ビジネス全般に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。日本では、ChatGPTの登場から生成AIを用いたシステム、Azureなどのセキュリティを高めた生成AI活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例の概要】
三井不動産株式会社は、全従業員約2,500人に自社特化型AIチャットツール「&Chat」の導入を行い、業務効率の大幅な向上を図っています。
このツールは、最新のAI技術「GPT-4」を活用し、多岐にわたる業務サポートが可能で、社内データとの連携も見据えた機能の拡張が行われています。
&Chatの会話画面
【導入の背景】
「VISION 2025」という長期経営方針のもと、三井不動産はテクノロジーを駆使した不動産業のイノベーションを掲げています。
不動産を「モノ」としてではなく、リアルとデジタルを掛け合わせて「サービス」として提供する"Real Estate as a Service"の実現を目指しており、その一環としてAIチャットツールの導入が進められました。
【従来の課題】
業務の効率化は多くの企業が直面する課題です。特に三井不動産のような大企業では、膨大なマニュアルの検索や情報の集約などが煩雑となりがちであり、業務の標準化や知識共有の困難さとともに、効率的な業務遂行への障壁となっていました。
【解決策】
自社開発のAIチャットツール「&Chat」を導入し、日々の業務サポートをAIに委ねることで、職場の生産性を高めることがこの課題の解決策です。
「&Chat」は、Azure OpenAI Serviceの最新バージョン『GPT-4』を用いており、セキュリティが担保された社内専用環境で利用可能です。
&chatによる社内データ活用
また、精度の高い回答を得るための汎用性の高いプロンプト集も導入されています。従業員は、文章の要約や翻訳、アイデア出しといった作業を「&Chat」により効率化することができます。
【効果と今後の展望】
「&Chat」の導入により、業務効率が大幅に改善されました。社内データと連携することでマニュアル検索の手間が減少し、お問い合わせ対応の品質向上にも寄与しています。
また、「全社プロンプトアイデアソン」の実施により、従業員の参画を促進し、自身の業務にAIを如何に活用するかのアイデア共有が促進されています。
今後は、社内データとの連携をさらに進め、業務時間の大幅な削減を目指すとともに、お客様向けサービスへの活用も視野に入れ、生成系AI活用によるお客様の体験価値向上にも取り組んでいくとのことです。
【出典】
三井不動産株式会社