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ChatGPT 4.5(GPT-4.5)とは?使い方や料金、提供開始した機能を解説!!

この記事のポイント

  • ChatGPT 4.5(GPT-4.5)は、ハルシネーションが起こりにいEQの高いモデル
  • 教師なし学習のスケーリングとアーキテクチャの最適化で教師なし学習の効果を最大限に引き出す
  • より自然な会話、高度な推論能力、制御性の向上を実現
  • ChatGPT Proユーザーはすでに利用可能、APIも提供開始済み

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。


ChatGPT 4.5(GPT-4.5)は、OpenAIが開発した最新のAIモデルです。従来のGPT-4やGPT-4oから大幅に性能が向上し、より自然な会話、高度な推論、高い共感性(EQ)を実現しています。

本記事では、このGPT-4.5について、その全貌を明らかにします。
GPT-4.5の主要な特徴、GPT-4oとの比較、具体的な機能、料金体系、安全性への取り組み、そして多様な活用事例まで、詳細かつ網羅的に解説します。

ChatGPT 4.5(GPT-4.5)とは?

GPT-4.5は、従来のGPT-4やGPT-4oに比べ、規模と性能が飛躍的に向上したOpenAIが発表したAIモデルです。ChatGPTで利用することができます。

特に、「教師なし学習のスケールアップ」に力を入れており、AIは膨大なデータから自らパターンや関係性を学習し、より高度な知識と創造的な洞察を提供できるようになりました。

初期テストでは、GPT-4.5との対話がより自然で、ユーザーの意図を汲み取る能力が向上していることが確認されています。
また、進化した「EQ(感情知能)」により、実用的な問題解決や文章作成、プログラミングの支援において、より高いパフォーマンスを発揮しています。

ChatGPT研修


ChatGPT 4.5(GPT-4.5)の性能詳細

GPT-4.5は、具体的にどのような特徴を持つモデルなのでしょうか?ここでは、GPT-4.5の性能面も含めた詳細な特徴を、GPT-4oなどとの比較を交えながら解説します。

教師なし学習のスケーリング

スケーリングイメージ
スケーリングイメージ

GPT-4.5の最大の特徴は、教師なし学習のスケーリングに重点を置いている点です。

教師なし学習
大量のデータ (テキスト、画像、音声など) から、AI自身がパターンや関係性を学習する手法。

  • メリット: 教師データ (正解ラベル付きのデータ) を用意する必要がないため、大量のデータを活用できる。
  • デメリット: 学習の方向性を制御するのが難しい、AIの判断根拠が分かりにくい (ブラックボックス化)。

スケーリング:
計算資源 (コンピューターの性能) やデータ量を増やすことで、AIモデルの性能を向上させること。

  • 一般的に、計算資源やデータ量を増やすほど、AIモデルの性能は向上する (スケーリング則)。
  • しかし、スケーリングには限界があり、単純に規模を大きくするだけでは、性能が頭打ちになることもある。


GPT-4.5では、計算資源(コンピューターの性能)やデータ量を増やす「スケーリング」に加え、モデルの構造や学習方法を工夫することで、教師なし学習の効果を最大限に引き出しているとされています。

より自然な会話

GPT-4.5は、初期テストにおいて、GPT-4oよりも「より自然に感じられる」会話ができることが示されています。
これは、以下によると物だと考えられます。

  • より広い知識ベース
  • ユーザーの意図を汲み取る能力の向上
  • 進化した「EQ (心の知能指数)」

高いEQ (共感力)

GPT-4.5は、人間の感情や意図を理解し、共感的な応答を生成する能力 (EQ) が高いとされています。

例えば、ユーザーがテストに失敗して落ち込んでいる場合、GPT-4oは具体的なアドバイスを長々と提示するのに対し、GPT-4.5は、まずユーザーの気持ちに寄り添い、共感的な言葉をかけ、話を聞く姿勢を示します。

実際に、GPT-4oと比較した結果は以下のようになっています。
EQテストの結果
EQテストの結果。(GPT4.5とGPT-4oの回答を比較した際の、GPT4.5の勝率) (参考:OpenAI

GPT-4.5は、状況に応じて、適切な応答 (アドバイス、励まし、雑談など) を選択できる、より人間らしいAIであると言えます。

事実性の向上 (ハルシネーションの低減)

ハルシネーションとは、LLMが事実とは異なる情報を生成してしまう現象のことです。

GPT-4.5は、SimpleQAにおいて、GPT-4oやo1モデルよりも低いハルシネーション率を記録しています。

ハルシネーション率
ハルシネーションレート。割合が低いほど良い。 (参考:OpenAI


これは、教師なし学習のスケーリングにより、より正確な「世界モデル」 (現実世界の知識) を獲得できたためと考えられます。
ハルシネーションの低減は、AIの信頼性を高める上で非常に重要な要素です。

