この記事のポイント
- この記事では、富士フイルムビジネスイノベーションによるDX推進の事例を紹介しています。
- 同社は、事業構造の転換と基幹システム刷新の一環として、入金消込業務にAIを導入し、業務効率化を達成しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業の数が増えていますが、その一角で富士フイルムビジネスイノベーションがその取り組みとしてAIを活用した実例が注目されています。こちらの記事では、同社がどのようにして膨大な量の入金消込業務にAIを導入し、業務効率化を実現したのかをご紹介します。自社の事業構造を見直す過程で、最適なクラウド基盤としてMicrosoft Azureを選択し、20%の自動化達成率を記録するなど、具体的な成果も明らかになっています。DXを進めるうえでの有益な事例をぜひご一読ください。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
富士フイルムのロゴ
オフィス機器のリーディングカンパニーである富士フイルムビジネスイノベーションは、自社のDXを加速させるため、事業構造の転換と基幹システムの刷新を進めてきました。
DX推進の一環として、膨大な作業量が問題となっていた入金消込業務にAIを導入し、従来にない効率化を実現しています。
【導入の背景】
富士フイルムビジネスイノベーションは、デジタル化の波に乗じて事業構造の変革を見据え、DXを通じてオフィス機器からソリューションへのシフトを強化していました。
企業理念に沿って変化を先取りし、ビジネスに革新を起こす必要があるとして、製品・サービスDX、業務DX、人材DXの3つの柱でDXを進めています。
【元々の課題】
業務DXの重要な一環として取り組まれた入金消込業務は、毎月百万単位の請求書処理をこなす非常に負荷の高い業務でした。
特に月末月初は専任スタッフだけで処理が間に合わず、他部門にも業務を割り振る状況が生じていました。
【解決策】
データ処理とAI統合のフローチャート
富士フイルムビジネスイノベーションでは、入金消込AIの導入を決定し、Microsoft Azureをクラウド基盤に選びました。
基幹システムの一環としてDynamics 365が採用されていたため、Azureが優れた親和性を持つと判断されたのです。
【効果】
導入された入金消込AIは、約20%の自動化達成率を見せ、手動消込作業の大幅な短縮に成功しました。
プロジェクトスタート時に設定された目標を大幅に上回る成果を上げ、業務の効率化が実感されています。