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Azure 502エラー(Bad Gateway)の原因と対策方法を解説!

この記事のポイント

  • Azure 502エラーはサーバー間の通信問題を示すHTTPステータスコード
  • 主な原因はバックエンドサーバーの障害、設定ミス、ネットワーク問題、SSL証明書の不備
  • 解決策にはサーバー監視、自動スケーリング、設定レビュー、ネットワーク監視が含まれる
  • Azure Application GatewayとApp Serviceでの具体的なトラブルシューティング手順を提供
  • 定期的な監視とメンテナンスがエラー防止に重要

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

ウェブサイトやオンラインサービスを利用する際、"502 Bad Gateway Error"が表示されるとストレスを感じるものです。このエラーは、ウェブサーバーがゲートウェイやプロキシサーバーからの応答を受け取れない場合に発生します。
Microsoft Azureでウェブアプリやクラウドサービスを運用する上で、502エラーは無視できない問題となります。一時的なエラーで解消される場合もありますが、根本原因に対処しないと深刻な影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、Azure環境における502エラーの原因と対処方法を解説します。さらに、高可用性を実現するためのアプローチやAzureの機能活用方法についても説明します。502エラーの発生を最小限に抑え、安定した信頼性の高いクラウドサービスを提供するための知識が得られます。

Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説

Azureにおける502エラーとは

Azureにおける502エラーの概要

Azureで発生する502エラーは、クライアントからのリクエストがAzureのフロントエンドサーバーには正常に到達するものの、その後のバックエンドサーバーやサービスへの転送中に何らかの問題が発生し、結果としてクライアントに適切なレスポンスを返すことができない状況を指します。

502エラーはHTTPステータスコードの一種であり、通信の途中でサーバー間の接続に問題が生じていることを示しています。
このエラーが発生すると、ユーザーはウェブサイトやアプリケーションにアクセスできなくなるため、ユーザーエクスペリエンスの低下や業務の停滞につながる可能性があります。

したがって、Azureを利用してウェブアプリケーションやサービスを運用する際は、502エラーの原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。


Azure 502エラーが起きる原因と解決策

Azureで発生する502エラーには、様々な原因が考えられます。それぞれの原因に応じた適切な対応が必要です。こ

こでは、一般的な原因を解析し、問題に対処するための解決策を提示します。

1. バックエンドサーバーのダウンまたは過負荷

原因
バックエンドサーバーがオフラインになるか、高いトラフィック量によってリソースが枯渇し、サーバーがリクエストに応答できなくなることで502エラーが発生します。これは、サーバーの性能不足や障害によるもので、リクエストを処理する能力が需要を満たせない場合に起こります。

解決策

  1. バックエンドサーバーの負荷を監視し、リソース使用率が高くなりすぎないようにします。

  2. Azureの自動スケーリング機能を利用して、負荷に応じて自動的にサーバーの数を増減するように設定します。
    これにより、突然のトラフィック増加や予期しないリソース消費を効果的に管理し、サーバーの過負荷を防ぐことができます。

2. 設定エラー

原因
Azure Application GatewayやAzure App Serviceなどの設定が不適切な場合、リクエストが正しくバックエンドサービスにルーティングされないことがあります。
誤った設定やルーティングルールの設定ミス、健全性プローブの不適切な設定などが原因として考えられます。

これらの設定ミスは、バックエンドサーバーが正常に動作していても502エラーを引き起こします。

解決策

  1. サービスの設定を慎重に確認し、特にリダイレクトやルーティングに関する設定に誤りがないかをチェックします。

  2. Azure PortalやAzure CLIを使用して設定を定期的にレビューし、更新が必要な場合はドキュメントを参照しながら正確に行います。

  3. 設定変更は、まず開発環境やテスト環境で適用し、本番環境にデプロイする前に十分なテストを実施することが重要です。

3. ネットワーク障害

原因
Azureの内部ネットワーク、またはAzureとバックエンドサーバー間の接続に問題がある場合、502エラーが発生することがあります。

ネットワークの遅延や断絶により、フロントエンドサービスがバックエンドサーバーからのレスポンスを時間内に受け取れないことが原因です。ネットワーク設定の誤りやインフラストラクチャの障害が、このような状況を引き起こします。

解決策

  1. Azure Network Watcherなどのネットワーク監視ツールを使用して、Azure内部および外部のネットワーク接続の状態を定期的に監視します。

  2. 問題を早期に検出した場合は、ネットワークの設定を確認し、必要に応じて修正します。

  3. ネットワークの冗長性を確保し、一部のコンポーネントがダウンしてもサービスが継続できるように設計することが重要です。

4. SSL証明書の問題

原因
SSL証明書の期限切れや設定の不備により、安全なHTTPS接続が確立できずに502エラーが発生することがあります。

証明書の更新を怠ったり、設定ミスがあると、クライアントとサーバー間の通信が正しく保護されず、エラーが生じる可能性があります。

解決策:

