この記事のポイント
- この記事は、2024年のワシントン州立法の政策動向とマイクロソフトの社会貢献について述べています。
- 高等教育の資格取得を促進するための財政援助プログラムの対象期間を延長する法案が通過したことを報告しています。
- 交通インフラの発展を支えるために、SR-520橋のプロジェクト資金維持や高速鉄道計画への投資が行われました。
- クリーンエネルギーの推進として、伝統的な再生可能エネルギー源だけでなく新しい技術の探索を盛り込んだ法案が成立しました。
- 人工知能の責任ある使用を模索するAIタスクフォースの設立が決定され、マイクロソフトが専門知識を提供する予定であることが紹介されています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
ワシントン州の将来を占う2024年の重要な政策動向に関し、マイクロソフトがどのように社会に貢献し、どの分野に注目しているのかを解説します。
教育の質の向上、交通インフラの発展、クリーンエネルギーへの転換、そして人工知能の責任ある使用という、4つの重要なテーマを通じてワシントン州の未来を形作る取り組みが進められています。
特に教育では資格取得支援が強化され、交通では大規模プロジェクトへの投資がなされ、エネルギーでは新たなエネルギー源の探求が進むなど、地域の持続可能な発展への道筋が開かれつつあります。
教育とスキリング:ワシントン州の未来を強化
ワシントン州の教育システムは、将来を見据えて大きく進化しようとしています。特に技術や医療といった分野で増えるであろう仕事に対応するため、高等教育の資格を持つ人材を増やすことが求められています。
しかし、現実には高校卒業生の約40%しか26歳までに高等教育の資格を得ておらず、これを改善するための戦略が不可欠です。この点に注目し、2024年のワシントン州立法では、学生が学校、仕事、家族の義務をバランスさせながら資格を取得できるようサポートするため、州支援の財政援助プログラムの対象期間を延長する法案(SB 5904)が通過しました。
これにより、より多くの学生が必要なスキルと資格を得ることができるようになり、州の将来にとっても有益な結果をもたらすことが期待されます。
人々と商品の移動:交通インフラの改善
交通システムの改善は、ワシントン州の経済発展に欠かせない要素です。2024年の立法会期では、SR-520橋の回廊プロジェクトの資金維持や高速鉄道計画への投資など、交通インフラの発展に向けた決定が行われました。
これらのプロジェクトは、州全体の移動の効率化を促進し、経済の活性化に寄与することが期待されています。今後も、交通インフラのさらなる改善に向けた議論と投資が求められています。
Move Ahead Washingtonプロジェクト (参考:TransportationChoice)
クリーンエネルギー:持続可能な発展の推進
クリーンエネルギーへの移行は、ワシントン州が直面する重要な課題の一つです。立法会期中には、伝統的な再生可能エネルギー源だけでなく、原子力や核融合といった新たなエネルギー源の潜在力を調査する「すべてを含む」アプローチを推進する法案(HB 1924)が通過しました。
この法案の成立により、州のクリーンエネルギー計画に新たなテクノロジーが取り込まれることで、環境への影響を減らしつつエネルギー源の安定供給が期待されます。
Microsoftによるクリーンエネルギーへのアプローチ (参考Microsoft)*
人工知能:未来への責任ある取り組み
人工知能(AI)の発展は、ワシントン州においても重要な進歩とされています。AI技術の積極的な活用と誤用を防ぐための規範作りが求められており、2024年の立法会期では、その責任ある使用に向けたAIタスクフォースの創設が決定されました。
このタスクフォースは、公務員だけでなくビジネス界や技術セクターの代表者も含め、AI技術の可能性とリスクを検討することになります。
マイクロソフトはこのタスクフォースの審議を通じて、AIの責任ある使用を提唱するリーダーとして、その専門知識を提供する準備ができています。
Microsoftの基本原則:責任あるAI (参考:Microsoft)
出典:Microsoft