知識ベース

SimpleQA は、LLM (大規模言語モデル) の事実性 (知識の正確さ) を測定するためのベンチマークです。単純ながらも難易度の高い知識問題が出題されます。

GPT-4.5は、SimpleQAにおいて、他のモデルを凌駕する高い正答率を記録しています。

SimpleQAベンチマーク
SimpleQAベンチマーク (参考:OpenAI

リーズニング能力 (学術ベンチマーク)

GPT-4.5は、リーズニング (推論) 能力を測る学術ベンチマークでも、GPT-4oを上回る結果を示しています。
科学、数学、多言語、マルチモーダル、コーディングなど、様々な分野のベンチマークで高い性能を発揮しています。

【比較表 (GPT-4.5, GPT-4o, OpenAI o1, o3-mini)】

学術ベンチマーク結果
これらの結果から、GPT-4.5は、GPT-4oをはじめとする既存のモデルと比較して、知識の正確性、事実性、共感性、推論能力など、様々な面で優れた性能を持つことが示唆されます。

制御性 (Controllability) の向上

GPT-4.5では、より小規模なモデルから得られるデータを活用し、大規模かつ高性能なモデルを効率的にトレーニングするための新たなスケーラブルな技術が導入されています。

これにより、GPT-4.5の制御性 (応答のスタイルやトーンなどを制御できること) が向上しています。


ChatGPT 4.5(GPT-4.5)の料金

現在はChatGPT Proプランのユーザー、もしくはAPI経由でのみ利用可能です。

ただし、Sam Altman氏によると、来週にはChatGPT Plusに加入しているユーザーにも提供される予定とのことです、

ChatGPT4.5(GPT-4.5)のAPI料金

GPT-4.5は、非常に大規模で計算負荷の高いモデルであるため、GPT-4oや、推論に特化したOpenAI oシリーズのモデルと比較して、API料金が高額に設定されています。

モデル 入力 (通常) 入力 (キャッシュ利用時) 出力
gpt-4.5-preview $75.00 $37.50 $150.00


その他の主要モデルと比較した表は以下の通りです。

API料金表 (100万トークンあたり)

モデル 入力 (通常) 入力 (キャッシュ利用時) 出力
GPT-4.5 $75.00 $37.50 $150.00
GPT-4o $2.50 $1.25 $10.00
OpenAI o1 $15.00 $7.50 $60.00
OpenAI o3-mini $1.10 $0.55 $4.40


ただし、「GPT-4.5は教師なし学習に重点を置いたモデル」であり、推論に特化したoシリーズのモデルとは設計思想が異なります。そのため、単純な料金比較は難しい面もあります。

また、現時点では、GPT-4.5は研究プレビューとしての提供であり、APIの長期提供は未定です。OpenAIは、今後のモデル開発を進める中で、APIでの提供継続について検討するとしています。


ChatGPT4.5(GPT-4.5)の実際の使い方

ChatGPT 4.5はChatGPTのサービス(Webサイトやアプリ)、Azureなどのクラウドプロパイダー経由、APIの活用で利用することができます。

ChatGPTサービスでの使い方

ChatGPTサービスでの使い方
ChatGPTサービスでの使い方

GPT-4.5の利用は従来と同様にモデルを選択することで利用が可能できます。

加えて、GPT-4.5は、チャットの他に以下の機能を利用できます。

Azure AI Foundryでの利用

Azure AI Foundry画面
Azure AI Foundry画面

2025年2月28日現在、Azure AI FoundryでGPT-4.5はリリースされているもののアクセスリクエストが必要です。

アクセスリクエスト画面
アクセスリクエスト画面

時間を要することもあるので利用を希望する場合は早めに申請しましょう。

APIでの利用方法 (開発者向け)

GPT-4.5は、以下のAPIを通じて利用できます。

Chat Completions API

  • チャット形式のインターフェースで、GPT-4.5と対話できます。
  • 様々なアプリケーション (チャットボット、文章作成ツール、翻訳ツールなど) に組み込むことができます。

Assistants API

  • GPT-4.5を、特定のタスクを実行するアシスタント (エージェント) として利用できます。
  • 例えば、顧客対応アシスタント、データ分析アシスタント、プログラミングアシスタントなど。

Batch API

  • 大量のテキストデータを一括処理できます。
  • 例えば、大量のドキュメントの要約、翻訳、分類など。

GPT-4.5のAPIは、

  • 関数呼び出し
  • 構造化出力
  • ストリーミング
  • システムメッセージ
  • 画像入力 (ビジョン機能)