  1. SSL証明書が最新であることを確認し、証明書の有効期限が近づいている場合は早めに更新作業を行います。

  2. Azure Key Vaultを利用して証明書を管理することで、証明書の自動更新を設定できます。

  3. 証明書の設定を行う際には、適用されている設定が正しいことを確認し、必要に応じて設定を見直してください。

502エラーに対するトラブルシューティング

ここでは、Azure Application GatewayとAzure App Serviceにおける502エラーに対するトラブルシューティングについて説明します。

Azure Application Gatewayでの502エラー

Azure Application Gatewayで502エラーが発生した場合に取るべき行動を、以下の5ステップで紹介します。


  1. アプリケーションゲートウェイのセキュリティ設定確認

    • アプリケーションゲートウェイがあるサブネットに設定されているネットワークセキュリティグループ(NSG)を確認します。
    • ゲートウェイとバックエンド間の通信が阻害されていないことを確認します。

  2. トラフィックのルーティング設定確認

    • アプリケーションゲートウェイがあるサブネットに設定されているユーザー定義のルーティング(UDR)をチェックします。
    • トラフィックが不必要にバックエンドサブネットから遠ざけられていないかを確認します。
    • ネットワークアプライアンスへのルーティングや、ExpressRoute/VPNを通じたルーティングが正しく設定されているかを確認します。
    $vnet = Get-AzVirtualNetwork -Name vnetName -ResourceGroupName rgName
    Get-AzVirtualNetworkSubnetConfig -Name appGwSubnet -VirtualNetwork $vnet
    


  1. バックエンドVMのセキュリティとルーティング確認

    • バックエンドにある仮想マシン(VM)に設定されているNSGとルーティングが適切であることを確認します。
    • 必要な通信が許可されており、適切にルーティングされているかをチェックします。
    Get-AzEffectiveNetworkSecurityGroup -NetworkInterfaceName nic1 -ResourceGroupName testrg
    Get-AzEffectiveRouteTable -NetworkInterfaceName nic1 -ResourceGroupName testrg
    


  1. カスタムDNSの設定確認

    • 仮想ネットワーク(VNet)にカスタムDNSサーバーの設定が存在するかを確認します。
    • VNetの設定を確認することで行えます。
    Get-AzVirtualNetwork -Name vnetName -ResourceGroupName rgName
    DhcpOptions : { "DnsServers": [ "x.x.x.x" ] }
    



5. DNS解決確認

  • カスタムDNSサーバーが存在する場合、そのDNSがバックエンドプールメンバーの完全修飾ドメイン名(FQDN)を正しく解決できるかを確認します。


実際には、502エラーが発生する原因によって取るべき解決方法は異なります。その他の解決策については、下記の公式ドキュメントを参照してください。

Azure Application Gateway のトラブルシューティング - 502 エラー


Azure App Serviceでの502エラー

Azure App Serviceでは、502エラーと503エラーがよく発生します。これらのエラーは、App Serviceでホストされているアプリケーションで起こる一般的な問題です。

502エラーのトラブルシューティングは、「Azureの503エラー解説」の記事で紹介されている手順と非常に似ています。
ただし、両方のエラーは、アプリケーションの可用性に影響を与える可能性があるため、迅速な対応が必要です。

トラブルシューティングの手順には、以下のような項目が含まれます。

  1. Azure Portalでアプリケーションの状態を確認する
  2. アプリケーションのログを調べ、エラーの原因を特定する
  3. アプリケーションの設定を見直し、必要に応じて修正する
  4. アプリケーションのコードを確認し、バグやパフォーマンスの問題を修正する
  5. App Serviceプランのスケールアップやスケールアウトを検討する


Azure 502エラーのトラブルシューティングについて、より詳しい情報が必要な場合は、以下の記事を参照してください。

➡️Azure 502 Bad Gatewayエラーの原因と対策方法を解説!


まとめ

本記事では、Microsoft Azureで発生する502エラーについて詳しく解説しました。502エラーは、バックエンドサーバーの問題、設定ミス、ネットワーク障害、SSL証明書の問題など、様々な原因によって引き起こされます。

これらの原因を理解し、適切なトラブルシューティング手順を踏むことで、502エラーに素早く効果的に対処することができます。
また、Azureサービスを利用する際は、エラーが発生した場合に備えて、ログの確認、設定の見直し、リソースの最適化など、適切な監視とメンテナンスを行うことが重要です。

本記事で提供された情報が、Azureユーザーの皆様が502エラーに直面した際の問題解決に役立ち、安定したサービス運用を実現する一助となれば幸いです。

今後も、Azureに関する様々なトピックについて、有益な情報を提供していきますので、ぜひご覧ください。

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坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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