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GPT-4 Turboの利用方法!その機能やメリット、料金体系を徹底解説!

この記事のポイント

  • この記事は、OpenAIによって開発された新しいAI言語モデル「GPT-4Turbo」について説明しています。
  • GPT-4Turboは、128,000トークンという従来のモデルから大幅に増加した入力量に対応しており、APIを通じた利用価格の低減が図られています。
  • カスタマイズ可能な機能の提供や、回答の最適化により、ビジネスや研究などの分野でより具体的かつニーズに特化した活用が期待されます。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

OpenAIが開発した「GPT-4Turbo」は、最新のAI言語モデルとして、驚異的な進化を遂げていることで知られています。
従来のモデルを凌駕する128,000トークンという大容量入力に対応し、マルチモーダルな入力やカスタマイズ性、コスト削減など、顕著な改良点を備えており、その機能性とアクセスの容易さは、ビジネスや研究、教育といったさまざまなシーンでの活用が期待されます。

本記事では、「GPT-4Turbo」の詳細な特徴や料金体系、APIの利用方法に至るまで、具体的なガイドラインを提供し、新たなテクノロジーが開く未来の可能性について解説していきます。

2024年5月14日に発表された最新モデル、ChatGPT4o(GPT-4o)について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください⬇️
ChatGPT-4o(GPT4 omni)とは?使い方、料金など詳細を徹底解説!

GPT-4 Turboとは

New model ‘GPT-4 Turbo’
参考:New model ‘GPT-4 Turbo’

GPT-4 Turboは、2023年3月14日にOpenAIが発表した対話システム特化型のAIモデルです。
GPT-4をベースに、対話生成タスクに最適化されたファインチューニングが施されたこのモデルは、自然な文章生成と幅広い質問への的確な回答を可能にします。

GPT-4 Turboの特徴は、効率的かつ正確な情報処理能力です。ユーザーとの対話において、文脈を理解し、適切な応答を生成することができます。これにより、様々な分野での活用が期待されています。


GPT-4 Turboの新機能

GPT-4 Turboの優れている点は以下の5つです。

以下で詳しく見ていきましょう。

1.入力できる文字数の増加

GPT-4 Turboの最も注目すべき改良点の一つは、より長いプロンプトへの対応能力が改良されたことです。

GPT-4 Turboでは、応答を生成するために処理できるテキストの量が、GPT-4の約4倍となる128,000トークンに増加しました。
これにより、ユーザーはより詳細な指示を与えることができ、結果としてより精度の高い、意図に沿った出力を得ることが可能になります。

【関連記事】
➡️ChatGPTの文字数制限は?回避方法やモデル別の上限について解説

2.マルチモーダル機能

GPT-4 Turboは、テキストだけでなく画像を含むマルチモーダル入力にも対応しています。これは、GPT-4 Turboが画像の内容を解析し、それに関連するテキストを生成する能力を持っていることを意味します。

3.利用価格の引き下げ

GPT-4に比べ、GPT-4 Turboは「入力トークンが3分の1」、「出力トークンが2分の1」のコスト削減を実現しました。

API利用料金の低減は、開発者や企業が先進的なAIをより手軽に利用できるようにする重要な変更です。
これにより、AIはさらに多様なプロジェクトやアプリケーションに取り入れられることが期待されます。

【関連記事】
➡️ChatGPT APIの料金は?モデル別の比較や費用を抑えるコツを解説

4.最新の学習データ

最新バージョンでは、2024年4月までの知識に対応できるようになっていることに加え、特定のデータフォーマット、例えばXMLやJSONでの出力が統一された形式で提供されるようになりました。

