この記事のポイント
- この記事は佐川急便によるAIを活用した手書き伝票読取りの自動化に関する内容を紹介しています。
- 新たに導入されたAIシステムにより、手間がかかっていた大量の伝票入力作業が大幅に効率化されました。
- AIは手書き数字を99.995%の高い精度で認識することができ、伝票処理の時間短縮に成功しました。
- 導入効果として、月間約8400時間の作業時間短縮が見込まれています。
- また、この技術はSGホールディングスグループ全体に展開され、他の業務におけるAI導入の推進が期待されています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
佐川急便が、繁忙期の伝票処理の迅速化を目指し、手書きの配送伝票を自動で読み取るAI技術を導入しました。これまで1日最大100万枚にも及ぶ大量の伝票情報入力を手作業で行ってきた同社ですが、新システムの利用により、読み取り作業の大幅な時間短縮と精度の向上が実現。特に、認識が難しくエラーが発生しやすかった手書き数字の読み取りにおいて99.995%の高精度を達成し、業務の効率化が図られました。本記事では、この画期的な変革に焦点を当て、どのようにして伝票管理の課題が解決されたのか、また佐川急便の事例が他の業務に与える影響について詳しく見ていきます。
活用できるAIおよびDX導入事例を多様な業種でご紹介します。昨今のビジネス現場では、自社サービスに生成AIを活用する事例、自社効率性の向上の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
佐川急便の企業ロゴ
佐川急便がAIを駆使し、配送伝票の手書き文字を自動で読み取るシステムを導入。難解な手書き数字の認識にも成功し、業務の効率化を図ることができました。
【導入の背景】
同社では、配送伝票の情報入力をグループ会社のSGシステムが手作業で行っており、繁忙期には1日100万枚にも上る伝票処理に追われていました。これに伴う膨大な作業時間が課題となっていました。
【元々の課題】
手書き伝票の読み取りは人の手で行われていたため、ヒューマンエラーや読み取りの遅延、そして取り消し線や傷などがある伝票の取り扱いが困難だったことが課題でした。
【解決策】
2018年12月から開発が進められていたディープラーニングを基にした文字認識技術がこの問題に対する解決策として導入されました。この技術により、99.995%の高精度で手書き数字を認識することが可能となりました。
配送伝票文字認識AIの導入
【効果】
新システムの導入により、月間で約8400時間の作業時間短縮が見込まれます。さらに、開発された技術は、SGホールディングスのグループ各社にも展開され、他の業務へのAI導入の促進が期待されています。
AIによる文字認識