この記事のポイント
- この記事は製造業界の技術伝承と効率化を支援する「SpectA-RFQ-Guide-View」の導入事例を紹介しています。
- SpectA-RFQ-Guide-Viewは自然言語処理AIを活用し、RFQ読解業務の支援を行うサービスです。
- 導入により、RFQにおける抜け漏れがなくなり、案件処理量が4倍、リスク検出能力が1.5倍に増加しました。
- このサービスにより、熟練技術者の暗黙知が形式知化され、効率と品質の向上に貢献しています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
製造業では熟練技術者による暗黙知が大きな役割を果たしていますが、人手不足や技術継承の課題が顕在化しています。こうした中、SOLIZE社がRFQ読解業務を支援する「SpectA-RFQ-Guide-View」の導入事例をご紹介します。AI技術を用いて暗黙知を形式知化し、熟練技術者の知識を活用することで、抜け漏れを防ぎ、案件処理量の増加や品質向上を実現しています。この取り組みにより、製造業におけるRFQの精度と効率の向上が見込まれ、次世代への継承も可能になるなど、業務の革新が期待されます。本記事ではその具体的な内容と効果について解説します。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
SOLIZE社の企業ロゴ
本記事では、製造業における設計領域の暗黙知を形式知化し、次世代に継承する取り組みとして、SOLIZE社が展開する「SpectA-RFQ-Guide-View」の導入事例について詳しくご紹介します。このサービスは自然言語処理AIを活用してRFQ読解業務を支援し、Microsoft Azureをプラットフォームを採用しています。
【導入の背景】
日本の経済発展を支えてきた製造業界では、設計領域において熟練技術者の暗黙知が重要な役割を果たしています。しかし、労働人口の減少や人手不足による高齢化、技術継承の課題などがあり、これらを解決するための対策が求められていました。
【元々の課題】
製造業における暗黙知は熟練技術者個人に依存するもので、これが次世代に継承されづらく、設計開発工程の競争力を損なうリスクが高まっていました。特にRFQの要求文書読解は、その精度と効率が事業の成功に直結するため、注目される課題でした。
【解決策】
SOLIZE社はこれらの課題に対応するため、「SpectA-RFQ-Guide-View」というサービスを開発しました。このサービスはAIを使ってRFQ読解を支援するもので、熟練技術者の知見を形式知化し、高精度な情報抽出とリコメンドを実現しています。
「SpectA-RFQ-Guide-View」のシステム概要
【効果】
導入によって、RFQの抜け漏れをなくし、熟練者同等あるいはそれ以上の精度での情報抽出を可能にしました。また、案件処理量を4倍に増加させ、リスク検出能力を1.5倍に向上するなど、効率化と品質の向上が実現されました。