この記事のポイント
- この記事は、CrowdStrikeのアップデートによって引き起こされた850万台のWindowsデバイスの障害への対応について述べています。
- Microsoftは、他のクラウド提供者と協力して、迅速な復旧を支援しました。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
クラウド時代の危機管理の実例となったインシデントがありました。 2024年7月18日、サイバーセキュリティ大手CrowdStrikeのアップデートが原因で、世界中に850万台のWindowsデバイスが障害を受け、経済や社会に甚大な影響を与えた一件です。
Microsoftはクラウドプロバイダーとして、CrowdStrikeや他の大手クラウドサービスとも協力し、迅速に対応。技術的なガイダンス、専門家による支援、そしてAzureステータスダッシュボードを利用して情報提供を行い、復旧作業に大きく貢献しました。
本記事では、このインシデントを通じて浮き彫りになったクラウド時代の課題と、今後の対策について深掘りしていきます。
CrowdStrikeアップデートが引き起こすグローバルな混乱
2024年7月18日、サイバーセキュリティ会社CrowdStrikeが行ったソフトウェアアップデートが世界中のITシステムに大きな混乱をもたらしました。
このアップデートは、850万台のWindowsデバイスに影響を与え、1%未満のWindowsマシンに障害をもたらしましたが、その影響は極めて深刻でした。
多くの重要なサービスを提供する企業がCrowdStrikeを利用していたため、経済的および社会的な影響が広範囲に及んだのです。このインシデントは、テクノロジー業界の相互接続性と、安全な展開や災害復旧の重要性を浮き彫りにしました。
Microsoftの迅速な対応と協力
Microsoftは、このインシデントに関連していないにもかかわらず、クラウド時代の危機管理において中心的な役割を果たしました。
同社は、CrowdStrikeやGoogle Cloud Platform(GCP)、Amazon Web Services(AWS)などの他のクラウドプロバイダーと協力し、業界全体のインシデントへの対応を強化しました。
Microsoftは、数百人のエンジニアと専門家を配置し、技術的なガイダンスとサポートを提供、お客様に最新の情報を提供するために「Azureステータスダッシュボード」を利用しました。
このような対応が、システムの迅速な復旧につながったといえるでしょう。
Azureステータスダッシュボードの画面
今後の学びとクラウド時代の危機管理
この出来事は、クラウド時代における危機管理の教訓となりました。技術エコシステム全体で、安全な展開と災害復旧を優先し、存在するメカニズムを使用することの重要性が再確認されました。
Microsoftはこのセクター全体の協力とコラボレーションに感謝し、今後も学びと次のステップに関する最新の情報を提供していく姿勢を示しています。
このような共同作業と継続的なアップデートにより、テクノロジー業界はより効果的に学び、回復し、前進することができるのです。
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出典:Microsoft