この記事のポイント
- この記事では、Googleフィンランドのデータセンターがハミナ市の地域暖房に貢献していることを紹介しています。
- データセンターの余熱を利用して地元の暖房ニーズの80%をカバーすることを目指しています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
テクノロジーの進化は、より持続可能な社会づくりに不可欠な要素です。
Googleがフィンランドのハミナ市にて開始した熱回収プロジェクトは、この道を切り開く画期的な試みと言えるでしょう。
データセンターから回収される熱を用いて、市の暖房需要の80%を賄うことを目指すこのプロジェクトは、97%カーボンフリーエネルギーで運営されているハミナデータセンターの余熱を効果的に利用します。
地元の家庭や公共施設へ暖房を提供し、環境持続性に貢献するこの取り組みは、Googleが掲げる2030年のカーボンフリー達成目標に向けた重要なステップです。
Googleフィンランドが地域暖房に革新をもたらす熱回収プロジェクト
2024年5月20日、Googleはフィンランドのハミナ市にあるデータセンターで、地域の暖房需要の80%を賄うことを目指す熱回収プロジェクトを開始しました。
このプロジェクトは、市営エネルギー供給会社Haminan Energiaとの協力により、環境への影響を減らしながら地域社会への暖房供給を行うものです。
Googleのハミナデータセンターは、97%がカーボンフリーエネルギーで運営されており、回収される熱も同様にカーボンフリーです。
これにより、データセンターから出る熱を地区暖房ネットワークに再利用し、地元の家庭や学校、公共サービス施設に暖房を提供することが可能になります。
データセンターの余熱で暖かく、環境にも優しい
Googleのハミナデータセンターから出る余熱は、これまで敷地内のオフィスや建物を暖房するのに使われていました。今後は地区暖房ネットワークへと送られ、地元の暖房需要を満たすために活用されます。
この取り組みは、エネルギー効率と炭素排出量の削減に貢献し、Googleが掲げる2030年までにカーボンフリーを実現する目標に向けた一歩となります。
フィンランドの厳しい冬において、データセンターの技術を活用して地域社会に対する持続可能な暖房ソリューションを提供することにより、環境持続可能性に対するGoogleのコミットメントが示されています。
データセンタの余熱を活用した暖房ソリューションの仕組み
地域社会への恩恵と未来への投資
この熱回収プロジェクトは、地元の地区暖房供給者に、名目上の年間料金1ユーロ+VATを除き無料で熱を提供することで、地域社会に恩恵をもたらします。
このプロジェクトは、環境負荷の低減だけでなく、技術革新を通じてフィンランドの持続可能な取り組みを支えるものです。
ハミナ市長のイラリ・ソーサル氏は、Googleとの長年にわたる関係を誇りとし、Googleが持続可能な未来を意識した企業であることを高く評価しています。
このプロジェクトにより、Googleは地域社会への投資を続けるとともに、より緑豊かな未来への道を切り開いています。
出典:Google