この記事のポイント
- この記事では、米政府がAI研究の強化のために高性能AIスーパーコンピュータ「DGX SuperPOD」を導入したことを説明しています。
- 米国内の大学でのAI教育がNVIDIAとのコラボレーションによって向上する見通しです。
- 米政府がAI技術の研究開発のために、NVIDIAのスーパーコンピュータ「DGX SuperPOD」の導入を決定しました。
- このコンピュータシステムは驚異的な1エクサフロップスの計算速度を有し、気候科学や医療、サイバーセキュリティなど様々な分野での研究を促進すると期待されます。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
AI技術の研究開発を一段と進めるために、米国政府はNVIDIAが提供するAIスーパーコンピュータ「DGX SuperPOD」を導入しました。
この高性能コンピューターシステムは、1エクサフロップスという驚異の計算速度を実現し、気候科学からサイバーセキュリティに至るまでの多岐にわたる分野でAI研究を加速することが期待されています。
この記事では、米政府による高性能コンピューティングリソースの活用、AI教育の向上への影響、そして世界的なAI人材不足への取り組みなど、これらの先進的動向について詳しく解説していきます。
アメリカをはじめとする世界各国でのAI技術の発展と、それに伴う人材育成が如何に進んでいるか、最前線の情報をご提供いたします。
米政府、AI研究のために超高性能コンピューティングシステムを導入
米国政府は、AI技術の研究開発を推進するために、非常に高い計算能力を持つコンピューターシステムを導入しました。
このシステムはNVIDIAが提供するDGX SuperPODと呼ばれ、1エクサフロップスという驚異的な計算速度を実現しています。これは、1秒間に10の18乗回、つまり「1,000,000,000,000,000,000回」の計算を行うことができるということです。
その凄まじいパワーは、気候科学や医療、サイバーセキュリティなどの分野でのAI研究を飛躍的に進めることが期待されています。
この取り組みは、ジョー・バイデン大統領のAIに関する指示に基づいており、AIアプリケーションの開発を加速するために、各機関に高性能コンピューティングのリソースを提供することを目的としています。
DGX SuperPOD
NVIDIAとのコラボレーションで、大学のAI教育が飛躍的に向上
NVIDIAとのコラボレーションにより、米国内の大学でのAI教育が大きく向上する見込みです。
合計で1億1千万ドルという巨額の投資が行われ、この資金はAI技術の教育や研究のために使用されることになります。
また、日本においてもワシントン大学と筑波大学の提携や、NVIDEAと産総研(産業技術総合研究所)とのコラボレーションなど、日米AI研究の協力強化も進んでいます。
世界的なAI人材不足への対応
主要なAIスキル人材への需要は年々高まっています。
オックスフォード大学の発表によると、「2015年以降、米国の総雇用数に占めるAI人材の求人割合が五倍に増加した」とされています
NVIDIAの技術はすでに世界中で広く使用されており、AIの分野でのリーダー的存在です。
このパートナーシップは、学生たちが最新のAI技術を学び、実際の研究やアプリケーション開発に応用することを可能にし、次世代のAI専門家を育成する土壌を作り出すことでしょう。
教育機関と産業界の間のギャップを埋めることで、より実践的な学習が行える環境が整備されることが期待されます。
出典:NVIDEA