加えて、一度生成された内容を再度生成する機能も利用可能となっています。


GPT-4 Turboの使い方

GPT-4 Turboを活用するには、セットアップとAPIの利用方法を理解することが重要です。

ここでは、初心者でもスムーズにGPT-4 Turboを使用開始できるよう、手順を分かりやすく解説します。

GPT-4 TurboのセットアップとAPIの利用方法

まずは5ステップでOpenAIアカウントの開設からAPIキーの発行、プログラミング言語(Pythonなど)を利用したAPIの呼び出し手順を解説します。

ステップ 1: APIキーの取得

  1. OpenAIアカウントにログインします。

  2. ダッシュボードまたはAPIセクションに移動します。

  3. 「APIキーの生成」または「新しいAPIキー」のオプションを探し、クリックします。
    APIキーの取得3
    APIキーの取得3

  4. APIキーの詳細を設定し、「キーの生成」をクリックします。
    APIキーの取得4
    APIキーの取得4

  5. 発行されたAPIキーを安全な場所にコピーして保存します。
    APIキーの取得5
    APIキーの取得5

ステップ 2: 開発環境の準備

  1. 開発を行うコンピュータにPythonをインストールします(すでにインストールされている場合はこのステップをスキップ)。
    開発環境の準備1
    開発環境の準備1

  2. 必要に応じて、コードエディタ(例:Visual Studio Code)をインストールします。

ステップ 3: OpenAI公式ライブラリのインストール

  1. ターミナルまたはコマンドプロンプトを開きます。

  2. pip install openai コマンドを使って、OpenAI公式ライブラリをインストールします。

ステップ 4: APIの利用

  1. pip install openai コマンドをターミナルまたはコマンドプロンプトで実行して、OpenAIライブラリをPython環境にインストールします。(このステップはターミナルで行います)

  2. Pythonの開発環境を開きます。

  3. 下記のコードををPython開発環境に貼り付けます。

import openai

openai.api_key = 'ここにAPIキーを入力'

response = openai.Completion.create(
  engine="gpt-4-turbo",
  prompt="ここにプロンプトを入力",
  max_tokens=100
)

print(response.choices[0].text.strip())


'ここにAPIキーを入力''ここにプロンプトを入力'の箇所を、APIキーと生成させたいテキストで置き換えます。


5. スクリプトを実行すると、GPT-4 Turboからの応答がコンソールに表示されます。

ステップ 5: アプリケーションやサービスの構築

  1. 受け取ったレスポンスを使って、目的に応じた機能を開発します。

  2. 必要に応じてコードをデバッグし、アプリケーションの動作を確認します。

  3. アプリケーションが正しく機能することを確認したら、本番環境での使用に移行します。

GPT-4 Turboの料金

GPT-4TurboはOpenAI APIアカウントを持ち、既にGPT-4へのアクセス権を持っている人が使用可能です。

APIでモデル名としてgpt-4-turbo-previewを指定することで、最新バージョンのモデルにアクセスできます。

モデル 入力価格 出力価格
pt-4-turbo-2024-04-09 $10.00 / 1M トークン $30.00 / 1M トークン
gpt-4-0125-preview $10.00 / 1M トークン $30.00 / 1M トークン
gpt-4-1106-preview $10.00 / 1M トークン $30.00 / 1M トークン
gpt-4-1106-vision-preview $10.00 / 1M トークン $30.00 / 1M トークン


GPT-4 Turboの使用は従量制料金で行われ、API呼び出しに応じた課金が適用されるため、サービスの利用量に沿った予算計画を立てることが可能です。

【参考記事】
➡️ChatGPT APIの料金は?モデル別の比較や費用を抑えるコツを解説

【GPT-4 Turboが無料で利用可能】 Microsoft Copilot

マイクロソフトの「Copilot」無料版でも「GPT-4 Turbo」が利用可能
マイクロソフトの「Copilot」無料版でも「GPT-4 Turbo」が利用可能

Microsoftの広告およびウェブサービスを統括しているMikhail Parakhin氏は、米国時間の3月12日に、「X」(旧Twitter)に、Copilotの無料版に搭載されていたGPT-4をGPT-4 Turboに置き換えたと投稿しました。

「Copilot Pro」のユーザーは、利用用途に合わせ、GPT-4とGPT-4 Turboを切り替えることができます。

Copilotの詳しい利用方法については以下の記事で解説しています。

【関連記事】
➡️GPT-4搭載!Microsoft Copilotとは?できることや料金をわかりやすく解説


GPT4とGPT-4turboの比較

結論、GPT-4はその高い知能と精度で特定のニーズを満たす一方で、GPT-4 Turboは「GPT-3.5を超える知能を、より多くのユーザーが手頃な価格で利用できるように設計」されています。

