この記事のポイント
- この記事はGoogle.orgによるサイバーセキュリティ人材育成のための支援策に関して説明しています。
- Google.orgがアメリカのサイバーセキュリティ人材不足の問題解決のため500万ドルを追加投資して、総額を2500万ドルに増やしました。
- 新たに支援されるサイバーセキュリティクリニックは学生に実践的なスキルを提供し、多様な教育機関へのサービスも含まれています。
- サイバーセキュリティ分野の人材の多様化と地元組織へのサポート提供が目標です。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
サイバーセキュリティ人材の不足は、企業組織が直面する深刻な課題の一つです。
そこで、Google.orgがアメリカのこの問題に対処すべく新たな取り組みを発表しました。最新の投資により、Googleは教育プログラムへ500万ドルを追加し、総投資額を2500万ドルに増加させます。
この資金拠出は、実践的な経験を学生に提供し、また地域社会にサイバーセキュリティのサポートを拡充するため、2025年までに全米に25のサイバーセキュリティクリニックの設立あるいは支援を目的としています。
学生にメンターシップを行いつつ、多様性ある人材の育成にも注力することで、サイバーセキュリティ人材育成の輪を広げようという試みは画期的です。
この記事では、Google.orgの推進するプログラムの具体的な取り組みやその影響について解説していきます。
Google、サイバーセキュリティ人材育成に500万ドルを追加投資
2024年6月4日、Googleはアメリカのサイバーセキュリティ人材不足に対応するため、教育プログラムに500万ドルを追加投資することを発表しました。
この投資は、Google.orgを通じて行われ、総額を2500万ドルに引き上げます。
この資金は、2025年までに全国で25のサイバーセキュリティクリニックを支援するために使用されます。
これらのクリニックは、学生に実践的な経験を提供し、地元の組織がサイバー脅威から守るためのサポートを行います。
新たに設立される15のクリニックは、GoogleのボランティアからのメンターシップやTitanセキュリティキー、Googleキャリア証明書のサイバーセキュリティ分野の奨学金などを受けられるようになります。
Google.orgが新たなサイバーセキュリティクリニック基金の受給者を発表
サイバーセキュリティの専門家の不足を解消するため、Googleは昨年、Googleサイバーセキュリティクリニック基金を設立しました。
この基金は、アメリカの高等教育機関に対して、サイバーセキュリティクリニックを設立または拡張するための資金を提供するものです。
当初の目標は20のクリニックの支援でしたが、すでに10のクリニックが支援を受けています。
そして今回、何百もの応募を検討した結果、新たに15のクリニックが選ばれ、メンターシップや奨学金などの支援を受けることになりました。
これらのクリニックは、学生に実践的なスキルを提供することで、サイバーセキュリティの人材を育成し、地元の組織がサイバー攻撃から守るためのサポートを行います。
サイバーセキュリティ教育のアクセス向上と多様性の支援
Googleはサイバーセキュリティ教育をより多くの人が学べるようにすること、そして業界内での多様性を支援することにコミットしています。
新たに支援される15のクリニックは、伝統的な大学だけでなく、地方や都市部のコミュニティカレッジ、技術カレッジも含むさまざまな教育機関にサービスを提供します。
また、HBCU(黒人大学)、HSI(ヒスパニック系学生にサービスを提供する機関)、先住民サービス機関など、多様な学生が在籍する機関への支援も行われています。
これにより、サイバーセキュリティ分野の人材の多様化が促進され、より幅広いコミュニティにサービスを提供できるようになることが期待されます。
出典:Google