この記事のポイント
- この記事は、デジタル技術を活用してビル管理を革新した株式会社S&I Corporationの事例を紹介しています。
- 多数の監視カメラの映像処理における負担をAIとエッジコンピューティングで解決し、効率化を実現しました。
- 導入した「S&I Building Management Application」により、セキュリティの自動監視が可能となり、コスト削減とリスク管理の強化が達成されました。
- 顧客基盤の拡大も可能になり、セキュリティと清掃サービスが中小企業でも簡単に利用できるプラットフォームを提供しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタル化の波が急速に進行する中、ビル管理業界も例外ではありません。本記事では、デジタル変革をいかにして実現し、業務を進化させたか、株式会社S&I Corporationの先進的な事例を取り上げます。保守的な傾向が強いこの業界において、AIを活用し、コスト削減と効率化を図る新しいアプローチが導入されました。エッジコンピューティングとクラウドを組み合わせることで、監視カメラ映像のリアルタイム分析を実現し、セキュリティとオペレーションの向上を達成。本記事では、S&I Corporationが直面した課題から始め、解決策の概要、導入による効果に至るまでのプロセスを詳細に解説していきます。ビル管理サービス業界でのデジタルトランスフォーメーションの可能性に関心がある方、最新技術を取り入れたいビジネスの方々にとって、参考になる内容となっています。
不動産業界に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。不動産業界では、顧客向けサービスにAIを搭載してカスタマーエクスペリエンスを向上する事例、自社効率性の向上の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
株式会社S&I Corporationの企業ロゴ
株式会社S&I Corporationは、デジタルトランスフォーメーションを積極的に推進することでビル管理サービスを革新しました。AI を活用したイベント検知システムを導入し、オンプレミスとクラウド技術を融合させた新しいアーキテクチャを構築しました。これにより、効率的なセキュリティ監視と、従来の機器を活用してのコスト削減を実現しています。
【導入の背景】
S&I Corporationは従来のファシリティマネジメント業務において、デジタル化の遅れという課題を抱えていました。保守的な業界特性上、デジタル変革の波が及びにくい状況でしたが、時代の流れとニーズの変化を受けて、積極的なデジタルトランスフォーメーションを迫られていました。
【元々の課題】
複数のビルを管理していることから、多数設置された監視カメラからの映像データ処理が大きな負担となっていました。セキュリティを維持するための人手による監視の必要性があり、コストの増大や作業効率の低下が課題でした。
【解決策】
S&I Corporationは、TnM Tech、Scenera、Microsoftとのパートナーシップを通じてAI技術とエッジコンピューティングを利用したビル管理システム「S&I Building Management Application」を開発しました。AIによる自動イベント検知やリアルタイム監視を実現し、不法侵入や落下事故などのリスク管理を強化しました。
【効果】
新しいビル管理システムにより、大幅なオンサイトの警備人員削減が可能となり、オンプレミスとクラウド間のコスト削減も実現しました。中小企業にもセキュリティと清掃などのサービスを簡単に利用できるプラットフォームを提供し、顧客基盤を拡大することができました。
S&I Building Management Applicationによるセキュリティ