この記事のポイント
- 以下の内容に基づいて、記事の要点をわかりやすくまとめました。
- - 北陸銀行と北海道銀行で富士通株式会社の生成AIを活用した実証実験が開始されました。
- - 従来の銀行業務の課題を、富士通の「Fujitsu AI Platform」を用いて解決することを目指します。
- - 問い合わせ対応の迅速化、業務書類の高品質な生成、プログラム作成作業の効率化が期待されます。
- - 実証実験により、生成AI技術の導入が銀行業務の正確性と効率性の向上に寄与することが確認されました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
金融業界において新たな効率化の潮流として注目されている生成AI技術を活用し、地方銀行の業務改善を目指す動きが出始めています。この記事では、北陸銀行と北海道銀行を傘下に持つほくほくフィナンシャルグループが、富士通株式会社と手を組み、AI実証実験を開始した事例について紹介します。銀行業務におけるAIの具体的な活用方法や期待される効果に焦点を当て、煩雑な問い合わせ対応や業務書類の作成、システム開発等の課題解決につながるか検証を行っています。この記事を通じて、金融機関におけるAI導入の現状と可能性に迫ります。
金融および保険業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。金融および保険業界では、自社金融機関内業務の効率性の向上の事例が多く報告されています。また、セキュリティが非常に重要であるため、Azure OpenAIでセキュリティを確保している特徴があります。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
富士通×ほくほくフィナンシャルグループ
富士通株式会社は、株式会社ほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行および北海道銀行と共同でAI実証実験を開始しました。銀行内の問い合わせ対応や業務書類の作成、プログラムの作成に生成AIを活用します。
【導入の背景】
金融業界においては、文章や画像、プログラムコードなどを自動生成する生成AI技術が注目されています。特に銀行業務における生成AIの活用による効率化やアイデア創出が期待されている中、北陸銀行と北海道銀行ではこの技術の実効性を検証しようと計画されました。
【元々の課題】
従来、銀行業務は煩雑な問い合わせ対応や各種業務書類の作成、システム開発に関するプログラム作成など、多岐にわたる作業が発生し、スタッフの手作業に依存する局面が多く見受けられました。これらの業務を効率化し、精度を高めるための解決策が求められていました。
【解決策】
富士通が提供する対話型生成AIコアエンジン「Fujitsu AI Platform」を銀行業務に適用することで、問い合わせ対応の迅速化、業務書類の高品質な生成、プログラム作成作業の効率改善を図ります。このプラットフォームの導入により、設定や環境構築にかかる時間を省き、素早く実験を進めることが可能となります。
Fujitsu AI Platformの導入
【効果】
実証実験を通じて銀行業務の多くのプロセスにおいて生成AIの活用が可能との結論に至り、問い合わせ対応や文書作成の正確性と効率性が向上しました。また、これにより銀行側は作業時間の短縮およびアイデア創出の新たなツールを得ることができました。