目次
AI x IoTビジネス共創ラボ 第1回勉強会開催レポート:企業のAI活用最前線を探る
『全社員に向けて生成AI活用を促進!~電通総研の生成AI活用ロードマップ~』
『Microsoft Ignite 2024 Update - AIとIoT関連の最新情報をどこよりも早く!』
『SONY AITRIOSによるAIエッジセンシングの新たな可能性』
AI x IoTビジネス共創ラボ 第1回勉強会開催レポート:企業のAI活用最前線を探る
企業におけるAIとIoT活用の実践例が次々と生まれている今、東京エレクトロンデバイスが幹事であり日本マイクロソフトが事務局を務めるAI x IoTビジネス共創ラボの第1回勉強会が開催されました(2024年11月26日)。
本勉強会は、現地参加とオンライン参加のハイブリッド形式で開催され、170名以上のご登録をいただき、多くの方にご参加いただく盛況なイベント となりました。
本レポートでは、エッジAIからマーケティングまで、AIとIoTを中心とした実践的な活用事例が多数紹介された本勉強会の様子をお届けします。
各社の具体的な取り組みや成果を中心に、勉強会の模様を当日の写真も掲載していますので勉強会の雰囲気を知りたい方、AIやIoTの活用に興味がある方はぜひご覧ください。
AIxIoTビジネス共創ラボに興味のある方はお気軽にご連絡ください。
当日のアジェンダ
発表資料はこちらからご覧ください。
時間 | タイトル | 講演者 |
---|---|---|
16:00-16:10 | ご挨拶 | 東京エレクトロンデバイス株式会社 |
16:10-16:30 | SLMをエッジAIとして検証してみて分かったこと | 東京エレクトロンデバイス株式会社 エッジクラウドソリューション部 ストラテジックプランニンググループ グループリーダー 辻野 三郎 |
16:30-16:50 | 生成AIを活用したIT運用高度化への挑戦 | ユニアデックス株式会社 テクノロジーサービス本部 技術戦略部 部長 内ヶ島 暢之 |
16:50-17:10 | 全社員に向けて生成AI活用を促進!~電通総研の生成AI活用ロードマップ~ | 株式会社電通総研 X(クロス)イノベーション本部 AIトランスフォーメーションセンター 部長 深谷 勇次 |
17:10-17:20 | 休憩 | |
17:20-18:00 | Microsoft Ignite 2024 Update - AIとIoT関連の最新情報をどこよりも早く! | 日本マイクロソフト株式会社 大川 高志 / 福原 毅 |
18:00-18:20 | データ共有による新しい価値の創造 | アヴィバ株式会社 シニアテクニカルコンサルタント 石井 寿洋 |
18:20-18:40 | SONY AITRIOSによるAIエッジセンシングの新たな可能性(仮) | VISITS Technologies株式会社 シニアディレクター 星野 友彦 |
18:40-19:00 | GPUと画像生成AIが拓くマーケティングとビジネスの未来:次世代の可能性 | LinkX Japan株式会社 代表取締役 坂本 将磨 |
19:00-19:05 | 閉会の挨拶 | 日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 パートナー事業本部 コーポレートソリューション統括本部 統括本部長 滝本 啓介 |
19:05-20:00 | 参加者交流タイム |
『開会の挨拶』
東京エレクトロンデバイス株式会社 西脇 章彦氏開会の挨拶の様子
東京エレクトロンデバイス株式会社の西脇氏による開会の挨拶では、「AI x IoTビジネス共創ラボ」の前身である「IoTビジネス共創ラボ」の歴史から、現在の「AI x IoTビジネス共創ラボ」の発足に至るまでの経緯が紹介されました。
「AI x IoTビジネス共創ラボ」は、AIやIoT技術を活用した新たなビジネスソリューションの創出を目的としたコミュニティです。AI、IoT、ビッグデータ領域のエキスパートが集結し、Microsoft Azureをプラットフォームとして、先端技術や活用事例を共有しながら、社会課題の解決と新たなビジネス機会の創出を支援していきます。
コミッティ企業一覧
『SLMをエッジAIとして検証してみて分かったこと』
東京エレクトロンデバイス株式会社 辻野三郎氏発表の様子
SLM(Small Language Model)をエッジAIとして活用する取り組みについての発表が行われました。発表では、生成AIの活用によってエッジ環境で柔軟性と効率性を実現できる点を、自社の事例を交えながら紹介いただきました。
具体的には、エッジPC「Phi 3 mini」on Windows 11 IoT Enterpriseを使用した保全レポート生成ツールのデモが実施され、生成AIが現場改善に与える可能性が明確に示されました。
さらに、Microsoft Oliveを活用したファインチューニングにより、エッジデバイスに最適化されたモデル構築の手法も紹介されました。
この取り組みを基にした 「エッジAI運用ガイドライン」 の公開が今後予定されています。
『生成AIを活用したIT運用高度化への挑戦』
ユニアデックス株式会社 内ヶ島暢之氏発表の様子
Microsoft Azure OpenAIサービスを活用したIT運用効率化の事例が発表されました。
GAIOpsとして位置付けられる、生成AIを活用した高度なシステム運用の取り組みが具体的な事例を交えて紹介されました。
