この記事のポイント
- この記事は、ダイキン工業が実施しているデジタル人材の育成とDX推進の取り組みについて紹介しています。
- 「FUSION25」戦略の一環として、ダイキン情報技術大学を設立し、社内外でのデータ活用やAI技術の導入に力を入れています。
- 新入社員に限らず、既存社員や管理職に対してもプログラミングやAI技術の教育を行っており、デジタルスキルの全社的な向上を図っています。
- この教育プログラムにより、約1000人のデジタル技術に精通した社員が育成され、業務効率化やデータ活用の推進に貢献しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
ダイキン工業が直面する多様化する顧客ニーズや激化する市場競争に対応し、社内のデジタル技術力の向上を図るための取り組みに注力しています。その一環として「FUSION25」戦略を掲げ、デジタル人材の育成に全社を挙げて取り組んでおり、新入社員だけでなく既存社員への教育も実施。デジタル変革(DX)を推進するための戦略として、ダイキン情報技術大学を設立し、社内外でのデータ活用やAI技術を駆使した業務改革を推進する人材を育て上げています。本記事では、マイクロソフトが支援するこの人材育成とDX推進の詳細な取り組みについて、具体的な成果と共に詳しく解説していきます。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
株式会社ダイキン工業
株式会社ダイキン工業は、デジタル変革(DX)を推進するために、社内のデジタル人材育成に力を入れています。これは同社が掲げる「FUSION25」戦略の一環で、ダイキン情報技術大学を設立し、新入社員を中心に徹底的なデジタル技術教育を施しています。マイクロソフトもこの取り組みを支援しており、社内におけるAIやIoTなどのテクノロジーの理解と応用能力の向上を図っています。
【導入の背景】
ダイキン工業は、コロナ禍や気候変動、世界情勢の変化に直面し、顧客のニーズが多様化してきました。これに加えてグローバル化、デジタル化の進展により、新たな競合も増加しています。さらなる競争力の獲得と既存ビジネスの改革が求められ、社内のビジネスとデジタル技術の組み合わせが重要となってきたことから、デジタル人材の育成を優先して行う必要があると判断しました。
【元々の課題】
ダイキン工業が直面していた大きな課題は、高度なデジタル化が進む時代において、従来の製品開発や営業手法のみでは市場における競争力を維持することが困難になっていたことです。デジタル技術の急速な発展に対応するため、社内でデータ分析力やデジタル技術の活用力を持つ人材が不可欠となっていました。
【解決策】
解決策として、2017年にダイキン情報技術大学を開設し、毎年約100人の新入社員全員を対象に2年間のデジタル技術教育を施しました。学ぶ内容は、プログラミングやAI技術など専門的な知識から始まり、企業理解深めるための業務研修も含まれています。さらに既存社員や管理職にもAI教育を実施し、全社的なデジタルスキルの向上を目指しています。
【効果】
この取り組みにより、ダイキン工業は新入社員だけでなく既存社員も含めた約1000人のデジタル技術に精通した人材を育成しました。彼らは機械学習を用いた業務効率化ツールの開発や、社内外におけるデータ活用を推進するブリッジ役として活躍しています。さらに、実際の業務データを活用したデータ分析コンペも開催され、社内のデータ活用能力が高まっています。
ダイキン情報技術大学を開設