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AzureにおけるJDKとは?Java開発環境のクラウド統合を解説

この記事のポイント

  • この記事はAzureにおけるJava Development Kit(JDK)について説明しています。
  • Azure JDKはMicrosoftが提供し、Azure上でJavaアプリケーションを効率的に開発、実行するために最適化されています。
  • Zulu OpenJDKやMicrosoft Build of OpenJDKなど、複数のOpenJDKディストリビューションの特徴やインストール方法が紹介されています。
  • Azureクラウド上でのJavaサポート情報として、さまざまなバージョンのJavaがどのようにサポートされているかがまとめられています。
  • Java開発者がAzureのマネージドJavaランタイムサービスを通じてアプリケーションの開発と運用を容易にする情報が提供されています。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

Azureクラウドプラットフォームは、幅広いアプリケーションのホスティングと管理に使用されていますが、特にJava開発者にとってその重要性は高まっています。AzureでJavaを使用することで、開発者はクラウドのスケーラビリティーや管理機能といった利点を利用しつつ、強力なJavaエコシステムを活かすことができます。

本記事では、Azureで効率的にJavaアプリケーションを構築するために利用できる、Optimized Azure JDKの特徴やOpenJDKディストリビューションの種類、インストール方法までを詳しく解説しています。
さらに、マイクロソフトが公式に推奨するZuluOpenJDKや、マネージドJavaランタイムサービスなど、Azureと連携してJava開発体験を向上させる情報が満載です。

Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説

Azure JDK(Java Development Kit)とは

Azure JDKは、Microsoft Azureが提供するJava Development Kit (JDK)の一種で、特にAzureのクラウドサービスでJavaアプリケーションを開発、実行するために最適化されています。

このJDKは、クラウドネイティブなアプリケーションの開発を行う際、Azure FunctionsAzure App ServiceAzure Kubernetes Service (AKS)*などの、Azureプラットフォーム上のサービスをよりスムーズに活用できるようにデザインされています。

Azure SDK for Javaと組み合わせることで、Azureの提供するストレージ、データベース、AIサービスへの統合とアクセスがさらに容易になります。

Javaとは

Javaは、プラットフォームに依存しないプログラミング言語であり、一度書いたソースコードを異なるプラットフォーム上で動作させることができる「一度書いて、どこでも実行する(Write Once, Run Anywhere; WORA)」という理念の下に設計されました。この特性は、クラウド時代の多様な実行環境において特に有利で、開発者は自分のアプリケーションを環境に合わせて繰り返し書き直す必要なく、幅広いデバイスやクラウドインフラストラクチャ上で実行することが可能です。

Azure上でのJavaの利用の重要性は、Microsoftが公式に、JavaのエンタープライズグレードのランタイムとしてZulu OpenJDKを推奨していることからも明らかです。実際に、Azureはオープンソースソフトウェアのサポートに強いコミットメントをしており、Javaも例外ではありません。
Azure上でJavaを用いることにより、クラウドネイティブアプリケーションの開発、マイクロサービスアーキテクチャの採用、ビッグデータ処理、機械学習などの先進的な機能を統合したソリューションを実現できます。

OpenJDKとは

OpenJDKとはオープンソースのJava Development Kit(JDK)であり、Javaプラットフォームの標準実装として広く利用されています。
Azul ZuluはこのOpenJDKをベースにしており、Windows、macOS、Linuxなど複数のプラットフォームで利用することができます。

Microsoft Build of OpenJDKは、特にAzureなどのMicrosoft製品との統合に焦点を当てている一方で、Zulu OpenJDKはより広範な用途とプラットフォームをカバーするように設計されています。

Microsoft Build of OpenJDK

提供元
Microsoftが提供。AzureなどのMicrosoftのプラットフォームやサービスでの使用を想定し、最適化されています。

対象ユーザー
主にMicrosoftのクラウドサービスユーザー。Azure上でのJavaアプリケーション開発や運用をスムーズに行いたい企業や開発者。
Microsoft Build of OpenJDK 21のダウンロード画面
Microsoft Build of OpenJDK 21のダウンロード画面
Microsoft Build of OpenJDKのダウンロードリンク

Zulu OpenJDK

Azul Systemsが提供する完全なOpenJDKビルドで、商用利用にも対応しています。Zuluは、OpenJDKのプロジェクトと完全に互換性があるため、Java SE標準に準拠したJava開発環境を提供します。

また、Azureのプラットフォームでシームレスに動作し、最適なパフォーマンスと安定性を確保するために定期的なアップデートが提供されています。
Zulu OpenJDKのダウンロード画面
Zulu OpenJDKのダウンロード画面
Zulu OpenJDKのダウンロードリンク


AzureとJDKの関係

Azureは、マイクロソフトが提供するクラウドコンピューティングサービスであり、多くの企業や開発者にとって、アプリケーションの開発、テスト、デプロイ、管理のプラットフォームとして不可欠な存在です。
JavaとAzureの連携は、世界中の開発者コミュニティから注目を集めており、Azureクラウド上でJavaベースのアプリケーションを効率的に動作させることが可能になります。

JavaをAzure上で使用する最大の利点の一つは、強力なインテグレーションとエコシステムです。Azureは、さまざまなJava開発ツールやフレームワークと簡単に連携できるように設計されています。

