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NVIDIAのTensorRT 10.0が革新的なウェイトストリップAI推論エンジンを搭載、大幅なモデルサイズ削減を実現

この記事のポイント

  • この記事はNVIDIAのTensorRT 10.0に関する技術革新を紹介しています。
  • TensorRT 10.0はAIモデルのサイズを削減しながら推論性能を維持するウェイトストリップ機能を搭載しています。
  • 同ソフトウェアはONNX互換の推論エンジンを備えており、幅広いAIフレームワークとの互換性を持っています。
  • また、小型デバイスでの効率的なAI推論を実現し、リソースが限られた環境に革新をもたらすことで期待を集めています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

AIの推論性能とデバイスの省スペース化を両立したいというニーズに答えるため、NVIDIAが新たにTensorRT 10.0を発表しました。この記事では、NVIDIAのTensorRT 10.0が提供する革新的な「ウェイトストリップAI推論エンジン」機能について紹介しています。軽量ながら高性能なAIモデルを実現することで、特にリソースが限られた環境での使用に大きな変革をもたらし、スマートフォンやIoTデバイスなどでの応用が期待されています。さらに、TensorRT 10.0はONNX互換の推論エンジンを備え、様々なフレームワークからのモデル最適化を支援します。この先進的な技術がいかにしてAIモデルのサイズ削減とパフォーマンス維持を両立しているのか、その詳細を解説していきます。

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NVIDIA、TensorRT 10.0を発表

NVIDIAは、AIの推論性能を高めるための新しいソフトウェアTensorRT 10.0を発表しました。
TensorRT 10.0は、AIモデルを軽量化し、デバイス上での推論を効率的に行うことを可能にする技術で、特に小型デバイスやパワーに制約がある環境でのAIの使用を改善します。

この新バージョンは、大幅なモデルサイズ削減を実現しつつ、推論時のパフォーマンスを維持するという点が魅力です。
これにより、スマートフォンやIoTデバイスなど、限られたリソースしか持たないデバイスでも、高度なAI機能を活用することが可能になると期待されています。

AIモデル軽量化の新機能

TensorRT 10.0の特徴的な新機能は、AIモデルの軽量化です。AIモデルは通常、多くのデータを処理するため大きなサイズになりがちですが、TensorRT 10.0を使うと、モデルのサイズを大幅に削減することが可能です。

これは、特にメモリ容量が限られたデバイスでAIを動かす場合に大きな利点となります。
小さなモデルであっても、高い精度の推論結果を得ることができ、スマートフォンやドローン、ロボットなどの軽量デバイスでの利用が期待されています。

サイズが小さくなることで、データ転送の時間も短縮され、結果として推論速度の向上にも寄与します。

ウェイトストリップで効率化

TensorRT 10.0のウェイトストリップ機能は、AIモデルの効率化に大きく貢献します。ウェイトストリップとは、モデルのウェイト(重み)を削除してサイズを減らす技術です。

デバイスにモデルを配布する際にウェイトを取り除くことでファイルサイズを小さくし、実際にAIを動かす際には必要なウェイトを再度追加することで、モデルのパフォーマンスを保ちます。

これにより、AIモデルをデバイスにインストールする際の時間やネットワークリソースの節約になるだけでなく、デバイスのストレージ容量の節約にも繋がります。

ONNX互換の推論エンジン

ONNX(Open Neural Network Exchange)は、異なるAIフレームワーク間でモデルを共有するためのオープンフォーマットです。
TensorRT 10.0は、ONNXと互換性がある推論エンジンを提供します。これにより、TensorRTを利用して最適化されたモデルを、ONNXをサポートする様々なプラットフォームで簡単に利用することができます。

ONNX互換性によって、ユーザーは異なるフレームワークを使用して開発されたAIモデルをTensorRTで効率良く動かすことができるようになり、AI開発の柔軟性が大きく向上します。

小型化されたAI推論パフォーマンスの詳しい内容

NVIDIAのTensorRT 10.0は、小型化されたAI推論パフォーマンスにおいても大きな進歩を遂げています。
AIモデルのサイズを小さくしながらも、高速かつ高精度な推論を実現することで、エッジデバイスやモバイルデバイスでのAI応用が現実のものとなりつつあります。

この技術は、特にリアルタイムでの画像処理や音声認識、センサーデータの解析など、迅速な応答が求められる用途において、その価値を最大限に発揮します。

また、省電力運用が求められるデバイスにおいても、バッテリー寿命の延長に貢献する可能性があります。

出典:NVIDIA

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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