この記事のポイント
- この記事はホシザキ株式会社のIoT化推進に関する取り組みを詳しく紹介しています。
- SaaS型サービス「ホシザキコネクトWi-Fi」の導入により、冷蔵庫等の機器からリアルタイムデータを管理できるようになりました。
- 顧客は法令遵守のための記録作成の負担が軽減され、業務効率化と経済的メリットを享受しています。
- また、NSW株式会社により開発された低価格でセキュリティを確保したWi-Fiモジュールが活用されています。
- このIoT化によるデジタルトランスフォーメーションがホシザキの業務改革にどう貢献するかが示されています。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
業務用冷蔵庫で知られるホシザキ株式会社が、業界先駆けとしてIoT化に舵を切り、業務改革と進化に挑んでいます。本記事では、ホシザキがいかにしてSaaS型サービス「ホシザキコネクトWi-Fi」を導入し、製品のIoT化を実現させたのか、その背景と具体的な利点について解説していきます。IoT化により、顧客はリアルタイムのデータ管理を手軽に行うことが可能になり、彼らの業務効率化に大きく貢献していくだけでなく、経済的なメリットも享受しているのです。このデジタルトランスフォーメーションが、ホシザキの未来にどのような変革をもたらすのか、その先進事例をご紹介します。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
導入事例概要
ホシザキ株式会社は、フードサービス機器の総合メーカーとして、業務用冷蔵庫などの製品で国内トップクラスのシェアを有している企業です。
2024年1月に新たに「ホシザキコネクトWi-Fi」というSaaS型サービスを導入し、製品のIoT化を推進しました。これにより、リアルタイムでの稼働データや温度データの管理が可能になり、業務の効率化に貢献しています。
ホシザキが採用したIoTボードを開発した、NSWの方々
導入の背景
ホシザキは長年にわたり製品の製造・販売に加え、顧客に対してサービスの提供にも力を入れてきました。
食の多様化や変化に柔軟に対応するため、サービスの高度化および迅速化の一環として、業務用機器のIoT化を進めるホシザキコネクトWi-Fiの導入を決めました。
元々の課題
顧客にとっては、フロン排出抑制法や改正食品衛生法などの各種法令に準じた管理の義務が負担となっており、多くが手書きや手入力で行われ、業務負担につながっていました。
また、ホシザキ自体もDX推進および従来の保守サービスに新たな付加価値を加えたいという課題を抱えていました。
解決策
製品のIoT化により、顧客はインターネット経由で自動化された温度や稼働データの確認が可能になりました。
また、法令に準じた記録作成の負担を軽減するとともに、故障が発生した際の迅速な対応や改善提案も実現しました。
これらは、NSW株式会社によって低価格でセキュリティも確保するWi-Fiモジュールが開発されたことにより実現しました。
IoT化された業務用冷蔵庫が並ぶ展示会場
効果
ホシザキコネクトWi-Fiの導入により、顧客は遠隔で機器の稼働状態や温度をリアルタイムで確認できるようになりました。
法令遵守に必要な記録作りが自動化され、経営の効率化が進み、設定温度の見直しによる電気料金削減などの経済的なメリットも得られるようになりました。