この記事のポイント
- Google DeepMindのGemma 2は高性能かつコスト効率に優れたAIモデルで、安全性や互換性にも配慮されています。
- 開発者は「Keras」や「Hugging Face」を使用し、Gemma 2のファインチューニングが可能で、その他のリソースも提供されています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
AIの新時代を切り開くGoogle DeepMindから、待望の最新AIモデル「Gemma 2」が発表されました。
この革新的なモデルは、従来のAIと比較して高性能でありながらコスト効率の優れた特長を持っており、9Bと27Bの2つのパラメータバージョンを提供します。
安全性や互換性にも注意を払いつつ、広範な問題解決のためのアクセス容易なツールとして設計されています。
本記事では、Gemma 2の特徴や開発者向けリソース、将来の展望について詳しく解説し、Googleのその他のAI関連発表にも触れていきます。AIに関する最新の技術とその影響を知りたい方にとって、必読の情報源となるでしょう。
Googleの最新AIモデル「Gemma 2」が登場
2024年、GoogleのAI部門であるDeepMindは、新しいAIモデル「Gemma 2」を発表しました。
このモデルは、前のバージョンよりも多くの機能が向上しており、コストを抑えながらも高性能を実現しています。
Gemma 2は、9B(90億)と27B(270億)という2種類のパラメータバージョンがあり、安全性や異なるハードウェアとの互換性にも配慮されています。
また、多様なプラットフォームを通じて簡単にアクセス可能なので、様々な問題を解決するためのツールとして幅広く使われることを目指しています。
開発者向けのリソースと将来の計画
GoogleはGemma 2を使いやすくするために、開発者が簡単に活用できるツールやリソースを提供しています。
たとえば、人気のある機械学習ツール「Keras」や「Hugging Face」でモデルのファインチューニングができます。
また、「Gemma Cookbook」や「Responsible Generative AI Toolkit」などのリソースも用意されており、開発者がGemma 2を効果的に活用できるよう支援しています。
さらに、Googleはテキスト透かし技術のリリース計画や、より強力な26億パラメータのGemma 2のバージョンを計画していることも発表しました。
Gemma 2のアクセスと利用可能性
Gemma 2は、Google AI StudioやKaggle、Hugging Faceなどのプラットフォームを通じて無料でアクセスできます。
一部のユーザーにはGoogle Cloudのクレジットが提供され、より多くの人がこのモデルを使ってみることができます。
Gemma 2には、効率的なファインチューニングや迅速な推論オプションなど、開発者に便利な機能が多数含まれており、高品質なAIアプリケーションの開発を支援します。
Googleのその他のAI関連発表
Gemma 2の発表と同時に、GoogleはAI関連のさまざまな新機能やサービスを発表しました。
たとえば、Google 翻訳には新たに110の言語が追加され、新しいAI駆動のクロスワードゲームが登場しています。
また、AIの適切な使用を促進するためのAI規制に関する原則を提案し、AI Essentialsという新しいコースを導入しました。
さらに、最新ニュースに関する知識をテストするクイズや、学術研究を支援するための新しいAcademic Research Awardsも発表されています。
これらの取り組みは、GoogleがAI技術の普及と適正な利用に力を入れていることを示しています。
出典:Google