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ChatGPTの学習データはいつまで?最新情報を取得する方法を解説

この記事のポイント

  • 本記事は、ChatGPTで2021年以降の最新情報を利用する方法を詳しく解説しています。
  • プラグイン機能を用いることで、最新のデータを取得しChatGPTに反映させることが可能です。
  • プラグイン機能の設定方法や、APIを利用した最新情報の取得方法について、具体的な手順を紹介しています。
  • 最新情報を活用したChatGPTの実践例を複数取り上げ、ビジネスや学習シーンでの応用アイデアを提供します。
  • ChatGPTの学習データの期間制限について理解を深めつつ、その制限を乗り越える方法を学ぶことができます。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

ChatGPTは、ビジネスや学習の場面で大きな可能性を秘めていますが、学習データの期間が2021年まで(GPT-3.5)に限定されているという課題があります。

そこで本記事では、プラグインやブラウジング機能を利用した最新データの取得方法についてわかりやすく解説します。また、最新情報を活用したChatGPTの実践例を複数取り上げ、日常業務やビジネスシーンでの応用アイデアを提供します。

さらに、ChatGPTの学習データの期間制限について理解を深めつつ、GPT-4とGPT-3.5の進化点や、他のAI言語モデルとの比較についても言及します。
これにより、読者の皆様がChatGPTをより効果的に活用するための知識とスキルを身につけていただけることを願っています。

ChatGPTの概要や活用例について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
➡️ChatGPTとは?今さら聞けない基礎知識を徹底解説!

ChatGPTの学習データの期間

ChatGPTの学習データには一定の期間制限があることを理解することが重要です。無料版(GPT-3.5)の学習データは2022年1月までの情報に限定されており、最新の出来事や情報については不足している可能性があります。

一方、有料版のChatGPT Plus(GPT-4)2023年4月までの情報を学習していますが、それ以降のデータは含まれていません。

無料版/有料版 学習データの期間
ChatGPT無料版(GPT-3.5) 2022年1月まで
ChatGPT Plus(GPT-4) 2023年4月まで

データのカットオフ画像
データのカットオフ画像 (参考:OpenAI)

無料版、有料版ともに最新データが反映されていないため、ユーザーは古い情報に基づいた回答を受け取るリスクがあります。

しかし、これは必ずしもChatGPTを使用する上での大きな障壁にはなりません。
ChatGPTの特性を踏まえつつ、外部の情報源と組み合わせることで、より正確で時宜に適った情報を得ることが可能です。


ChatGPTのプラグインを用いて最新のデータを取得する方法

ChatGPTは、プラグイン機能を通じて最新情報を取り入れることができます。
この機能により、ユーザーはインターネット上の情報にリアルタイムでアクセスし、ChatGPTの回答に最新のデータを反映させることができます。たとえば、最新の市場動向や学術論文を引用して、より深い分析を行うことが可能になります。

プラグイン機能
プラグイン機能

以下でプラグイン機能の使い方を解説します。

プラグイン機能を用いた最新情報の取り入れ方

ウェブ検索のプラグインを使用すれば、最新のニュース記事や学術論文、市場データといった情報を取り入れて、ChatGPTに基づいたより包括的な知識で回答を得ることが可能になります。

  1. チャットインターフェースでGPT-4を選び、Pluginsオプションを選択します。
    プラグイン機能1
    プラグイン機能1

  2. No plugins enabledと表示されている部分をクリックしてください。
    プラグイン機能2
    プラグイン機能2

  3. Plugin storeを選択すると、インストール可能なプラグインの一覧が表示されます。
    プラグイン機能3
    プラグイン機能3

  4. プラグインストアでは多様なプラグインが用意されており、必要なものを見つけてInstallをクリックすることで、選択したプラグインをインストールできます。
    プラグイン機能4
    プラグイン機能4

  5. インストール後、チャット画面でチェックマーク付きで表示されるのが、有効になっているプラグインです。
    プラグイン機能5
    プラグイン機能5

ブラウジング機能を利用して最新情報を取り入れる

ChatGPTは、ブラウジング機能を利用することで、2022年以降の最新情報にアクセスし、回答を提供することができます。

これにより、ChatGPTはユーザーの質問に対して、その時点での最新の情報を基に回答を生成することが可能になります。
ただし、ブラウジング機能を利用する際は、情報源の信頼性を確認し、得られた情報を適切に評価・検証することが重要です。

Microsoft Copilotを利用する

Microsoft Copilotは、Microsoftが提供する革新的なAIチャットツールです。
このツールはBing検索エンジンと連携しているため、リアルタイムのウェブ情報を活用して回答を生成することが可能です。
つまり、「ChatGPTの学習データの期間制限を超えて、2022年以降の最新情報を取り入れた回答を得ること」ができるのです。

さらに、ChatGPTの有料プランであるChatGPT Plusでしか利用できないGPT-4モデルを無料で利用可能です。
これにより、ユーザーは追加コストを気にすることなく、最先端のAI言語モデルの恩恵を受けることができます。

【関連記事】
GPT-4搭載!Microsoft Copilotとは?できることや料金をわかりやすく解説


ChatGPTの活用例

ChatGPTは、その自然言語処理の能力を活かして、多岐にわたる用途で利用されています。

特に、繰り返し行われるような単純なタスクをAIに任せることで、作業効率を向上させ、より創造的な作業に人間が注力できるようになります。

業務効率化

たとえば、ある企業ではChatGPTを活用して、頻繁に寄せられる顧客からの基本的な問い合わせに自動で対応するシステムを導入しました。その結果、サポートチームの負担が大幅に軽減され、より複雑な問題への対応や、顧客満足度の向上に注力できるようになったそうです。

