用できるチャット形式の案内サービスいつでも気軽にご利用できるのが強みです。

参考:


30.大分県別府市

別府市のごみ分別案内の使い方
別府市のごみ分別案内の使い方 出典:別府市

大分県別府市では別府市LINE公式アカウントで、チャットボット機能を活用しています。

市民にとって身近な「ごみの分別」について、品名をLINE上で入力すると自動応答する機能(ごみ分別案内)にAIが搭載され、回答率が向上しました。
外国人が多く住む大分県別府市では、質問と回答を英語で対応できるようにし、英語は当市職員による翻訳(ネイティブな英語表現)となっています。

LINEを活用した日本語および英語(ネイティブな英語翻訳)でのごみ分別案内は、全国初の試み(別府市調べ)です。市民の利便性向上を目指し、「市民サービスのデジタルファースト」を推進しています。

参考:


31.沖縄県那覇市

那覇市のチャットボット
那覇市のチャットボット

沖縄県那覇市ではAI(人工知能)を活用したAIチャットボットの有用性を検証するため、業者が無償で
提供する3か月の試行期間を活用した後、本格的なAIチャットボットを導入しています。
34分野の問い合わせに対応位しており、市民サービスの拡充と利便性向上を図るとともに、職員の業務負担を減らす効果が期待されています。

参考:


自治体チャットボットの重要な役割と利点

チャットボットの種類
チャットボットの種類”

チャットボットは、人工知能(AI)や自然言語処理(NLP)技術を活用して、人間のユーザーとリアルタイムでテキストベースまたは音声ベースの対話を行うプログラムです。
初期のチャットボットは単純なルールベースの応答システムから始まりましたが、近年は機械学習と大規模データの解析能力を組み合わせることで、より複雑なユーザーの質問に対応できるように進化しています。

これにより、ユーザーからの自然な言葉遣いに柔軟に対応し、人間らしい会話を実現することが可能になりました。

では、実際にチャットボットを自治体に導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか?以下で詳しく解説していきます。

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自治体におけるチャットボットのメリット

  1. 業務効率の向上
    チャットボットは24時間365日対応可能であり、行政窓口の問い合わせ対応を自動化することで、職員の業務負担を軽減します。これにより、職員はより重要な業務に集中することができ、行政運営の効率化が図れます。

  2. 市民サービスの向上
    市民は時間や場所に関係なく、チャットボットを通じて迅速に情報を得ることができます。特に、よくある質問や基本的な手続きに関する問い合わせに対して即時に回答を得られるため、市民の満足度が向上します。

  3. コスト削減
    チャットボットの導入により、電話対応や窓口対応の回数が減少し、人件費の削減が期待できます。また、チャットボットは一度導入すると維持コストが低く、長期的なコスト削減につながります。

  4. データの活用
    チャットボットはユーザーの問い合わせ内容をデータとして蓄積し、分析することが可能です。これにより、市民がどのような情報を求めているかを把握し、行政サービスの改善や新たな施策の策定に役立てることができます。

  5. 多言語対応
    チャットボットは多言語対応が可能であり、外国人住民や訪日外国人に対しても適切なサービスを提供することができます。これにより、多文化共生社会の実現に貢献します。

  6. 緊急時の対応
    災害時や緊急事態発生時には、チャットボットを通じて迅速かつ正確な情報を提供することができます。これにより、市民の安全を確保し、混乱を最小限に抑えることが可能です。


まとめ

この記事では、自治体におけるチャットボットの活用例を20個紹介しました。これには、幅広い質問に対応する汎用型チャットボットと、特定のトピックに特化した専用チャットボットの両方が含まれています。

自治体が導入するチャットボットには、設定できる質問の数に制限があるため、これら2種類のタイプが登場していると考えられます。また、一部の自治体ではGPTを使用したAIも導入され始めており、今後チャットボットがどのように普及していくかが注目されます。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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