この記事のポイント
- GitHubのセキュリティバグ報奨金プログラムは、2014年の設立以来、10年間で顕著な進化を遂げ、セキュリティ研究者たちに400万ドルを超える賞金を支払っています。
- 本プログラムはHackerOneへの移管やセーフハーバーの導入などを通じて、セキュリティ研究者の参加を促進し続けています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
GitHubセキュリティバグ報奨金プログラムがスタートしてから10年が経過し、多くの成果を挙げながら、セキュリティ領域での貢献を進めています。
2014年に設立されたこのプログラムは、GitHubのプラットフォームをより安全にすべく、セキュリティ研究者たちと協力を深め、2023年には400万ドルを超える賞金を支払うなど、顕著な進化を遂げてきました。
GitHubはこれからもセキュリティの強化を図りつつ、開発者コミュニティのイノベーションを支援するための取り組みを展開していく方針です。
GitHubバグ報奨金プログラムの10年間の進化
GitHubのバグ報奨金プログラムは、セキュリティ研究者との協力を通じてプラットフォームをより安全にするために始まりました。
2014年にスタートして以来、このプログラムは多くの進歩を遂げてきました。
特に2023年には、単一のバグ報告に対して75,000ドルという記録的な報奨金を支払い、総額で400万ドル以上をセキュリティ研究者に還元しています。
また、プログラムはHackerOneに移管され、より多くの研究者が参加しやすくなり、法的な保護を強化するセーフハーバーの導入も行われました。
提出されるバグ報告の数は急増しており、GitHubは研究者とのコミュニケーションを重視し、プログラムを拡大しています。
報奨金の最高額推移
報奨金総額の推移
GitHubのセキュリティコミュニティとの関わり
GitHubはセキュリティコミュニティと積極的に関わっており、プログラムの成功を支えています。
その一環として、チャリティ寄付のマッチングや、参加者に向けたスワッグストアの設立など、サポート体制を充実させています。
また、報奨金の支払いや報告に関するフィードバックへ迅速に対応し、コミュニケーションを向上させることで、トップテンにランクインするなどの評価を受けています。
GitHubはセキュリティイベントへの参加や、セキュリティチームのメンバーによる専門知識の共有を通じて、業界への貢献と透明性の向上を図っています。
GitHubのセキュリティへの取り組みと未来
GitHubはセキュリティを非常に重要視しており、プラットフォームの安全性向上に取り組んでいます。
特にユーザーデータの保護を最優先事項とし、新機能の導入やセキュリティの強化に努めています。
今後もバグ報奨金プログラムの改善を続け、トップコントリビューターへの特別なトレーニングを提供する予定です。
さらに、AIやデベロッパーエクスペリエンスの進歩を祝う「GitHub Universe 2024」イベントや、GitHub Copilotの無料トライアルのプロモーションなどを通じて、開発者コミュニティとのエンゲージメントを強化し、新しい求人情報も共有していくことで、セキュリティとイノベーションを推進していきます。
出典:Github