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BBC micro:bitに革命をもたらすMicroCode:どこでもプログラミングが可能なツール

この記事のポイント

  • この記事は、BBC micro:bit向けに開発された携帯型プログラミングツール「MicroCode」について紹介しています。
  • MicroCodeはインターネット接続やコンピュータが不要で、屋外でもmicro:bitのプログラミングを可能にします。
  • 初心者でも使いやすい視覚的プログラミングモデル「Kodu」を採用しています。
  • 英国の学校での研究により、MicroCodeが教育における物理コンピューティングの可能性を拡大していることが実証されています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

プログラミング学習はもはや特定の場所や装置に縛られません。
「BBC micro:bit」に新たな可能性をもたらす携帯型プログラミングツール「MicroCode」が、2024年6月にMicrosoft Researchより発表されました。

このツールはインターネット環境やPCを必要とせず、どこでも手軽にmicro:bitのプログラミングが行える工夫がされています。
視覚的プログラミングを可能にする「Kodu」を採用し、小学生からプログラミング初心者に至るまで、誰もが直感的にコードを理解し、制作を楽しむことができます。
更に、イギリスの学校での実証研究が示すように、MicroCodeは屋外でのデータ収集や、様々な教科へのプログラミングの統合など、教育現場における物理コンピューティングの可能性を大きく広げています。

プログラミング教育を一新するこの画期的なツールについて、その展望と応用例をご紹介します。

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Microsoft Research、携帯型プログラミングツール「MicroCode」を発表

2024年6月18日、Microsoft ResearchとDeveloper Divisionのチームは、BBC micro:bit向けに開発された携帯型プログラミングツール「MicroCode」を発表しました。

この革新的なシステムは、インターネット接続やコンピューターが不要で、教室内外を問わずmicro:bitのプログラミングが可能になるという特徴を持っています。
特にmicro:bit V2に対応し、低コストで携帯可能なArcade shieldと組み合わせることで、実際に手に持ちながらプログラムの作成や編集が行えるようになります。

MicroCodeは、視覚的プログラミングモデル「Kodu」を使用し、若い子供や初心者でも簡単にプログラムを理解し、制作することができます。

このシステムの完全な統合により、一度プログラムがmicro:bit V2の永久メモリに保存されれば、デバイスが切断された後もプログラムは稼働し続け、再接続次第、編集を再開することが可能です。

micro:bit V2の画像
*micro:bit V2の実物。クレジットカードの約半分のサイズ。

MicroCode、英国の学校での効果を実証

Lancaster Universityの教育研究者によるイギリスの学校での研究によると、MicroCodeは小学校レベルのmicro:bitベースの学習を有効にサポートし、子どもたちに積極的な関わりと自主性をもたらしました。
プログラムのリアルタイム更新を簡素化することで、屋外でのデータ収集を含む学習環境を広げることに貢献しています。

また、この革新的なツールは教師に物理コンピューティングをより広範なカリキュラムに統合するきっかけを与え、従来のコンピューティング教育の枠を超える動きを促しています。

MicroCodeは、Jacdacプラグアンドプレイシステムとの互換性を持ち、センサーやアクチュエーターなどの周辺機器の簡単な接続によって、環境変化の検出や様々なデバイスの制御が可能になります。

MicroCodeの展望と応用

MicroCodeは学校でのプログラミング環境を変革し、教室体験の向上に貢献しています。
将来的には、複数の教科にまたがる拡張可能なクリエイティブコンピューティングプラットフォームとしての地位を確立することを目指しています。

例えば、Lancaster Universityの学生によって開発されたMicroDataという新しいアプリケーションは、MicroCodeから派生しており、データサイエンスにフォーカスしています。

学生たちはMicroDataを使用して環境データの収集や化学反応の影響のリアルタイム評価などを行うことができ、プラットフォームの多様性やインタラクティブな学習体験を促進する潜在性を示しています。
MicroCodeはGitHubおよびMicrosoft MakeCode Arcadeで利用可能であり、シールドがないユーザー向けにウェブアプリバージョンも提供されています。

この研究はMicro:bit Educational Foundation、Microsoft MakeCodeチーム、Lancaster Universityの協力と貢献に感謝を表しています。

出典:Microsoft

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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