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ウィストロンがAIとNVIDIA Omniverseを活用して製造エネルギー効率を向上

この記事のポイント

  • この記事は、ウィストロンがAIとNVIDIA Omniverseを使って製造のエネルギー効率を向上させた内容を紹介しています。
  • 製品の品質テストに使用されるランインテスト室の運用をAIで最適化し、エネルギー消費を最大10%削減しました。
  • デジタルツイン技術とAIによるシミュレーション加速で、空気流のシミュレーションを15時間から3.6秒に短縮し、迅速な温度分布や熱挙動予測を可能にしています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

情報通信機器の生産においてエネルギー効率の向上が求められる中、ウィストロンがNVIDIAのAI技術とOmniverseプラットフォームを用いた取り組みで注目を集めています。

特にランインテスト室の運用最適化では、エネルギー消費量を最大10%削減する見込みがあるという成果が得られています。
デジタルツイン技術とAIによるシミュレーションの高速化など、今後の製造業での省エネ対策のモデルケースになり得るウィストロンの先進的アプローチを見ていきましょう。

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ウィストロンのAI省エネ戦略:製造業のエネルギー効率を向上

2024年6月2日、情報通信製品の大手サプライヤーであるウィストロンは、AIとNVIDIA Omniverseを活用して製造プロセスのエネルギー効率を大幅に改善しました。
特に注目されているのは、製品の信頼性や品質を確保するために必要不可欠な「ランインテスト室」の運用です。

ウィストロンは、NVIDIA DGXやNVIDIA HGX工場でのランインテスト室の最適化をAIによって実現し、エネルギー消費量を最大10%削減する見込みです。

デジタルツインのインタラクション
シュミレーションの様子:施設の作業員はローカルでタブレットを使用し、工場長はラップトップを介してリモートでタブレットにアクセス

デジタルツイン技術の活用とAIによるシミュレーションの高速化

ウィストロンは、OpenUSDを用いて、3Dモデリングのデータパイプラインを統一し、ワークフローを効率化しています。
3Dモデルは、エキスパートによってOpenUSD(3Dファイル用のフォーマット)でモデリングされ、チーム間でアセットの作成プロセスを標準化しています。

また、ウィストロンの開発者はAutodesk FlexSimシミュレーションソフトウェアとの連携を強化し、製造プロセスのシミュレーションと分析を行っています。

さらに、物理情報ネットワーク(PINN)を使用して、NVIDIA Modulusフレームワークを活用したAIモデルをデジタルツインプラットフォームに統合しました。

これにより、空気流シミュレーションを従来の15時間から3.6秒へと大幅に加速し、ランインテスト室内の温度分布や熱挙動を迅速かつ正確に予測する能力を得ています。

デジタルツインプラットフォームと物理施設の接続
デジタルツインプラットフォームと物理施設の接続

NVIDIA技術の採用とデジタルツインの構築

ウィストロンはNVIDIAの技術を採用し、ランインテスト室のデジタルツインを構築することで、工場運営の省エネ化を図っています。
NVIDIAはCOMPUTEXでウィストロンの技術進歩を認識し、AIを活用したデジタルツインを用いた工場運営のトレーニングラボをオンデマンドで提供しています。

また、ウィストロンは自動ストレージおよびリトリーバルシステム(ASRS)のためのレコメンデーションシステムを導入しています。

これにより、最適なテスト場所を特定して、熱リスクが最も少ない場所に新しいスーパーコンピューティングベースボードを自動的に配置できるようになりました。

出典:NVIDIA

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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