この記事のポイント
- この記事は株式会社クラレのDX推進について述べた内容です。
- Azure Synapse Analyticsを活用したデータ統合で業務効率化を図っています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
合成繊維や化学製品で知られる株式会社クラレは、データ統合とDX推進に向けて、Azure Synapse Analyticsを駆使したITシステムの強化に取り組んでいます。本記事では、複数のITシステム間のデータを統合し、セキュリティを高めつつデータ活用を促進するためのクラレの取り組みと、その成果についてご紹介します。従来の課題を解決するためにどのようなアプローチがとられたか、また、実質的にどのような効果が得られたのか、事例を通して詳しく見ていきましょう。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
導入事例概要
1926年に設立された株式会社クラレは、合成繊維や化学製品の分野で業界を牽引してきました。
多くの製品ラインナップを誇るクラレでは、長年培ってきたITシステムを強化し、より統合されたデータ管理構築を目的として、Azure Synapse Analyticsを核にしたDX推進を行いました。
本事例では、同社のDXの取り組みに焦点を当て、データ統合に至るプロセスとその効果について掘り下げます。
導入の背景
クラレロゴ
クラレでは、製品開発から生産、品質管理、物流に至るまで、多様なビジネスプロセスが数多くのITシステムを通じて運用されていました。
これらシステム間のデータ統合と中央管理を行うことで、企業としてのデータの活用促進とセキュリティの強化を目指していることが、導入の背景です。
元々の課題
ITシステムの多様化によりデータが散在し、従業員は必要なデータを集めるのに手間がかかり、またデータのセキュリティ確保が困難になっていました。
データ統合の必要性が高まり、それに伴う解決策を模索する舞台が整いました。
解決策
Azureクラウドサービスのアーキテクチャ図
解決策として、クラウドベースのデータ統合基盤の構築が選ばれました。
Azure Synapse Analyticsが中心のアーキテクチャには、Azure Data FactoryやAzure Data Lake Storage Gen2も利用され、セキュリティとアクセスの容易さを両立させました。
効果
データ管理の中央集中化により、データ準備作業が大幅に削減されました。従業員は時間を節約し、データ抽出にかかる精神的負荷も軽減されました。
結果として本業務に専念する余裕が生まれ、業務効率が向上しました。