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マイクロソフトが描くメディアとエンターテインメントの未来:AIとデータが生み出す革新的なコンテンツ戦略

この記事のポイント

  • この記事は2024年のNABショーでマイクロソフトが紹介した、AIとデータを活用するメディアとエンターテインメント業界の未来を解説しています。
  • AIを用いたコンテンツ制作や言語障壁の取り除きによるグローバルな視聴者へのコンテンツ開放が図られています。
  • 広告主に向けたデータ分析の利用により、広告収入を最適化する新しい収益化戦略が提案されています。
  • Prime Focus TechnologiesやMediaKindなどのパートナー企業との連携によって新たな視聴体験が創出されています。
  • NABショーでのマイクロソフトのセッションやパネルディスカッションを通じて、産業におけるAIの応用方法や新たな課題についての議論が展開されています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

AIとデータの進化が消費者体験をどのように変えていくのか、特にメディアとエンターテインメント領域で注目されています。

本記事では、マイクロソフトが具体的にどのような技術を駆使し、メディア産業の未来をどのように塗り替えているのかを紹介いたします。
2024年のNABショーで示された、マイクロソフトの先進的な取り組みを振り返りつつ、革新的なコンテンツ制作手法や収益化戦略、さらにはパートナーシップを通じて生まれる新しいメディア体験について詳しく述べます。

読者の皆様にとって、AIとデータがもたらすメディアとエンターテインメントの未来像を掴む一助となれば幸いです。

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マイクロソフトのAIによるメディア革新とは?

2024年、マイクロソフトはNABショーで、AIとデータを活用したメディア業界の再構想を披露しました。NABショーとは、メディアの未来を形作る重要なイベントで、多くの業界関係者が集まり、最新のコンテンツとテクノロジーが融合します。

ここでマイクロソフトは、AIがコンテンツ制作、配信、視聴者の関与、および収益化方法に革命をもたらしていることを紹介し、自社のプラットフォームとエコシステムを通じて、これらの革新を現実にしていると説明しました。

microsoft for media and entertainment

メディアとエンターテイメントのためのマイクロソフト

AIによるメディア制作の再定義

マイクロソフトは、AIを活用してメディア制作プロセスを再定義するとともに、視聴者の関与を促進し、パーソナライズを強化しています。Microsoft Azure OpenAIサービスやAzure AIサービスを使用し、グローバルな視聴者にコンテンツを開放することで、言語の障壁を取り除いています。

また、「Azure AI Vision Studio」や「Azure AI Video Indexer」などのツールを利用し、生産プロセスを合理化し、効率的なビデオ編集を実現しています。

Microsoft 365の「Microsoft Copilot」は、AIアシスタントとしてコンテンツ作成プロセスを自動化し、よりパーソナライズされた体験を提供。Azure PlayFabツールを用いて、視聴者の好みや行動に自動的に適応するコンテンツを作成することで、視聴者体験の向上を図っています。

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Azure AI Vsion Studioでできること (参考:Azure AI)

メディア収益化戦略の再考

マイクロソフトは、データ分析を駆使して広告主が広告収入を最適化する新たな方法を提案しています。YOBIやAzure Databricksを活用し、広範な視聴者へのリーチと収益の最大化を目指しています。

「Microsoft Dynamics 365 Customer Insights」と「Microsoft Fabric」を使用することで、ターゲット設定の精度を高め、パーソナライズを通じて広告主のリーチを拡大。さらに、インタラクティブテレビの未来を示す「Beat the BUZZR®️」を通じて、インタラクティブな要素を取り入れた新たな収益化戦略を紹介しています。これらの変革により、コンテンツ所有者は新しい収益源を開拓することが可能になります。

azure databricks
Azure Databriksの機能 (参考:Microsoft)

パートナーシップによる新たな体験の創出

マイクロソフトは、パートナーエコシステムを通じて、新しい視聴体験を生み出しています。Prime Focus Technologies、MediaKind、Alice & Smithなどのパートナー企業は、それぞれの専門分野でAIを利用し、アーカイブコンテンツへの新たな価値の付与、放送体験の革命、インタラクティブなファンエンゲージメントの境界拡大などに取り組んでいます。

また「Microsoft Advertising」は、視聴者の興味に直接訴えるインタラクティブな広告を展開。これらのパートナーとの連携により、メディア業界における新しい収益モデルやエンゲージメント戦略が生まれています。

Microsoft広告
マイクロソフト広告 (参考:Microsoft Advertising)

マイクロソフトが提供する業界特有のセッション

NABショーでは、マイクロソフトとその業界パートナーが、AIを活用したメディア制作やコンテンツ収益化についてのセッションを行っています。これらのセッションでは、AIの応用、制作と開発でのAI利用の利点と落とし穴、リアリティTVとドキュメンタリーの再形成、コンテンツ戦略の強化など、様々なトピックが議論されます。

nbaでのazure活用
参考:Microsoft Customer Stories

またメディアプロヴェナンスラベリングの新要件やメディアにおける新たな課題と機会についてのパネルディスカッションも行われることで、業界関係者は最新の情報と知識を得る機会を持ちます。

出典:Microsoft

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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