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出典:OpenAI Developer Forumより

GPT-4は、その高度な知能と精度で知られており、複雑な問題解決や洗練されたテキスト生成において非常に優れた能力を発揮します。この高度な性能は、それに見合う価格設定がされており、質の高い結果を求めるユーザーや専門家にとっては適した選択肢となっています。

一方、GPT-4 Turboは、GPT-4の持つ高い知能を基盤としながらも、コストパフォーマンスに大きく焦点を当てたモデルです。GPT-4 TurboはGPT-3.5よりも賢く、その上、より低価格で提供されています。この価格設定は、AI技術を広く一般に普及させるための重要なステップであり、多くのユーザーにとって大きなメリットをもたらします。

具体的には

  • 長いプロンプトへの対応
  • マルチモーダルな入力の解析

といった、GPT-4の高度な機能を維持しつつ、利用コストを大幅に削減しました。これにより、教育、ビジネス、研究など、さまざまな分野でAIの利用が拡大することが期待されます。

自身のプロジェクトや予算に応じて、これら二つのモデルの間で適切な選択をすることができるでしょう。


GPT-4 Turboのビジネス活用事例

OpenAIは2023年3月にChatGPTのAPI(Application Programming Interface)を公開しました。GPT4-TurboもAPI経由での利用が可能です。

ビジネスシーンでは、GPT-4 Turboを利用して顧客サポートの自動化、コンテンツ生成、データ分析など、さまざまな用途で活用することができるでしょう。

ここではChatGPTのAPIを活用したビジネス事例を紹介します。

AI✖️LINE 「AIチャットくん」

AIチャットくん
出典:AIチャットくん 公式サイトより

株式会社piconはChatGPTをLINEで使える「AIチャットくん」を提供しリリースから2ヶ月で登録者数150万人を突破しています。


「AIチャットくん」はLINEに友達追加して、メッセージを送るだけで、AIが質問に答えてくれます。
旅行の計画や英語での挨拶の作成、他には聞けない子育ての相談などなど多くの人が使用しています。


旅行先をAIに相談!生成AIのSABOROT

旅行先をAIに相談!生成AIのSABOROT
出典:生成AI SABOROT 公式サイト

SABOROT(所在地:東京都渋谷区)は、GPT-4(ChatGPTの言語エンジン)を利用した生成AIサービスを提供しています。AIとの対話から最適な旅行先を提案するAIボット機能は無料プランでも利用することが可能です。

「自社データ」×「ChatGPT」で顧客対応を自動化AI-FAQ:DECA カスタマーサポート

「自社データ」×「ChatGPT」で顧客対応を自動化AI-FAQ:DECA カスタマーサポート
出典:DECA カスタマーサポート:サービスサイト

株式会社ギブリーは「自社データ」×「ChatGPT」で顧客対応を自動化するAI-FAQ / AI-チャットボット「DECA カスタマーサポート」を提供しています。
自社データをもとにしたAIによるFAQの自動生成、FAQ検索のAIによる自動化など、ハルシネーションが生じえない領域に絞ってAIを活用する他、有人チャット/ビデオ通話に対応し、AIによるカスタマーサポートの効率化を安価に実感させることが狙いです。

【関連記事】
➡️ChatGPTの活用事例50選!企業や自治体、教育現場での例を徹底解説!


まとめ

この記事では、OpenAIが開発した最新の対話特化型言語モデル「GPT-4 Turbo」の特長について紹介しました。GPT-4 Turboは、GPT-3.5 Turboをベースに改良が加えられ、より自然で洗練された対話を生成できるようになっています。

GPT-4 Turboの主な特長として、入力トークン数が最大4,096トークンまで増加し、より長く詳細な文脈を処理できるようになったことが挙げられます。また、GPT-4と比較して約3分の1のコストで利用可能になったことで、より多くの開発者や企業が手軽に利用できるようになりました。

GPT-4 Turboは、自然言語処理の分野で大きな可能性を秘めたモデルであり、特に対話システムやカスタマーサポートなどの分野での活用が期待されています。この記事が、読者の皆様にGPT-4 Turboの特長と可能性を理解していただく一助となれば幸いです。

今後も、GPT-4 Turboのさらなる進化と、それに伴う新しい活用方法に注目していきましょう。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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