この記事のポイント
- シーメンスはハノーバー・メッセ2024で、AIソリューション「Siemens-Industrial-Copilot」を発表しました。
- 「Siemens-Industrial-Copilot」はエンジニアリングプロセスを迅速化し、反復業務やエラーを削減します。
- 導入により、中小企業グループでは作業負担の軽減とエンジニアリングの強化が実証されました。
監修者プロフィール
坂本将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
最先端のAI技術が産業界にもたらす変革は目覚ましく、シーメンスはその最前線に立ちます。この度、ハノーバー・メッセ2024で、同社が革新的なAIソリューション「Siemens-Industrial-Copilot」を発表しました。このシステムによりエンジニアリングプロセスが大きく効率化されると見られています。本記事では、この新たなAI搭載アシスタントがどのようにエンジニアリング作業を迅速化し、反復業務の負担を軽減するのか、また産業オートメーション分野における従来の課題をどのように克服するのかを詳しく見ていきます。シーメンスの野心的な試みがいかにして産業オートメーションの新時代を切り拓くのか、その内容と成果について解説してまいります。
製造業界のAIおよびDX導入事例をご紹介します。製造業界では、IoTを用いたシステム、ロボット化の技術、ビッグデータを用いた活用が多く報告されています。AIの導入の活用法は、業界ごとに異なり、採用されるシステムも多様です。
この記事を通して 「導入アイデア・あなたに使えるサービス・導入のポイント」 の参考になれば幸いです。弊社ではAI導入の最初の窓口としてAI総合研究所を運営しています。導入のお悩みはご気軽に弊社にご相談ください。
【導入事例概要】
シーメンスの企業ロゴ
シーメンスはハノーバー・メッセ2024において、生成AIを搭載したSiemens-Industrial-Copilotを発表しました。これはTIAポータルに接続することでエンジニアリングプロセスの迅速化、反復作業の削減およびエラーの低減を可能とします。この性能によって開発期間の短縮と品質、生産性の向上につながります。
【導入の背景】
シーメンスは2023年のハノーバー・メッセで生成AIを活用したアシスタントのビジョンを発表しました。この段階では理論的な話で、実装に関する情報は乏しい状態でした。
【元々の課題】
産業オートメーション分野では、エンジニアリングにおける時間の長さ、反復作業の多さ、エラーが発生しやすい複雑なタスクなどの課題が存在していました。これらは開発期間の長さやコストの増大に繋がり、熟練労働者不足などの人的リソースの問題にも直面していました。
【解決策】
Siemens-Industrial-CopilotはAIの力を活用してデータを最大限に使い、エンジニアの工数やエラー率を削減し、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)の基本的な視覚化とコード生成を行います。自然言語でのマニュアル検索や、自動コード生成といった多くの新機能がエンジニアリングに大きなメリットをもたらします。
Siemens-Industrial-Copilotの開発
【効果】
Siemens-Industrial-Copilotの導入により、中小企業グレンツェバッハ・グループでは、エンジニアリングの強化と作業負担の軽減が実証されました。CEOのSteven-Althaus博士は、人間と機械のコラボレーションを次のレベルへ引き上げるとし、産業オートメーションのエンジニアリングを革新する可能性に期待を寄せています。