といった機能に対応しています。


ChatGPT4.5(GPT-4.5)の安全性について

GPT-4.5のような高性能なAIモデルは、社会に大きな利益をもたらす可能性がある一方で、悪用されたり、意図しない結果を引き起こしたりするリスクも伴います。
ここでは、GPT-4.5の安全性に関する取り組みについて解説します。

学習データの調整 (新たな監督手法)

GPT-4.5の学習には、新たな監督手法が取り入れられています。

  • 従来の教師ありファインチューニング (SFT): 人間が作成した正解データ (例: 質問と回答のペア) を用いて、モデルを学習させる手法。
  • 人間のフィードバックを活用した強化学習 (RLHF): 人間のフィードバック (例: どちらの回答が良いか) を報酬として、モデルを学習させる手法。
  • 新たな監督手法: GPT-4.5では、SFTやRLHFに加え、より小規模なモデルから得られるデータを活用し、大規模かつ高性能なモデルを効率的にトレーニングするための、新たなスケーラブルな技術が導入されています。

これらの技術により、GPT-4.5は、より人間の価値観に沿った、安全な応答を生成できるようになると期待されています。

安全性テスト (Preparedness Framework)

GPT-4.5は、公開前に、OpenAIのPreparedness Framework に基づく一連の安全性テストを受けています。

  • Preparedness Framework: OpenAIが開発した、AIモデルの安全性評価フレームワーク。

  • 安全性テストでは、GPT-4.5が、

    • 有害なコンテンツ (差別的な発言、暴力的な表現など) を生成しないか
    • 誤った情報 (ハルシネーション) を生成しないか
    • 悪意のある利用 (詐欺、スパムなど) に繋がる可能性があるか

などを評価します。


ChatGPT4.5(GPT-4.5)の活用事例

GPT-4.5は、その高い性能と多様な特徴を活かし、様々な分野で活用できる可能性があります。ここでは、具体的なユースケース (活用例) をいくつか紹介します。

  • SVGの作成(モデルごとの比較あり)

  • AIエディターCursorに搭載

  • 日本語回文チャレンジ

  • ゲームの作成

比較に使用されているClaude 3.7 Sonnetについてはこちらからご覧ください。⬇️

【無料】Claude 3.7 Sonnetとは?使い方、料金体系を徹底解説 | AI総合研究所

Claude 3.7 Sonnetとは何か、料金体系から使い方、新機能であるthinkingモードなど網羅的に解説。拡張思考モードで複雑な問題解決、Claude Codeで開発支援も可能に。

https://www.ai-souken.com/article/what-is-claud-3-7-sonnet

文章作成支援

  • ブログ記事、レポート、メール、小説、詩、脚本、企画書、プレゼン資料など、様々な文章の作成を支援します。
  • アイデア出し、構成案作成、文章校正、要約、翻訳など、文章作成のあらゆるプロセスをサポートします。
  • ユーザーの指示 (テーマ、キーワード、文体、文字数など) に応じて、最適な文章を生成します。

プログラミング支援

  • コードの自動生成、補完、デバッグ、リファクタリングなどを支援します。
  • 自然言語による指示から、コードを生成することができます (例: 「Pythonで、1から100までの数字を合計する関数を書いて」)。
  • コードの誤りを指摘し、修正案を提示します。
  • コードの可読性や保守性を高めるための提案を行います。

学習支援 (コーチング)

  • 個人の学習をサポートする、AIコーチとして活用できます。
  • ユーザーのレベルや目標に合わせて、学習プランを作成したり、問題を出題したり、解説を行ったりします。
  • モチベーションを維持するための励ましや、アドバイスも提供します。
  • 語学学習、プログラミング学習、資格試験対策など、様々な学習分野に応用できます。

ブレインストーミング

  • 新しいアイデアを生み出すための、ブレインストーミングの相手として活用できます。
  • ユーザーのアイデアに対して、様々な視点から意見や質問を提示します。
  • 関連する情報を提供したり、アイデアを組み合わせたりすることで、新たな発想を促します。
  • 一人では思いつかないような、斬新なアイデアが生まれる可能性があります。

まとめ

本記事では、GPT-4.5について、その概要、性能、特徴、ユースケース、使い方、安全性などを解説しました。GPT-4.5は、教師なし学習のスケーリングにより、知識ベース、事実性、EQ (共感力)、創造性などが向上した、非常に高性能なAIモデルです。ChatGPT Proユーザーは、今すぐ試すことができます。また、開発者はAPIを通じて、GPT-4.5を様々なアプリケーションに組み込むことができます。今後のGPT-4.5のさらなる進化、そして、幅広い分野での活用に期待しましょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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