この記事のポイント
- 最先端の基盤モデルであるGemini 1.5 Proとコード生成モデルCodeGemmaが公開され、顧客のビジネス変革のサポートが期待されます。
- AI Hypercomputerアーキテクチャが強化され、TPU v5pの提供開始とともにGoogle独自のカスタムチップが発表されました。
- Google検索とAIワークロードの統合により、データ信頼性の向上と正確なアウトプットが実現しました。
- 新しいAIパワードのビデオ作成アプリVidsや、Google Meetに追加された翻訳キャプションサポートにより、クリエイティブな作業とコラボレーションが向上しました。
- Google WorkspaceプランにAI機能とセキュリティ機能が追加され、通信とセキュリティの強化が期待されます。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
Google Cloud Next '24で発表された最新アップデートについて紹介いたします。
今回のイベントでは、Gemini 1.5 Proという最先端の基盤モデルが公開され、同時にコード生成モデルCodeGemmaも追加されました。AI Hypercomputerアーキテクチャへの強化、TPU v5pの一般提供開始、そして新型のカスタムチップといった技術革新が発表され、AI開発の簡素化と効率化が期待されます。
さらにGoogle検索とAIワークロードの統合、Google WorkspaceとMeetに追加された新機能など、データ信頼性の向上や多言語対応が強化されるなど、実業務でも使いやすい環境が作られつつあります。
企業が最新技術を最大限に活用し、ビジネスを加速させるための多岐にわたるアップデートが提供されています。
Google Cloud Next '24で発表されたGemini 1.5 ProとCodeGemma
2024年2月8日、GoogleはGoogle Cloud Next '24でGemini 1.5 Proを発表しました。
Gemini 1.5 Proは、Googleがこれまでに開発した中で最もパワフルな基盤モデルで、公開プレビュー段階としてVertex AIを介してGoogle Cloudの顧客に利用可能になりました。
これは、ユーザーはテキスト、オーディオ、ビデオ、コードなど、様々なコンテンツフォーマットを一つのウィンドウから処理できるという多様な機能を持ちます。
さらに、Gemmaファミリーに属する新しいモデルであるCodeGemmaもVertex AIに追加されました。これらの発展は、企業がビジネス変革を加速するために最新技術を活用するのに役立つでしょう。
CodeGemma (参考:Kaggle
AI Hypercomputerアーキテクチャとカスタムチップの進化
Googleは、AI Hypercomputerアーキテクチャにさらなる強化を施し、開発者と企業がAI開発を簡単かつ効率的に行えるようにしました。
このアーキテクチャは、TPU、GPU、AIソフトウェアなどを組み合わせており、開発者の生産性と効率を大幅に向上させます。また、TPU v5pが一般向けに利用可能になり、新しいArmベースのAxion CPUチップがGoogle独自のカスタムシリコンとして発表されました。
これにより、パフォーマンスとエネルギー使用の最大化が期待されます。
参考:Google)
データの信頼性向上とGoogle Searchとの連携
AIを構築するためには、データがアクセスしやすく、整理され、何よりも信頼性がある必要があります。
Googleは今回、AIワークロードをGoogle検索と「接続」することを可能にし、より正確なアウトプットを実現しました。
google検索とAIワークロードの統合
Google Cloud向けGeminiには、コードの作成と分析を支援するCode Assist、運用と保守プロセスを自動化するCloud Assist、セキュリティやデータベース、分析オファリングへのAI機能強化など、クラウド上での構築と開発を容易にするAIパワード機能が多数追加されました。
クリエイティブな作業とコラボレーションの向上
Google Cloud Next '24では、チームが日々依存しているツールを最大限活用するためのアップデートが数多く共有されました。
特に注目すべきは、Vidsという新しいAIパワードのビデオ作成アプリの発表で、Google Docs、Sheets、Slidesなどのツールと並んで活用されます。
Vidsの使用画面
また、Google Meetの「Translate for me」機能に52の新言語での翻訳キャプションサポートが追加され、合計で69言語をサポートするようになりました。
これにより、多言語でのコラボレーションがより容易になります。
Google Workspaceプランに追加された新しいAI機能とセキュリティ強化
Googleは、特定のWorkspaceサブスクリプションプランの顧客に対して、MeetとChatでの新しいAI機能とセキュリティ機能を提供し始めました。
これらの新機能は、ユーザー1人あたり月額10ドルの追加オプションとして提供され、選択されたWorkspaceプランを持つ顧客がAI機能をMeetとChatで利用できるようになります。
これにより、企業のコミュニケーションとセキュリティが一層強化されることが期待されます。
出典:Google