この記事のポイント
- この記事は、Windows 365の三周年を記念した最新アップデートについて述べています。
- GPU対応のクラウドPCやAI推奨機能などの新機能が導入され、業務の効率化が図られています。
- 内部リスク管理ツールの追加やCustomer Keyを使用したデータの暗号化など、セキュリティの強化が実施されています。
- クロスリージョン災害復旧機能の導入により、地域的な停電や災害に対する企業の対応力が向上しました。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
クラウドベースのデスクトップ環境を実現するWindows 365が、発表から三周年を迎えました。
新機能としては、クラウドPCのGPU対応、AIによるクラウドPC推奨機能の導入、統一されたWindows Appの提供が挙げられ、これにより企業は物理的な場所にとらわれずに効率的な業務遂行が可能となります。
また、これらのアップデートに伴い、セキュリティ面では従業員の活動を監視しリスクを特定する新たな内部リスク管理ツールの追加、Customer Keyによるデータ暗号化強化、クロスリージョン災害復旧機能の導入などが行われています。
マイクロソフト社が提供するこれらの最新機能を活用することで、企業のセキュリティリスクの低減と業務効率の大幅な向上が期待できるでしょう。
Windows 365の最新機能紹介
Windows 365は、クラウド上でWindowsを利用することができるサービスで、ユーザーがどこからでも自分のデスクトップ環境にアクセスできるように設計されています。
最新のアップデートでは、ユーザー体験の向上とセキュリティの強化、新機能の追加が行われました。
特に注目されるのは、新しいクラウドPCのGPU対応、AIを活用したクラウドPCの推奨機能、統一されたWindows Appの提供です。
クラウドPCの新しい安全対策
Windows 365は、クラウドPCのセキュリティを強化するために、新しい安全対策を導入しました。
例えば、従業員がクラウドPCにアクセスする際には、IT管理者が定義した再認証ポリシーに従って、セッションのタイムアウトやリモートロック画面などの機能が利用できます。
さらに、「Purview Insider Risk Management with Forensic Evidence」という機能を導入し、内部のリスクを管理するためのツールが追加されました。
この機能は、従業員の活動を監視し、リスクのある行動を特定して調査のための証拠を提供することができます。
データのセキュリティも強化されており、Customer Keyを利用した暗号化により、クラウドPCのデータを保存時と転送時の両方で暗号化することができます。
これにより、データの漏洩リスクが大幅に低減され、企業は自分たちのデータの完全な管理と所有権を持つことができます。
GPU対応のクラウドPC提供開始
Windows 365は、新たにGPU対応のクラウドPCの提供を開始しました。
GPU対応のクラウドPCは高い処理能力を持つため、これまで物理的な高性能PCが必要だった業務(グラフィックデザイン、3Dモデリング、ビデオレンダリングなど)もクラウドで行えるようになります。
GPU対応のクラウドPC
Windows 365で業務効率化を推進
新しいWindows App
Windows 365は、業務効率化を推進するためのさまざまなツールと機能を提供しています。
例えば、クラウドPCへのワンクリックアクセスを可能にする統一されたWindows Appを利用することで、ユーザーはどのデバイスからでも簡単にクラウドPCにアクセスできるようになります。。
また、AIを活用した推奨機能により、IT管理者は従業員の使用パターンやパフォーマンスニーズに基づいて最適なクラウドPCの構成を簡単に決定できます。
AIによるクラウドPCの推奨機能
さらに、Windows 365はセキュリティ対策も強化されており、データの保護やアクセス管理がしっかりと行われています。
クロスリージョン災害復旧機能追加
Windows 365は、新たにクロスリージョン災害復旧機能を追加しました。この機能により、企業は地域的な停電や災害に対して強力な保護を提供できます。
具体的には、クラウドPCの「スナップショット」を地理的に離れた場所に保存し、災害が発生した際にはそのスナップショットを利用して復旧することができます。
この機能は、管理者が簡単に設定できるようになっており、既存のレポートやワークフローに統合されています。
これにより、管理者は迅速かつ効率的に災害復旧を行うことができ、ビジネスの継続性を確保できます。また、データの損失リスクを低減し、予期しない中断に対しても迅速に対応できるようになります。
特に、多国籍企業や広範な地域で業務を行う企業にとって、この機能は非常に有益です。災害が発生しても業務が中断することなく、迅速に復旧できるため、ビジネスの信頼性と安定性が向上します。
これらの新機能により、Windows 365はさらに強力なクラウドPCソリューションとして進化を続けています。
出典:Microsoft