AI総合研究所

マイクロソフトが開発したクラウドネイティブなKubernetesネットワーク監視プラットフォームRetinaをオープンソース化

この記事のポイント

  • マイクロソフトはKubernetesクラスター向けのクラウドネイティブ監視プラットフォーム「Retina」をオープンソース化しました。
  • RetinaはeBPF技術を利用し、アプリケーションの改変なしにネットワークの問題の監視やトラブルシューティングを支援します。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

コンテナネットワーキングの問題解決と監視を効率的に行いたい開発者や管理者の皆さまに朗報です。マイクロソフトは、Kubernetesクラスターにおけるネットワーク監視機能を向上させるために開発したクラウドネイティブな監視プラットフォーム「Retina」をオープンソース化しました。このツールは、プラットフォーム間の壁を取り除き、包括的なネットワーク監視機能を提供するとともに、トラブルシューティングを容易にすることを目的としています。eBPF技術を駆使し、アプリケーションを改変することなく貴重なネットワーク洞察を提供します。Microsoftの豊富なAKS運用経験から誕生したRetinaは、さまざまなユースケースに対応する柔軟なアーキテクチャを備え、クラウドエコシステム全体での観察可能性を高めることが期待されます。

thumbnail # デザインチームがまとめて画像挿入

Microsoft、Kubernetes向け新ツール「Retina」を公開

2024年3月19日、MicrosoftはKubernetesのネットワーク監視を改善するためのオープンソースプラットフォーム「Retina」を発表しました。Retinaは、Microsoft Azureのコンテナネットワーキングチームによって開発され、Kubernetesを利用するユーザー、管理者、開発者が、コンテナネットワークインターフェース(CNI)、オペレーティングシステム(OS)、クラウドに関わらず、Kubernetesのワークロードトラフィックを視覚化し、監視、デバッグ、分析することを可能にします。

eBPF(extended Berkley Packet Filter)技術を活用して、コンテナ化されたマイクロサービス間の相互作用を非侵襲的な方法で理解し、アプリケーション自体を変更することなく実用的なネットワークの洞察を提供することがRetinaの目的です。Retinaは、パケットのドロップや遅延などの問題を簡単な方法で観察し、トラブルシューティングするためのツールを開発者に提供します。

Retina

Retinaの機能と能力について

Retinaは、MicrosoftがAzure Kubernetes Service(AKS)で複数のコンテナネットワーキングサービスを管理する経験から生まれました。ネットワーク監視やKubernetesクラスターからのネットワークメトリクスおよびトレースの収集に関する重要なギャップを特定し、これらのギャップを埋めるために設計された最先端のソリューションです。Retinaは、Kubernetesネットワークの管理とサポートに関する複雑な課題に対処し、インフラストラクチャおよびサイト信頼性エンジニアにクラスターネットワーキングについて包括的な洞察を提供します。

プ高度に柔軟で拡張可能なフレームワークとして設計されており、あらゆるCNI、OS、クラウドプロバイダーとシームレスに連携することができます。また、RetinaはLinuxとWindowsのデータプレーンの両方をサポートしており、スケールしてもクラスターのメモリとCPUのフットプリントを最小限に保ちます。

Retinaの将来展望とコミュニティへの開放

MicrosoftはRetinaを初日からオープンソースでマルチクラウド対応として開始しました。これにより、Microsoft Azureだけでなく他のクラウドやオンプレミス環境でもうまく機能するソリューションを提供することを目指しています。Retinaをコミュニティに開放することで、Kubernetesネットワークの観察可能性に関する知識とビジョンをより広いクラウドネイティブエコシステムと共有し、他の開発者や組織との協力を通じて成長させることを望んでいます。

アーキテクチャの面では、データ収集の拡張性や他の監視システムやツールとの統合を可能にするエクスポーターの拡張性が最初から重要な要素であり、これによりRetinaはさまざまなユースケースや環境に適応する柔軟性を持つ強力なプラットフォームとなっています。

出典:https://azure.microsoft.com/en-us/blog/microsoft-open-sources-retina-a-cloud-native-container-networking-observability-platform/

AI活用のノウハウ集「AI総合研究所」サービスご紹介資料

「AI総合研究所 サービス紹介資料」は、AI導入のノウハウがないというお客様にも使いやすい最先端のAI導入ノウハウを知れる資料です。

資料ダウンロード
監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

関連記事

AI導入の最初の窓口。

お悩み・課題に合わせて活用方法をご案内いたします。
お気軽にお問合せください。

ご相談
お問い合わせは
こちら!