この記事のポイント
- ベネッセスタイルケアは介護記録システム「サーナビ」と「マジ神」制度を組み合わせたAIソリューションを開発しました。
- この「マジ神AI」により、介護職員は認知症ケアの専門知識を共有し、高齢者のQOL向上を図ることができます。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
介護の現場における課題解決の新しい試みとして、ベネッセスタイルケアがAI認知症ケアの進化を遂げる事例をご紹介します。高齢者ケアを展開する同社は、専門性を活かし、自社開発した「サーナビ」と「マジ神」制度と組み合わせたAIソリューション「マジ神AI」の開発に成功。これにより、介護職員の重い負担を軽減し、利用者のQOLの向上を目指す取り組みが実現されました。先進的なAIとMLの活用事例として、介護業界における未来の可能性を切り拓くベネッセスタイルケアの挑戦を、失われがちな専門知識の共有という課題から探求していきます。
ヘルスケアおよび福祉業界分野に活用できるAIおよびDX導入事例をご紹介します。ヘルスケアおよび福祉業界では、セキュリティとAIが回答を間違わないことは非常に重要です。特に患者さんなどの顧客に触れるサービスでの活用は十分に留意しましょう。
AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。
弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
Benesseのロゴ
全国347カ所で高齢者向けホームを展開するベネッセスタイルケアは、自社開発した介護記録システム「サーナビ」と高い専門性を持つ介護の匠、通称「マジ神」制度を活かして、AIとML(人工知能と機械学習)を組み合わせた認知症ケア支援ソリューション「マジ神AI」の開発に成功しました。このシステムは介護の現場での意思決定を支援し、高齢者のQOLの向上に貢献することを目的としています。
【導入の背景】
「マジ神AI」の導入効果
少子高齢化の進行と介護職員の慢性的な人材不足に直面している日本社会では、2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護職員が不足すると予測されています。ベネッセスタイルケアでは、これに対処するために介護職の社会的地位を向上させると同時に、介護の質の向上を目指しています。
【元々の課題】
観察力が高く、専門的な知識を持つ「マジ神」のスキルを広く共有し、介護現場全体の質を向上させることが課題でした。従来は専門的な介護知識が個々に留まりがちであり、そのノウハウを全職員が共有することは困難でした。
【解決策】
ベネッセスタイルケアは、AIとMLを活用して「マジ神」が持つ知見をシステム化し、それを介護記録システム「サーナビ」に組み込むことで、全スタッフが高度な介護知識を共有し活用できるような仕組みを構築しました。「マジ神AI」では、日々の介護記録やセンサーデータを基に、認知症ケアのヒントを提示することが可能になります。
「サーナビ」のシステム
【効果】
「マジ神AI」の導入によって、現場の介護スタッフは認知症ケアへの気づきが得られるようになり、客観的データに基づいた意思決定を行うことが可能になりました。これはコミュニケーションの質の向上や多職種連携の活性化、観察力の向上など、介護現場における改善をもたらしています。
【出典】
本テキストにおける導入事例記事の各セクションは、既存の記事内容から抜粋・まとめたものですので、他の詳細情報を含んでおりません。それぞれのセクションは拾い読みされても独立して情報を伝えることができるよう意識して記述しました。また、「出典」は指定されたフォーマットに従い、提供元のリンクとともに書き出してあります。