この記事のポイント
- ChatGPTの中文版の使い方やメリットを詳しく説明しています。
- 中国語圏のユーザーが自分の言語でChatGPTと円滑にやりとりできるように設計されています。
- 中国語の学習やビジネス文書作成の支援にも利用可能です。
- 料金プランは用途に合わせて選択できる複数のオプションがあります。
- 中国のAI規制に関する認識が必要であり、リスク管理に注意しなくてはなりません。
監修者プロフィール
坂本 将磨
AI導入で企業DXを推進する人| Microsoft AIパートナー|東工大修士(領域:NLP,金融工学)|NHK放送技術研究所(AI,ブロックチェーン)→シンガポールでweb3企業経営→LinkX Japan株式会社代表
その登場から幅広いユーザーに利用されているChatGPTですが、中文版も提供されていることはご存知でしょうか。 日常会話から専門的な内容まで幅広く対応し、簡体字・繁体字の両方で利用することができます。中国語圏のユーザーはもちろん、中国語を学習中の方にもおすすめです。
本記事では、アカウントの設定から中文プロンプトの入力、フィルタリングの活用方法、料金プランの選択など具体的なステップに加えて、生じうるリスクとその対策も説明しております。また、ChatGPT中文版と他の中国版AIツールとの比較も行い、使いどころや独自の特色を解き明かしています。
最新モデル、OpenAI o1(o1-preview)について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください⬇️
OpenAI o1(ChatGPT o1)とは?その特徴や使い方、料金体系を徹底解説!
目次
ChatGPTの中文版とは
ChatGPTの中文版は、AIによって生成された自然な中文文章でユーザーと対話できるサービスです。機械学習技術に基づいており、大量の中文データを学習することで、質問に対して適切な中文で回答を生成することができます。
中国語圏のユーザーにとって、母国語で気軽にChatGPTを利用できるのは大きなメリットです。日常会話から専門的な知識まで、幅広い事柄について中国語で質問し、中国語で回答を得ることができます。
また、ChatGPTの基本的な仕組みは英語版と同じですが、学習データセットの違いから中文版は中国語特有の表現や言い回しを理解しており、簡体字と繁体字の両方に対応しています。
ChatGPT中文版の使い方
ChatGPTの中文版を上手に利用するには、以下の点に注意が必要です。
-中国では、「生成人工知能サービス管理暫定弁法」というAIに関しての法律を2023年8月に施行しています。そのため、中国の生成AIを活用する際はそのリスクを理解し、注意しながら利用する必要があります。
-中文の利用だけであればChatGPTでも利用が可能です。中文の勉強の用途であればその手法もおすすめです。
中文でのプロンプト例
アカウントの設定
まずは公式サイトからアカウントを作成します。アカウント作成時、簡体字か繁体字のどちらで対話するかを選択できます。
有名な文心一言はiosアプリからも利用が可能です。
PCからの登録画面は以下のような画面から登録すると利用が可能です。
中文のプロンプトを入力
次にプロンプト入力欄に、中文の質問や要求を入力します。「早上好,請問現在北京時間幾點?」のように自然な日常会話の中文を入力すると良いでしょう。
シナリオに合わせてフィルタリング
ChatGPTには産業用途に応じたフィルタリング機能があります。例えば学術論文の作成支援なら「学术风格」、ビジネス文書作成なら「商务风格」を選択しましょう。
機能と料金からプランを選択
標準プランの他に、プロンプト文字数が多いプレミアムプランもあります。商用利用の場合は料金も確認し、用途に合ったプランを選ぶ事をおすすめします。
ChatGPT中文版の価格
ChatGPTの中文版は以下のようなプランと料金設定です。
- 標準プラン: 毎月42元
- プレミアムプラン: 毎月240元
- ビジネスプラン: 企業向けのカスタマイズプラン
プレミアムプランは、1回の入力文字数が4000字から1万字と多く、商用利用に向いています。ビジネスプランはAPI利用など大規模な導入を想定したプランとなっています。
ChatGPT中文版のレビュー
ChatGPTの中文版には以下のような意見が寄せられています。
- プロンプトに合わせた適切な回答が得られる
- 論文執筆や学術研究に大いに役立つ
- 商業文書の自動生成がサクサクできるようになった
- 表現能力に幅がある反面、常識外れの回答もある
- 長文の生成能力に改善の余地がある
全体としては、日常会話からビジネスシーンまで幅広く中文で利用できる点が高く評価されています。一方で常識的な判断力に課題があるとの指摘もあり、今後の改善が期待されます。
ChatGPT以外の中文利用可能なAIツール
ChatGPTに対抗する中文版AIツールとして、以下が挙げられます。
会社名 | サービス名 | 備考 |
---|---|---|
百度 (Baidu) | 文心一言 (ERNIE Bot) | ChatGPTに挑戦するために生み出された。このシステムは、言語の理解と生成、さらにテキストベースの画像作成など多岐にわたる機能を持っている。 |
阿里 (Alibaba) | 通義千問 (Tongyi Qianwen) | ユーザの要求に応じて記事や詩の生成が可能。アウトライン作成や賛辞の探索、料理レシピの提供、様々なスタイルでの文章作成を行う。この技術は近い将来、アリババのビジネスライン全体に統合され、顧客体験の向上を目指す。 |
騰訊 (Tencent) | 混元助手 (HunyuanAide) | 太極の機械学習プラットフォームと協力して、入力された画像やテキストに基づいた高品質な画像コンテンツを迅速かつ柔軟に生成するAI画像生成および編集技術「騰訊云AI絵画」を提供している。 |
華為 (Huawei) | 盤古 (Pangu) | 業界特化型のAIモデルであり、自然言語処理、マルチモーダル、コンピュータービジョン、予測分析、科学計算の基本モデルを統合。政府、金融、製造、鉱業など様々な分野向けにカスタマイズされたAIモデルを提供。 |
科大訊飛 (iFlytek) | 星火 (SparkDesk) | 数学の計算、テキスト生成、知識ベースの質疑応答ができる。中国語理解においてChatGPTを超え、英語でも同等の性能を目指している。中国市場でChatGPTと同等と評されるサービス。 |
商湯 (SenseTime) | 日日新 (SenseNova) | 画像生成から自然言語の生成、視覚認識の汎用サービス、データラベリングまでをカバーする多用途かつ柔軟なAPIとサービスを展開している。 |
これらは語学学習から生活アドバイスまで幅広く中文で対話できるのが特徴です。ChatGPTに比べ会話の文脈理解力が高い反面、柔軟な思考力ではやや劣るとされています。
まとめ
ChatGPTの登場はAI界に新時代をもたらしました。その影響力は中文圏にも確実に浸透しつつあります。今回は、簡単な設定方法から実用的な使い方、価格や競合他社の情報まで、ChatGPTの中文版について詳しく解説しました。中国語のみならず、世界中の言語でAIと対話できる時代が到来したのです。