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Googleの堅調な成長とAI戦略の進展を発表-2024年第1四半期収益報告

この記事のポイント

  • Googleの2024年第1四半期の成果とAI戦略について解説しています。
  • 過去6年間でGoogleの収益が大幅に増加し、YouTubeとCloudサービスが好調であることが強調されています。
  • AIを検索システムに統合することでさらなる成長が期待されており、AI開発においても進捗しています。
  • 広告やクラウドサービス、新プランの導入による収益化戦略に取り組んでいます。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

Googleが2024年第1四半期の収益報告会で、Search、YouTube、Cloudサービスの好調を受けた堅調な成長を発表したことをお伝えします。

サンダー・ピチャイCEOは、過去6年で収益が3倍に増加し、カスタムTPUの採用やAIの進展によるクラウドの成長を強調。AIを検索システムに統合することでコスト削減とエンゲージメント向上が見込まれています。

さらに、広告やクラウドサービスなどを通じた収益化戦略や、従業員への感謝の言葉も述べました。詳細は本記事でご紹介しているので、Googleの最新動向をご覧ください。

Googleの堅調な成長とAI戦略の進捗

Googleは2024年4月25日に行われた収益報告会で、Search、YouTube、Cloudサービスの好調な結果を背景に、顕著な財務成長を達成したことを発表しました。

サンダー・ピチャイCEOによれば、過去6年間でGoogleの収益は1,000億ドルから3,000億ドル以上に増加し、今年末にはYouTubeとCloudサービスだけで年間収益が1,000億ドルに到達する見込みです。
このようにGoogleの経済状況は非常に好調であり、強固な財政基盤を築いています。

alphabet(google)第一四半期収益報告会
決算内訳 (参考:Alphabet Announces First Quarter 2024 Results)


また、同CEOはGoogleがAIに対してどのように取り組んでいるかについても言及しました。

第5世代のカスタムTPU(Tensor Processing Unit)の導入やインフラへの投資により、「クラウドの成長とAI開発が促進されている」こと、そして、「AIを検索システムに統合することで、コスト削減とユーザーエンゲージメントの向上が見込まれること」が強調されました。

Googleは2億人以上のユーザーを持つ6つの製品を通じて、AIイノベーションを世界に広めています。そのグローバルプレゼンスを活かし、Google DeepMindを含むモデル開発におけるリーダーシップを強化していることが報告されました。

さらに、広告、クラウドサービス、Google Oneの新しいAIプレミアムプランを含む様々な手段によって収益化戦略を進めていることが述べられました。
ピチャイCEOは、これらの成功を支えてくれた従業員たちへの感謝も忘れずに伝えました。

Geminiモデルの開発と応用

GoogleはAI分野でのリーダーシップを維持するため、Geminiと呼ばれる新しいAIモデルファミリーの開発を進めています。

2月にリリースされたGemini 1.5Proは、長期コンテキストの理解や、オーディオ、ビデオ、テキスト、コードなど多岐にわたるマルチモーダルな理解において大幅な性能向上を実現しました。

すでに多くの開発者や企がGemini 1.5を採用し、さまざまな用途に活用しています。Gemini以外にも、GemmaオープンモデルImagenビジュアルモデルなど、便利なモデルの構築が進められています。

これらの先進的なAIモデルは、Googleの最先端データセンターで専用ハードウェアを用いてトレーニングされ、提供されています。
18か月前と比較して100倍以上の効率を実現した新しいAIモデルとアルゴリズムの開発が、Googleの技術的優位性を支えています。

検索とその他の製品へのAIの統合

ジェネレーティブAIの登場は、ウェブ、モバイル、音声技術などに続く、検索体験を向上させる大きな技術シフトとなっています。
Googleは1年近くにわたりSearch Labsで「SGE(Search Generative Experience)」の実験を重ね、現在は++AIの概要をメインの検索結果ページに導入し始めています。

すでに何十億ものクエリがジェネレーティブAI機能で処理され、ユーザーは新しい情報へのアクセス、新しい質問の仕方、より複雑な質問への対応が可能になりました。
テストの結果、AIの概要を使用するユーザーの間で検索の使用が増加し、満足度が向上していることが確認されています。

組織改革とコスト効率化

Googleは組織構造の簡素化と意思決定の迅速化に取り組んでいます。
Google DeepMindでのモデル構築チームの結成、MLインフラストラクチャとML開発者チームの統合、検索チームの一本化、プラットフォームチームとデバイスチームの結成などにより、イノベーションとカスタマーエクスペリエンスの向上を図っています。

また、コストベースの永続的な再設計にも注力しており、その効果は営業利益率の改善に表れています。
人員の増加を管理し、チームを最優先事項に合わせることで、意思決定の迅速化、レイヤーの削減、適切な領域への投資を実現しています。

そして、Geminiモデルの新しいファミリーや新世代のTPUなどの技術的ブレークスルーにより、機械の速度と効率が向上しています。
SGEの導入以来、ハードウェア、エンジニアリング、技術的なブレークスルーにより、SGEの対応に関連するマシンコストは80%削減されました。

多様な収益化の道筋

Googleは、広告、クラウド、サブスクリプションを通じたAI収益化への明確な道筋を持っています。
新しいAI機能は広告主の支援に活用され、GoogleのクラウドビジネスはGoogleAIの優れた機能を世界中の企業や組織に提供しながら成長を続けています。

また、Google Oneの有料会員数は1億人を突破し、第1四半期にはGemini Advancedという新しいAIプレミアムプランが導入されました。

Googleは今後も、世界中の企業やパートナーのために革新的な製品、役立つサービス、新しい機会の構築に注力していきます。

出典:Google

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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