この記事のポイント
- この記事は、アステラス製薬がセキュリティリスク管理と事業継続性向上のためにMicrosoft Sentinelを導入した事例を紹介しています。
- アステラス製薬は、グローバルな事業展開とサプライチェーン複雑化に伴うサイバー攻撃リスクに対応する必要がありました。
- 従前のシステムでは、ログデータが地域ごとに分散し、インシデント対応が遅れる問題がありました。
- Microsoft Sentinel導入により、アステラス製薬はクラウド上での統合ログ管理とIT環境の可視化を実現しました。
- その結果、サイバー攻撃への迅速な対応が可能となり、医薬品の安定供給という企業の使命を支えるセキュリティ体制が強化されました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
医薬品の安全性を確保し、事業の継続性を高めるためには、強固なセキュリティ対策が不可欠です。アステラス製薬は、サイバーセキュリティリスクの増大という課題に直面し、Microsoft Sentinelの導入によってどのように対応したのでしょうか。本記事では、アステラス製薬がどのようにしてIT環境を統合的に管理し、迅速な脅威検出と対応を実現しているのかを明らかにします。医薬品企業にとって、セキュリティ強化がいかにして生命を守る役割を担っているかも併せて解説していきます。
研究、製薬分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。研究、製薬分野の分野では、大規模なデータ、組み合わせをAIを用いて研究効率を加速する例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
アステラス製薬は、セキュリティリスクに立ち向かい、事業継続性を保つために、MicrosoftのSecurity Information and Event Management(SIEM)ツールであるMicrosoft Sentinelを導入しました。この取り組みにより、全社的にログデータを一元的に管理し、迅速な脅威検知および対応を可能にしています。医薬品の安定供給を最優先とする同社では、この先進的なセキュリティ強化が生命を救う役割を担っています。
【導入の背景】
アステラス製薬はグローバルに事業を展開する製薬企業で、サプライチェーンの複雑化に伴うセキュリティリスクの増大に直面していました。サイバー攻撃の巧妙化への対応やクラウドサービスの活用拡大が急務となり、セキュリティリスク管理の強化が求められていた背景があります。継続的かつ安定した医薬品供給は会社の命綱であり、患者の生命にも関わる至上命題だったのです。
【元々の課題】
以前のSIEMシステムは地域ごとに分断されており、一元化されていなかったことで迅速なインシデント対応が困難でした。また、限定的に保存されていたログデータでは、十分な調査が行えないという問題も抱えていました。このため、課題解決のために、SIEMの再構築と全てのログを統合管理することの必要性が高まっていました。
【解決策】
アステラス製薬は、Microsoft Sentinelを導入し、クラウド上での統合的なログ管理とIT環境の可視化を実現しました。このツールはAzureのインフラやMicrosoft 365との相性も良く、様々なログソースとの連携もスムーズであったため、効果的な解決策となりました。
【効果】
Microsoft Sentinelの導入により、アステラス製薬は全社のログデータを網羅的に管理し、サイバー攻撃に迅速に対応できる体制を整えました。これにより、事業のリスク管理と継続性が大きく向上し、患者への医薬品供給をより確実なものとすることが可能となりました。