この記事のポイント
- この記事はパーソルキャリアのデータ分析環境更新プロジェクトについて詳細に説明しています。
- Azure Databricksの導入により、レイクハウスアーキテクチャを実現し、データ処理と分析の柔軟性と効率性を向上させました。
- 導入前の課題として、データ量増加に伴うスケールアウト限界や操作の遅延、コスト増加が挙げられています。
- 新しいデータ分析基盤により、パーソルキャリアは分析作業の迅速化と運用コストの削済に成功しました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
データドリブンな経営をめざし、日々膨大なデータの処理・分析に取り組む企業にとって、高性能で柔軟なデータ分析基盤は不可欠です。パーソルキャリア株式会社が直面した既存環境の限界とその課題を、いかにして解決に導いたのか。今回は、彼らがAzure Databricksを採用してレイクハウスアーキテクチャを実現し、更に進化したデータ分析環境へ移行した経緯とその効果について詳細にご紹介します。データの効率的な活用と高負荷な分析ニーズに応える強化された基盤が、いかにビジネス運用の改善に貢献したのか、パーソルキャリアの事例を通じて見ていきましょう。
人材業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。人材・人事業界では、転職、コンサルティング領域、コンテンツマーケティング活用の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
パーソルキャリア株式会社の企業ロゴ
パーソルキャリア株式会社は、データ分析環境の課題解決のため、2021年にデータ分析基盤の刷新プロジェクトを開始しました。このプロジェクトにより、レイクハウスアーキテクチャを実現するAzure Databricksを採用し、大量のデータを効率的に扱いながら、高負荷の分析ニーズも満たす強化されたデータ基盤へと移行に成功しました。
【導入の背景】
パーソルキャリアでは、蓄積された膨大なデータを活用し、転職・就職支援などの多角的なサービスを提供する中で、2018年に構築したデータ分析環境に限界を感じていました。利用者の増加によるキャパシティとワークロード運用の課題が顕在化し、これらを解消するためのデータ分析環境の刷新が逼迫していた状況でした。
【元々の課題】
サービスの展開とデータの増大に伴い、既存のデータ分析環境がスケールアウトに限界を迎え、同時アクセス増加によるレスポンスの劣化やオーバースペックによるコストロスなどの課題が生じていました。これらはシステム部門の工数増加だけでなく、ビジネス運用の円滑さにも影響を及ぼす要因となっていました。
【解決策】
パーソルキャリアは分析基盤としてレイクハウスアーキテクチャの一環としてAzure Databricksを中核とし、Azure Data Lake Storage Gen2やAzure Data Factoryなどを組み合わせたデータ分析環境を構築しました。この解決策は、業務部門とシステム部門の協力のもとで選定され、Azure Databricksが適切なバランスで柔軟なアーキテクチャを提供したことが決め手となりました。
Azure Databricksの導入
【効果】
新しいデータ分析基盤の導入により、パーソルキャリアは分析に対する瞬発力を高めながら、利用者にとってはコストを削減する運用に成功しました。システム部門の工数削減に加え、データセキュリティ管理の向上や運用・保守・メンテナンスにおける大幅なコスト削減が見込めるようになりました。