この記事のポイント
この記事はGoogleの「AI Overviews」という新機能について説明しています。- 「AI Overviews」は検索エンジンに関連する高品質の結果を提供するために導入されました。
- 導入後、不適切なクエリに関する問題が確認され、Googleは技術的改善を実施しました。
- Googleはユーザーのフィードバックを重視し、検索エクスペリエンスの品質向上を目指して改善を続けています。
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域：自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
グーグルが新しい時代の検索体験を目指し、2024年5月末に米国で「AI Overviews」という新機能を検索エンジンに導入しました。
複雑な質問に対して質の高い検索結果と関連リンクを提供するこの革新的機能は、人々の検索欲求に応えるようにデザインされています。
しかしながら、その導入は無意味なクエリや情報のギャップによる誤った概要を引き起こすなどの問題点が見られました。
グーグルはこれらの問題に対し、迅速かつ技術的な改善策を実施し、ユーザーのフィードバックに感謝しつつ、検索品質向上に取り組んでいることを伝えています。
Google検索がAIで進化！革新的な「AI Overviews」機能を米国で導入
2024年5月末、Googleは米国のユーザー向けに「AI Overviews」という新しい機能を検索エンジンに導入しました。
これは、人々がより複雑な質問をするようになったことに対応し、検索結果の満足度を高めるためのものです。
AI Overviewsは、ただ情報を生成するだけではなく、Googleのコアウェブランキングシステムと統合され、関連性の高い質の良い検索結果を見つけるために設計されています。
このため、検索結果には関連するリンクが含まれ、ユーザーはさらに情報を探求することができます。
Googleは、この機能を通じてユーザーに正確な情報を提供するために高い基準を設けており、検索結果の品質向上に継続的に取り組んでいます。
AI Overviewsに関する問題点と改善策
しかしながら、AI Overviewsの導入後、ソーシャルメディア上でいくつかの奇妙で誤った概要が共有されることがありました。
これらは一般的でないクエリに対して発生したものであり、データの空白や情報のギャップが原因でした。
例えば、「How many rocks should I eat?（どれだけの石を食べるべきか？）」というような非現実的な質問に対しても、サティア（風刺的な内容）やフォーラムのトロール的な内容を基にしたAI Overviewsが生成されてしまうことがありました。
Googleはこれらの問題に迅速に対応し、無意味なクエリに対するAI Overviewsを表示しないような検出メカニズムの構築や、ユーザー生成コンテンツの使用を制限するなど、12以上の技術的改善を実施しました。
AI機能の今後とユーザーフィードバックの重要性
AI Overviewsの精度は非常に高いとされていますが、毎日数十億に及ぶクエリが寄せられるウェブの規模では、誤りや例外的なケースが生じる可能性があります。
Googleは過去25年間で検索エクスペリエンスの品質向上について多くのことを学び、これらの誤りから学び、検索を改善することに取り組んでいます。
また、AI Overviewsが適切に表示されるタイミングや方法の改善、保護機能の強化に努めており、ユーザーからの継続的なフィードバックに対して感謝の意を示しています。
エッジケースに対する保護を含む検索体験の向上に向けて、Googleはこれからも改善を続けていく姿勢です。
出典:Google
