金融および保険業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。金融および保険業界では、自社金融機関内業務の効率性の向上の事例が多く報告されています。また、セキュリティが非常に重要であるため、Azure OpenAIでセキュリティを確保している特徴があります。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例の概要】
大分銀行は、アンドドット株式会社と株式会社QTnetが共同開発した生成AIプラットフォーム「QT-GenAI」を実証利用し、業務の効率化と行員のAIリテラシー向上を目指しています。
この取り組みを通じて質の高い顧客サービス提供に努めることが期待されています。
【導入の背景】
大分銀行はお客様へのより良いサービス提供を求め、業務の効率化と生産性の向上に注力してきました。この流れの一環として、生成AIの活用が検討されることになりました。しかし、国内企業のデジタル化や生成AIの普及が遅れている現状があり、利便性やセキュリティ面での懸念が障壁となっていました。
【従来の課題】
お客様に質の高いサービスを提供するため、本部行員が日常的に行う文書作成や要約などの業務における時間的制約や生産性の限界が課題となりました。また、生成AIの導入にあたっては、活用イメージの不明確さや情報リスクへの懸念など、現場社員やIT担当者の不安を解消する必要がありました。
【解決策】
企業向けに生成AIソリューション事業を展開するアンドドット株式会社と、九州電力グループで電気通信事業等を運営する株式会社QTnetが共同開発した「QT-GenAI」を導入し、本部行員の業務支援ツールとして活用します。
「QT-GenAI」は、Microsoft社のAzure OpenAIとGoogle社の日本語版PaLM2の両プラットフォームを選択可能で、利用企業ごとの環境に応じたセキュリティ対策を講じることができます。
また、AIへの指示文(プロンプト)入力不要な「モード機能」や、社内での有効的な活用方法の共有機能など、利便性にも配慮されています。
さらに、導入企業の社員に対する直接のハンズオン研修により、業務への定着までサポートされます。
【効果と今後の展望】
「QT-GenAI」実証利用によって、文書作成や要約業務の効率化が見込まれるだけでなく、行員のAIリテラシーの向上も期待されています。これは顧客サービスの質をさらに高めるための重要なステップとなります。
また、行内データをAIに取り込み、追加チューニングすることにより、独自カスタマイズも実施される予定です。大分銀行は、この取り組みを通じて、生成AIを安全かつ効果的に活用し、事業の生産性向上と顧客満足度の向上を目指しています。