この記事のポイント
Azure予約の該当と利用法について解説- コスト削減や価格の予測可能性などのメリットを紹介
- 予約が適用可能な主要なAzureサービスを列挙
- 予約の購入方法とスコープ変更について説明
- サービス別の価格と支払い方式の概要を提示
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域：自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
クラウドコンピューティングを有効活用するためには、コスト管理が重要です。
Microsoft Azureの予約機能は、安定した財務計画と効率的なリソース管理を望むすべての組織にとって、非常に価値のある選択肢になるはずです。
そこで本記事では、Azure予約の概念およびその利用法について、そのメリットや適用可能なサービスに焦点を当てながら解説していきます。
コスト削減、価格の予測可能性、必要なリソースの確保など、予約機能を用いることで得られる複数の利点を具体的にご紹介。
また、予約の購入方法や、割引が適用される具体的なサービスと支払い条件についても詳しく説明します。
目次
Azureの予約とは
Azureの予約機能は、Azureサービスを利用する際に事前にリソースの使用を予約しておくことで、コストの節約などの恩恵を得ることが出来るサービスです。
Azureの予約
クライアントは予約機能を活用することで、コストの予測が容易になり、長期的な財務計画の安定性が向上させることが出来ます。
この記事ではAzure予約のメリットや利用可能サービス、割引の適用方法を説明します。
Azure予約のメリット
Azure予約には複数のメリットがあります。主なメリットを説明します。
コスト削減
Azure予約の最も主要な効果がコストの削減です。
Azureのリソースの購入をあらかじめ予約しておくことで割引が適用され、従量課金制と比較して最大で80％コストを削減することが出来ます。
削減される金額は使用するリソースによっても変動しますが、長期的な運用においては大幅なコスト節約につながります。
価格の予測
Azure予約サービスを利用することで、長期間にわたる価格が固定されるため、予算の計画が立てやすくなります。これにより予期しない価格変動が発生するリスクを軽減することが出来ます。
価格の予測性は特に予算管理が重要なプロジェクトや組織にとって大きな価値を提供します。
運用予算を執行する際の精度を高め、不意の費用増加に対する懸念を軽減します。
リソースの確保
特定のリソースを予約することで、必要な計算リソースやストレージが確実に利用できる状態を確保できます。
特に高負荷な期間においても、必要なリソースが確保されるため、運用の安定性が向上し、ビジネスの成長や変化に応じてスムーズに拡張が可能となります。
以上のように、Azure予約は、コスト削減、価格の予測可能性、リソースの確保という点で、多くのメリットをもたらします。
これらの利点を活用することで、より効率的で安定したクラウドサービスの運用が実現できるでしょう。
Azure予約が利用可能な製品とサービス
Azure予約の対象となる製品、サービスは次のようになっています。
Azure Virtual Machines (VMs)
Microsoft Azureクラウド上で仮想化されたコンピューティングリソースを提供し、ユーザーが任意のオペレーティングシステムやアプリケーションを実行できるサービスです。
さまざまなサイズやシリーズのVMに対する予約が可能です。
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Azure SQL Database
Microsoft Azure上で提供される完全に管理されたクラウドベースのリレーショナルデータベースサービスで、高可用性、スケーラビリティ、セキュリティを提供します。
予約によって、SQL Databaseのインスタンスや容量において割引が提供されます。
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Azure Cosmos DB
Azureが提供するグローバル分散型のマルチモデルデータベースサービスで、低レイテンシ、高可用性、スケーラビリティを実現します。
Azure Synapse Analytics
ビッグデータとデータウェアハウスの統合を提供する分析サービスで、大規模なデータ分析を迅速かつ効率的に行うことができます。
大量のデータを処理するための分析サービスに対する費用も予約によって削減できます。
Azure Blob Storage
Microsoft Azure上で大規模な非構造化データの保存と管理を可能にするオブジェクトストレージサービスです。
保持する予定の大量のデータに対するストレージコストも予約によって抑えることができます。
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この他にも、App Service Environmentsや、Azure Kubernetes Serviceなどのサービスが予約の対象に含まれる場合があります。
Azure予約の購入と適用方法
Azure予約の購入と適用方法を述べます。前提としてコストの割引は、サービスを1年分または3年分コミットすることで適用されます。
予約の購入後自動的に該当のリソースに割り引きが適用され、使用可能となります。
予約の購入
Azureサービスの予約はAzureポータルから行うことが出来ます。
Azureポータル予約購入画面
例として、Azure Virtual Machineの予約の購入は次のページから行うことが出来ます。
Azure Virtual Machine予約の購入
この画面で利用地域や利用期間、請求頻度を選択することで予約することが出来ます。
予約スコープの変更
予約の購入後は予約の管理画面で対象スコープの変更を行うことが出来ます。
予約のスコープには、予約が特定のリソース、サブスクリプショングループ内のリソースにのみ適用される単一スコープと、予約がAzureエンロールメント内のすべてのサブスクリプションにまたがって適用される共有スコープが存在しています。
特定のプロジェクトや部門の予算管理を重視する場合は単一スコープ、予約のコストを組織全体で共有したい場合は共有スコープが適しています。
Azure予約の価格と支払い方式
Azure予約に価格よって削減されるコストは各サービスによって大きく異なります。
例えばAzure Virtual Machineの購入では購入する仮想マシンのタイプ(LinuxやWindows)や期間によって割引額が異なります。
また、追加で購入するソフトウェア、ネットワーク、ストレージの料金は割引に含まれないなどの条件が存在しています。
自身の利用するサービスの予約による割引率に関してはMicrosoftの公式ドキュメントを参照ください。
まとめ
Azure予約はサービスの運用コストを削減すると同時に、長期的なリソースの使用を計画することに効果的な方法です。
この記事を通して、Azure予約の基本から購入手順、価格の割引方式までの説明を行いました。予算の計画性を高め、安定した価格でリソースを確保できる予約システムの利用は、多くの企業にとって重要なオプションとなるでしょう。
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