発表では、問い合わせ対応業務の自動化を実現した事例が取り上げられ、従来4時間を要していたお客様問い合わせへの回答文作成が、わずか4分程度に短縮された点が説明されました。
また、プロンプト設計の精度向上やデータ統合における課題にも触れながら、生成AIがエンジニアの業務を支援する有用なツールであり、顧客満足度の向上にも貢献する 可能性があることが示されました。
『全社員に向けて生成AI活用を促進!~電通総研の生成AI活用ロードマップ~』
株式会社電通総研 深谷勇次氏発表の様子
深谷勇次氏は、「わかる」「できる」「使う」「使い続ける」「自社サービスに応用する」の5段階に分けた生成AIの成長ステップを生成AIの全社的な普及を目指したロードマップとして説明しました。
また、社内からアイディアを公募し、法務部門での契約書レビューや、営業部門での営業ナレッジの活用など、優先度をつけて社内サービスとして展開した、具体的な業務適用事例が紹介され、全社員が生成AIを活用できるよう推進リーダー「アンバサダー」の役割が強調されました。
『Microsoft Ignite 2024 Update - AIとIoT関連の最新情報をどこよりも早く!』
日本マイクロソフト株式会社 大川高志氏・福原毅氏発表の様子
大川高志氏と福原毅氏は、Microsoft Ignite 2024で発表されたAIおよびIoT関連の最新技術について解説しました。
発表では、Azure AI FoundryやCopilot Studioの進化により、AIモデルの効率的な選択やカスタマイズが可能となった点が紹介され、Azureデータセンターにおけるサステナビリティへの取り組みについても触れられました。
さらに、最新のGPU技術や高速通信インフラを活用したクラウド環境の改善事例が共有され、 Azureが切り拓く技術革新の未来像が提示 されました。
日本マイクロソフト株式会社 大川高志氏・福原毅氏発表の様子2
『データ共有による新しい価値の創造』
アヴィバ株式会社 石井寿洋氏発表の様子
石井寿洋氏は、OT(制御・運用技術)データを活用するための「AVEVA Connect」プラットフォームについて説明しました。このプラットフォームは、産業向けデータの集約・可視化を可能にし、リアルタイム分析を促進します。
同氏は、製造業やエネルギー分野での導入事例を紹介し、データを活用することでプラントの効率化や安全性向上を実現できたことを紹介しました。
『SONY AITRIOSによるAIエッジセンシングの新たな可能性』
VISITS Technologies株式会社 星野友彦氏発表の様子
星野友彦氏は、エッジAIカメラ「AITRIOS」を活用した実例を紹介しました。
同氏は、画像を撮影しない特性を活用しての、センシティブな環境下でのエリア別混雑状況の可視化や、物体認識とAITRIOSを活用しての室内の人数計算といった具体的な応用例を挙げ、これらの取り組みが業務効率向上や安全性向上につながると述べました。
さらに、エッジデバイス間のデータ連携を強化することで、IoTエコシステム全体を進化させる可能性 が示されました。
『GPUと画像生成AIが拓くマーケティングとビジネスの未来』
LinkX Japan株式会社 坂本将磨氏発表の様子
坂本将磨氏は、画像生成AIを活用したマーケティング手法について発表しました。
同氏は、視覚的要素が重要視されるSNSマーケティングの現状を説明し、LoRA技術を活用したモデル調整や、Azure Kubernetes Serviceによるリソース最適化がもたらす効果を具体例と共に紹介しました。
また、AI総合研究所の成功事例を通じて、生成AIがマーケティング分野での新たな可能性を切り開く重要なツールであること を強調しました。
『閉会の挨拶』
日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 滝本 啓介氏
滝本氏より勉強会の内容についての振り返りと、今後「AI x IoTビジネス共創ラボ」に期待される役割や展望についてお話しいただき、最後に閉会の挨拶が行われました。
## 交流タイム
勉強会の後は交流会も開催されました。
交流会風景
アルコールと軽食を楽しみながら、今後のAI×IoTの活用について参加者同士で語り合える貴重な時間が提供されました。同じ分野で共通の志を持つ別企業の方々と直接話す機会はそう多くないため、参加者の皆様にとって楽しく充実した時間となったのではないでしょうか。
総括
今回の「AI・IoTビジネス共創ラボ」では、生成AI、エッジAI、小型カメラといった最先端技術が、IT運用、産業データの活用、エッジデバイスの進化など、幅広い分野でどのように活用されているかが示されました。それぞれの企業が、独自の課題解決策や革新的な取り組みを披露し、AIとIoT技術が今後どのように社会や産業を変革していくかを具体的に示しています。
Microsoft Azureを中心とした生成AIやクラウド技術の進化は、多くのセッションで共通するテーマとして取り上げられています。また、エッジAIを活用したリアルタイムデータ処理や、Microsoft Azureを中心としたビジネス活用は、新たなビジネス機会の創出に寄与すると期待されています。
発表者たちは、AIとIoTが融合することで、業務効率の向上や新しい価値創造が可能になると強調しています。
今後は、各企業が連携し、これらの技術を社会実装へと進化させることが期待されます。
AIxIoTビジネス共創ラボに興味のある方はお気軽にご連絡ください。