また、アプリケーションのスケーラビリティ、信頼性、管理性を強化するための一連のツールセットとサービスを提供することで、Java開発者がビジネスニーズに応える柔軟で実践的なソリューションを提供できるよう支援しています。

JDKのインストール

Java開発を始めるためには、Java Development Kit(JDK)が必要です。
JDKには、Java Runtime Environment(JRE)、Java Virtual Machine(JVM)、およびJavaプログラム開発に必要なライブラリやツールが含まれます。

特にAzure上でJavaアプリケーションを開発する場合は、Zulu OpenJDKのようなAzure認定のJDKビルドのインストールが推奨されています。

OpenJDKディストリビューション 提供元 主要な特徴 主な使用事例
Oracle OpenJDK オラクル オラクルがリードする公式のOpenJDKプロジェクト、タイムリーな更新、パフォーマンス 一般的なJava開発、最新のJava機能
AdoptOpenJDK (Adoptium) Eclipse Foundation コミュニティ主導、幅広いプラットフォームサポート、TCK認証済み コミュニティ主導のプロジェクト、広範な互換性
Amazon Corretto アマゾン 長期サポート、パフォーマンスの向上、Amazonサービスとの統合 Amazonクラウドサービス、エンタープライズ環境
Azul Zulu Azul Systems 広範なプラットフォームサポート、パフォーマンスの最適化、商用サポート利用可能 エンタープライズアプリケーション、多プラットフォームサポート
Microsoft Build of OpenJDK マイクロソフト Azure向けの最適化、クラウドアプリケーションに対するマイクロソフトのサポート Azureクラウドアプリケーション、マイクロソフト環境
Red Hat OpenJDK レッドハット エンタープライズに焦点を当てた、レッドハット製品との統合、長期サポート レッドハット環境、エンタープライズアプリケーション
SAP Machine SAP SAPアプリケーション向けの最適化、定期的な更新、エンタープライズ機能 SAPアプリケーション、エンタープライズJava環境


各ディストリビューションは、一般的なJava開発から特定のエンタープライズアプリケーションに至るまで、異なる環境や使用事例に対応するためのユニークな特徴や最適化を提供します。


AzureでのJavaサポート

Azureは、Java開発者にとって非常に魅力的なクラウドプラットフォームで、多くのサポートを提供しています。

これには、Javaランタイムの継続的な更新や、実行環境の管理、開発ライフサイクル中の多様なJavaアプリケーションのサポートが含まれます。

AzureのJavaサポートは、開発者が効率的にアプリケーションをビルドしてカスタマイズするのを手助けし、ビジネスのニーズに迅速に対応することを可能にします。

Javaバージョン サポートレベル コミュニティサポート終了予定日
Java 21 (Linux) プレビュー 2028年9月
Java 17 一般提供 (GA) 2027年9月
Java 11 一般提供 (GA) 2027年9月
Java 8 一般提供 (GA) 2026年11月30日


この表は、AzureでサポートされているJavaのバージョン、それぞれのサポートレベル(プレビューまたは一般提供)、そしてコミュニティによるサポートが終了する予定の日付を示しています。

サポートレベルが「プレビュー」の場合、そのバージョンは試用段階にあり、本番環境での使用には推奨されません。「一般提供 (GA)」と表示されているバージョンは、本番環境での使用に適しています。

マネージドJavaランタイムサービス

Azureは、Javaアプリケーションのランタイム環境を管理するマネージドサービスも提供しています。マネージドJavaランタイムサービスは、クラウドプラットフォーム上で提供される、Javaアプリケーションのデプロイメント、管理、運用を簡素化するサービスです。
この種のサービスは、開発者がインフラストラクチャの管理やランタイム環境の設定に関わる複雑さから解放され、アプリケーションのコーディングとビジネスロジックの開発により集中できるようにすることを目的としています。

これにより、開発者はインフラストラクチャの管理から解放され、コードの開発と機能の向上に集中することができます。

例えば、Azure App ServiceやAzure Spring Cloudなどのサービスは、シームレスなデプロイメントや自動スケーリング、高可用性などを提供し、エンタープライズグレードのJavaアプリケーションを簡単に運用できる環境を整えています。

AzureとJDKの参考リソース

以下は、JavaとAzureについてさらに学びたい方に推奨するリソースのリストです。


まとめ

本記事では、Azureにおけるオープンソースソフトウェア(OSS)であるJava Development Kit(JDK)の特徴やインストール方法、Azureクラウド上でのJavaサポートについて詳しく解説しました。

Azure JDKやZulu OpenJDKなどのツールを活用することで、開発者はクラウドのスケーラビリティと柔軟性を最大限に引き出しながら、効率的にJavaアプリケーションを構築できます。また、AzureでのJavaバージョンのサポート状況や、マネージドJavaランタイムサービスの利点についても触れ、Azure上でのJava開発の利点を明らかにしました。

Azureの強力なエコシステムとJavaの汎用性を組み合わせることで、開発者はビジネスニーズに迅速に対応し、高品質なアプリケーションを提供できるようになります。今後もAzureとJavaの連携が深まることで、クラウドネイティブなアプリケーション開発がさらに加速していくでしょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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