この記事のポイント
- この記事はCOMPUTEXでのNVIDIAのCEOジェンセン・ファン氏の基調講演について紹介しています。
- エネルギー効率とコスト削減に貢献する新しいGPU、ArmベースのCPU、高性能なネットワーキングソリューションの計画が明らかにされました。
- AIを活用した新しい産業革命へのビジョンが語られ、特にAI駆動の工場やシステムが中心になると強調されました。
- NVIDIAの製品は消費者の体験を向上させることを目指し、WindowsアプリやOmniverse、Isaacなどを通じて産業のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
- 台湾とのパートナーシップの重要性が強調され、ロボティクスや産業向けソリューションにおける技術革新が示されました。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
COMPUTEXでのジェンセン・ファン氏の基調講演で、NVIDIAの未来への野心が明らかになりました。
加速コンピューティングがもたらす可能性とイノベーション、エネルギー効率への影響に焦点を当てる彼の話は、技術革新への道筋を示しました。
また、NVIDIAのAIとネットワーキングの進化、消費者体験の向上にも注目が集まり、ロボティクスや産業向けソリューションを提供するNVIDIAの未来像と、台湾との強固なパートナーシップが語られています。
NVIDIA CEOジェンセン・ファン氏の基調講演:加速コンピューティングの可能性
台北で開催されたCOMPUTEXで、NVIDIAのCEOジェンセン・ファン氏は、加速コンピューティングの重要性とそのイノベーション、エネルギー効率への影響について力強く語りました。
彼は、新しいGPU(ルビン・プラットフォーム)、ArmベースのCPU(ベラ)、そして先進的なネットワーキングソリューションを含むNVIDIAの未来の計画を発表し、これらの技術がどのようにしてワットあたりのパフォーマンスを向上させ、コストとエネルギーの使用を削減するかを説明しました。
また、AI駆動の工場やシステムを中心とした新産業革命へのビジョンにおいて、NVIDIAの技術が中心的な役割を果たすと述べました。
NVIDIAのAIとネットワーキングの進化
NVIDIAはAIとネットワーキングの分野で大きな進歩を遂げ、AMDやインテルとの協力のもと、MGXアーキテクチャの開発を進めています。
また、Spectrum-Xという高性能なAIイーサネットソリューションの導入により、推論マイクロサービスプラットフォームが提供され、開発者がジェネレーティブAIアプリケーションを容易に作成できるようになりました。
これにより、多くの分野でNVIDIAの技術が採用されています。
消費者体験の向上を目指すNVIDIA
NVIDIAはカスタマー向けの製品も展開しており、RTX AIノートパソコンやAIを強化したアプリ、ゲームを通じて、消費者の体験を向上させています。
マイクロソフトと協力してWindowsアプリにジェネレーティブAIを組み込む取り組みを進める一方で、OmniverseやIsaacといった技術を通じて自律運転やデジタルツインのためのロボティクス、産業のデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
AIアシスタント搭載のPC
NVIDIAのロボティクスと産業向けソリューション
NVIDIAのIsaacプラットフォームは、賢いロボットの開発を支援しており、Jetson OrinやThorといったスーパーコンピューターを利用しています。
これにより、工場や倉庫の効率が大幅に向上しています。
また、NVIDIA AI Enterpriseは、医療技術など規制業界向けのエッジAIをIGXプラットフォーム上で提供しており、これらの進化した技術は業界全体の効率化に貢献しています。
ファン氏は、これらの技術革新における台湾とのパートナーシップの重要性も強調しました。
ロボティスク事業への展開
出典:NVIDIA