この記事のポイント
この記事はChatGPTの声の選定過程について紹介しています。- 400件以上の応募の中から、プロの声優や業界関係者の協力を得て5つの声が選ばれました。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域：自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
AIとの対話体験に革新をもたらす「ChatGPT」の声を担う俳優の選定には、5か月に及ぶ丁寧なプロセスがあったことをご存じでしょうか。
この記事ではその選考プロセスにスポットを当て、プロの声優からキャスティングディレクター、業界アドバイザーまでが関与した、厳選された5つの声「Breeze」、「Cove」、「Ember」、「Juniper」、「Sky」の選ばれる過程をご紹介します。
なぜ、これらの声が選ばれたのか、どのような基準が設けられたのか。
400件を超える応募の中から最終的に選ばれるまでの道のり、「GPT-4o」への新たな音声モード搭載に伴う期待感まで、AIとの対話をより豊かにするための努力と進化に迫ります。
ChatGPTの声の選定プロセス
ChatGPTの音声機能は、ユーザーに新しい対話方法を提供するために2023年9月に導入されました。
現在提供されているBreeze、Cove、Ember、Juniper、Skyの5つの声は、プロの声優、タレントエージェンシー、キャスティングディレクター、業界アドバイザーが関与する5か月にわたる広範なプロセスを通じて慎重に選択されました。
声優業界との協力と基準の作成
OpenAIは、クリエイティブコミュニティをサポートし、声優業界と緊密に協力して、適切な手順でChatGPTの声をキャストしました。
受賞歴のあるキャスティングディレクターやプロデューサーと提携して、多様性、時代を超越した魅力、信頼性、カリスマ性などの基準を作成しました。
400件以上の応募と最終選考
2023年5月、キャスティングエージェンシーとキャスティングディレクターがタレントを募集し、1週間足らずで声優や映画俳優から400件以上の応募がありました。
キャスティングチームは14人の俳優に絞り込み、OpenAIに提示しました。最終的に、人間とAIの音声インタラクションについて俳優と話し合い、OpenAIの社内チームがレビューした結果、5つの声が選ばれました。
新しい音声モードの登場
選ばれた俳優はサンフランシスコでレコーディングセッションを行い、2023年9月にChatGPTに声が公開されました。
今後数週間のうちに、ChatGPT Plusユーザーに向けたGPT-4oの新しい音声モードがアルファ版として提供される予定です。
GPT-4oは、より自然な対話、中断の処理、グループ会話の管理、バックグラウンドノイズの除去、トーンへの適応が可能です。
今後は、ユーザーの多様な興味や嗜好にマッチするために、さらに多くの音声オプションが導入される予定です。
出典:OpenAI
