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MicrosoftとOpenAIが民主的選挙を支援 - AIリテラシー強化のための社会レジリエンス基金設立

この記事のポイント

  • この記事は、AIリテラシーを向上させる目的で設立された社会レジリエンス基金について述べています。
  • MicrosoftとOpenAIによって設立され、民主的選挙の健全性を支えるために、200万ドルが提供されています。
  • 信頼できる情報源の特定やAIコンテンツの評価などに重点を置き、複数の組織に助成金を提供しています。
  • 社会全体のレジリエンス強化を目指し、AIの欺瞞的な使用を防ぐための共同努力の一環でもあります。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

AIの責任ある使用と理解を深めるため、MicrosoftとOpenAIが共同で社会レジリエンス基金を設立しました。
民主的選挙の健全性を支えることを目的に、AIリテラシーの向上を図るこの基金は、情報の信頼性や出所の特定、AIコンテンツの評価の重要性を認識しています。

総額200万ドルの資金提供を通じてAI教育の推進に努め、複数の組織と協力し、年代を問わずAIの適切な理解と使用を促すトレーニングプログラムを展開します。

MicrosoftとOpenAIは、AIの欺瞞的な使用を防ぎ、デジタル社会におけるレジリエンスを強化することを目指しており、将来の課題と機会について市民社会や産業界と議論を重ねていきます。

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AI教育のための社会レジリエンス基金設立

MicrosoftとOpenAIは、AIリテラシーを高めるための取り組みとして、社会レジリエンス基金を設立しました。
これは、特に民主的選挙において、AIに関する教育と理解を深めることを目的としており、200万ドルの資金が投じられます。

選挙年には20億人以上が投票することから、デジタルエコシステムの複雑化に伴い、信頼できる情報源の特定AIコンテンツの評価がますます重要になっています。

この基金は、AARPのOlder Adults Technology Services(OATS)、Content Provenance and Authenticityのための連合(C2PA)、国際民主主義・選挙支援機構(International IDEA)、AIパートナーシップ(PAI)など、複数の組織に助成金を提供することで、AIに関する教育を促進し、社会全体のレジリエンスを強化する役割を果たします。

さらに、これはホワイトハウスの自発的なコミットメントや、AIの欺瞞的な使用と戦うためのテックアコードに基づいて行われる共同努力の一環です。

2024 年の選挙で AI の欺瞞的使用に対抗するための Tech Accord)
AI選挙協定:2024年米大統領選挙における、AIの悪用に対抗する為の取り組み

各組織の具体的なプログラムと目標

この基金からの助成金を受ける各組織は、AI教育を推進するために特有のプログラムを展開します。

AARPのOlder Adults Technology Services(OATS)は、50歳以上の成人向けにAIの基本的な側面についてのトレーニングプログラムを開発し、デジタル世界における機会とリスクを理解するためのサポートを提供します。

Content Provenance and Authenticityのための連合(C2PA)は、デジタルメディアの信頼性と出所に関する啓蒙キャンペーンを実施し、情報の出所やウォーターマーキングに関する知識を広めます。

国際民主主義・選挙支援機構(International IDEA)は、AIに対する社会のレジリエンスを高めるグローバルトレーニングを実施し、選挙管理機関や市民社会、メディアアクターの能力を強化します。

また、AIパートナーシップ(PAI)は、合成メディアフレームワークを発展させ、AIの責任ある使用に関するベストプラクティスのガイドラインを提供することで、AIイノベーションの未来を描くための多様性を促進します。

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今後の展望と社会への影響

社会レジリエンス基金の立ち上げは、AIリテラシーと教育に対するMicrosoftとOpenAIのコミットメントの表れです。
この基金は、AIテクノロジーの誤用から民主主義を守り、社会全体のレジリエンスを促進するための重要なステップとなります。

アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート(AEI)では、OpenAIとMicrosoftのエグゼクティブを含む市民社会と産業界のメンバーが集まり、今後の課題と機会について議論する予定です。

MicrosoftとOpenAIは、引き続きこの分野に専念し、目標と価値観を共有する組織やイニシアチブと協力していくことを約束しています。

これにより、未来のデジタル社会におけるAIの理解が深まり、ハルシネーションディープフェイクに対する防御力が高まることが期待されます。

出典:Microsoft

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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