活用できるAIおよびDX導入事例を多様な業種でご紹介します。昨今のビジネス現場では、自社サービスに生成AIを活用する事例、自社効率性の向上の事例が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例の概要】
南紀白浜エアポート、マクニカ、NECは、南紀白浜空港の滑走路において、自動運転技術およびAIを活用した滑走路点検自動化に向けた実証実験を開始しました。
本実証実験では、マクニカの自動運転車両「macniCAR-01」にドライブレコーダーを設置し、撮影した滑走路路面状況の画像をNECのAIが解析することで、デジタル技術を活用した人力のみに依存しない点検体制の構築を目指します。
【導入の背景】
我が国では社会インフラの将来的な維持管理費の増加が見込まれており、また労働力および熟練した技術力の継続的な確保は、すべてのインフラ事業者の共通的な課題となっています。
このような状況の中、「第5回インフラメンテナンス大賞」および「2022年度インフラメンテナンスプロジェクト賞」を受賞した「ドライブレコーダー×AIを活用した空港滑走路の調査及び点検」と自動運転走行技術を組み合わせることで、これらの課題解決を目指します。
パトロール車によるドラレコ点検と AI 解析の様子 (出典:ドライブレコーダー×AI」を活用した空港滑走路の調査及び点検)
【元々の課題】
空港運用においては、滑走路点検が点検者の技術力に左右され、定量的な評価が難しいという問題がありました。また、効率的な運用による省人化、適切な施設の予防保全による維持管理費の低減も求められていました。
【解決策】
本実証実験では、自動運転車両「macniCAR-01」にドライブレコーダーを設置し、滑走路を含む空港制限区域内を走行します。ドライブレコーダーで撮影した滑走路路面状況の画像をAIが解析し、路面の亀裂・損傷等を自動で検知することで、人力のみに依存しない点検体制を構築します。
実証実験を通して、空港制限区域内の自動走行に係る知見の蓄積や課題の抽出を行い、レベル4相当の自動運転走行(運転者や保安要員が乗車しない車両走行)の実現を目指します。
macniCAR-01 (参考:macnica)
【効果】
本実証実験により、効率的な空港運用による省人化、点検者の技術力に左右されない定量的な滑走路点検、適切な施設の予防保全による維持管理費の低減が期待されます。
将来的には、自動運転車両が自動走行し映像データを遠隔で点検する「遠隔点検」などのスマートメンテナンスへの活用を目指します。これにより、空港におけるインフラ維持管理の効率化と高度化が実現されることが期待されています。
【出典】
マクニカ