この記事のポイント
- この記事は、大成建設の統合データプラットフォーム「Taisei DaaS」の導入事例について紹介しています。
- 中長期経営計画「TAISEI VISION 2030」の一環として、データのサイロ化を解消し、データドリブンな意思決定を図る取り組みが行われています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
創業から150年の歴史を持つ大成建設株式会社は、「TAISEI VISION 2030」という中長期経営計画のもと、ITとデジタル技術を駆使した企業変革を進めています。この記事では、同社が統合データプラットフォーム「Taisei DaaS」を導入し、データのサイロ化を解消することで、効率的なデータ管理や活用を実現し、建設業界におけるデータドリブンな意思決定を促進する取り組みについてご紹介します。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進における大成建設の挑戦と、それを支える技術の詳細をお伝えし、データ統合によって企業がどのように進化するのかを見ていきましょう。
建設・建築業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。建築・建設業界では、IoT機器・データとAIを活用した事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
大成建設の企業ロゴ
2023年、創業150周年を迎えた大成建設株式会社は、中長期経営計画の「TAISEI VISION 2030」の一環で、統合データプラットフォーム「Taisei DaaS」の建設を進めました。プロジェクトを通じてデータのサイロ化を解消し、社内から建設業界全体へとデータ活用の幅を広げつつ、データドリブンな意思決定を図る組織の実現を目指しています。
【導入の背景】
大成建設は、社内プロセスや建設業界、さらに社会をつなぐというDXの大きな目標の一環として、サイロ化された多数のシステムからの集約とデータ活用環境の改善に着手しました。統合されたデータプラットフォームによるビジネスプロセスの最適化とイノベーションの促進を目標として掲げました。
【元々の課題】
大成建設は、部門ごとに縦割りのシステムを運用し、効率的なデータの管理や活用が難しい状態にありました。各部門で同じようなデータ分析が重複して行われるムダや、建設ライフサイクル全体を視野に入れたデータ利用の困難さが課題となっていました。
【解決策】
具体的な解決策として、「Taisei DaaSプロジェクト」が立ち上げられ、Microsoft Azureを活用した統合データプラットフォームの構築が行われました。検討段階で富士通株式会社が関わり、PaaSを活用したデータ統合により、各データソースからデータを集約して分析・活用が可能となりました。
Taisei DaaSプロジェクトの全体図
【効果】
「Taisei DaaS」の構築により、前述の課題は大きく改善され、データの可視化と活用が進みました。全社的なデータ活用によって生まれる新たなアイデアや、データドリブンな意思決定を推進できる環境が整いました。