また、ニールセン・ノーマン・グループの調査によると、AIを業務に用いることで66パーセントの生産性の向上が見られたという報告もあります。
この調査では、AIツールを使用したグループと使用しなかったグループの作業効率を比較し、AIを活用したグループの方が著しく生産性が高かったことが明らかになりました。

AI Improves Employee Productivity by 66%
AI Improves Employee Productivity by 66% (参考:AI Improves Employee Productivity by 66% Nielsen Norman Group)


AIツールを適切に導入し、業務プロセスに組み込むことで、従業員はより高度な問題解決に集中できるようになり、全体的な生産性の向上につながります。

専門領域での活用

医療、金融、教育といった特定の業界においても、ChatGPTは特定の専門性を要求される問い合わせや相談に使われています。

医療業界

上海科技大学、上海交通大学、およびUnited Imaging Intelligenceの研究者らによる論文「ChatCAD: Interactive Computer-Aided Diagnosis on Medical Image using Large Language Models」では、レントゲンなどの医療画像から自動診断した症状をChatGPTがチャット形式で伝えるシステムを提案しています。

研究のパイプライン
研究のパイプライン (参考:ChatCAD: Interactive Computer-Aided Diagnosis on Medical Image using Large Language Models)

このシステムでは、主に3つのネットワーク(画像分類、病変セグメンテーション、報告書生成)を使用して医療画像を分析し、その結果を基にChatGPTが診断報告書を作成します。
大規模言語モデルを用いることで、生成されたレポートの誤りを修正し、診断性能を16.42%向上させることができたと報告されています。

また、チャットベースで説明や医療アドバイスを提供できるため、専門知識がないユーザーでも理解しやすいという点が指摘されています。


上記で紹介した事例以外にも、ビジネスはもちろん、医療、金融、クリエイティブ産業など、様々な分野でChatGPTの活用が広がっています。
詳しくは以下の記事で50の活用事例を紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。

➡️ChatGPTの活用事例50選!企業や自治体、教育現場での例を徹底解説!


金融業界

生成AIは金融サービス分野の業務を自動化し、金融機関のデータ活用法に革新をもたらしています。現時点では、主に以下の3つの用途が主流となっています。

  • 対話型金融サービス
  • 金融データ分析
  • 合成データ生成

米国の大手証券会社である「モルガン・スタンレー」では、フィナンシャル・アドバイザーを支援するチャットボット「AI@Morgan Staney Assistant」をリリースしています。

Morgan Stanley AI
Morgan Stanley AI (参考:Morgan Stanley’s AI Assistant Marks New Era For Finance Sector


この社内向けに導入するチャットボットは、フィナンシャル・アドバイザー(FA)が、市場の最新状況や商品内容、社内手続き等を顧客に説明する際に参照できるツールです。
これにより、社内の専門家(エコノミストやストラテジスト、ファンド・マネージャー、業務エクスパートなど)の助言をいつでも受けられるデジタル体制を築いています。


教育業界

例えば、埼玉大学教育学部附属中学校では技術科の授業にChatGPTが用いられています。
この講義では生徒がロボットコンテストに参加するために、充電式電動ドライバーの動力伝達の仕組みを調べています。

埼玉大学教育学部附属中学校
埼玉大学教育学部附属中学校 (参考:ラーニングスケルトンAI®のコネクトシート上で、生成AIの活用 ChatGPTを活用した授業例


生徒は、コネクトシート上で、ChatGPTによる検索やネット上の画像や資料の貼り付けをし、それをもとに編集しながらシートをまとめていきます。そしてそのシートを自分の考え、調べの成果として先生に提出します。

教育業界におけるChatGPTや類似の言語モデルの活躍は、多岐にわたる可能性を秘めています。その他にも教育の質の向上、学習経験の個別化、そして教育資源へのアクセスの平等化に寄与することが期待されます。


ChatGPTと他のAI言語モデルの比較

また、人工知能における言語処理技術は急速に進化しており、様々なモデルが別々のユースケースに対応するために開発されています。

ChatGPTという特定のツールを理解することも重要ですが、他のAI言語モデルとどう異なるかを比べることで、どのツールが最適かの決定が可能になります。

ChatGPT ChatGPT Plus Gemini Copilot Copilot Pro
モデル GPT-3.5 GPT-4 Gemini Pro GPT-4ベース GPT-4ベース
アカウント ChatGPT ChatGPT Google Microsoft Microsoft
ストレージ 制限開 制限開 15GB 5GB 1TB
日本語 対応 対応 対応 対応 対応
生産性向上アプリケーション GPTs、DALL-Eなど Google Docsなど Microsoft 365 Apps Microsoft 365 Apps
価格 無料 20ドル(約3,000円)/月 無料 無料 3,200円/月

まとめ

この記事では最新のデータ活用法を学び、ChatGPTを始めとするAI技術をどのように自身のビジネスや学習に取り入れられるかのヒントを解説しました。
実際にChatGPTにアクセスし、あなた自身のクエリを投げかけてみましょう。また、OpenAIのコミュニティに参加して、他のユーザーと知識を共有し、さらなるインスピレーションを得ることも重要です。

技術の進化は日進月歩です。ChatGPTの今後のアップデートにも期待しつつ、現在利用可能なリソースを最大限に活用して、自身の業務や学習プロセスを革新してください。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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