この記事のポイント
- この記事は中小企業における自前のAIツール導入の現状と戦略について述べています。
- 「BYOAI(Bring Your Own AI)」と呼ばれる現象では、従業員が自らAIツールを職場に持ち込んで生産性の向上を図っています。
- マイクロソフトはAIツールのCopilotやLinkedIn Learningを通じてAIスキルの向上を支援しています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
中小企業の労働環境において、自前のAIを積極的に取り入れる「BYOAI(Bring Your Own AI)」という現象が注目されています。
この記事では、従業員主導で進むAIツールの導入とその戦略展開について、2024年の労働動向指数をもとに掘り下げていきます。
従業員はAIスキルを自己のキャリアアップに有効であると感じており、企業側もそうした動きをサポートすることで、職場の生産性向上を目指しています。
AIを取り巻く最新のトレンドをお伝えし、ビジネスのあり方を見つめ直す一助となる内容をご提供します。
中小企業のBYOAIトレンド
中小企業では、従業員が自分たちでAIツールを仕事に取り入れる動きが広がっています。
これは「Bring Your Own AI(自前のAIを持ち込む)」(BYOAI)と呼ばれるトレンドです。
たとえば、マイクロソフト365に含まれるAIツール「Copilot」は、業務の効率を高めたり、顧客サービスの品質を向上させたりするのに役立っているのです。
中小企業のリーダーたちはAIについて明確な計画を持っていないことが多いですが、労働者はAIのスキルが自分の仕事のチャンスにつながると考えているのです。
だからこそ、企業は従業員の熱意を活かし、AIをうまく使えるようにサポートすることが大切なのです。
中小企業の従業員の80%がAIを仕事に活用
また、中小企業のリーダーのおよそ60%以上が「AIスキルのない人は雇わない」と答えており、中小企業の従業員の79%は「AIスキルがより多くの雇用機会を提供する」と答えています。
労働者主導のAI導入進行
労働者が中心となってAIを仕事に取り入れることは、仕事のやり方を変える大きな力になっています。
マイクロソフトの報告書によると、多くの中小企業では従業員が自らAIツールを使い始めており、これが「労働者主導のAI導入」と呼ばれています。
企業側は、従業員がAIを使ってより良い成果を出せるように、トレーニングリソースを提供したり、AIに熱心な人を「AIチャンピオン」として指名するなどの取り組みを始めています。
また、AIが会社のシステムやプライバシー基準と合っているかを確かめることも重要です。こうして、従業員のやる気と能力を最大限に活かすことが、企業にとってもメリットになるのです。
マイクロソフト、AI活用推進の詳しい内容
マイクロソフトは、中小企業がAIを上手に使えるようにさまざまな支援をしています。
例えば、CopilotのようなAIツールを提供するだけでなく、LinkedIn LearningでAIのスキルを学べるトレーニングプログラムも用意しています。
さらに、マイクロソフトクラウドソリューションパートナーと連携して、企業がAIを導入する際の支援を強化しています。
また、マイクロソフトのウェブサイトでは、AIに関する情報を提供し、訪問者がコメントを残す際にはプライバシーポリシーと利用規約を守るよう案内しています。
AIをビジネスに活かすための議論も行われており、Copilotの機能強化やマイクロソフトVivaを使ったAI変革などについて情報が共有されているのです。
出典:Microsoft